2019/03/04 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にミセリコルデさんが現れました。
■ミセリコルデ > 港湾都市ダイラス、己を貶めた街、されど自由が保障された街、酷く複雑な物を抱えて、今宵は長期休暇中のお小遣い稼ぎに精を出す。
それはそれはとても簡単で退屈な仕事。
入ってはいけない場所に入ろうとする者の鎮圧、借金を抱えたまま逃げようとする負け犬の討伐、迷子を安全な場所へと案内、と誰がやってもいいし、誰もやらなくていいような雑用と言う奴だ。
先程も1人、酔っ払いなのかそれを装っているだけなのか、判別はつかないが刃物を振り回して暴れる男を制圧して縄で縛って有るべき場所に放り込んできたばかり、で、報酬に貰えた小銭で砂糖菓子を小さな袋一杯に買ってきて、今は適当なところを行き来しながら、お小遣いが落ちていないか、生まれつき夜目の効く眼で周囲を見渡しながら散策中である。
「………アァァ…………。」
是でも欠伸である。
ゾンビの唸り声の如き声色は首輪で見えないが喉を裂かれて、雑な処置を施され声帯を潰された故の産物で、是が是さえ無ければもう少し自由なのだけども、と思わない事も無いが治療にだって金が掛かるし、奴隷商人も危険度がます行為を容易く許してはくれないだろう、治ったからといって故郷の面々と違って精霊と交信魔なんて出来やしないのに……。
かりこり
と奥歯で砂糖菓子を噛み締めながら大きく溜息を吐く。
寒さにより吐き出す吐息は白いブレス、見てくれより機動性を重視した衣服は正直寒いものもあるが、お金がないので仕方ない、それこそ金持ちがパトロンになるか、してくれないと、何とも。
■ミセリコルデ > よし、と心の中で気合を一つ入れると、今夜の仕事は仕舞いにする事にした。
最後にもう一つだけ口に砂糖菓子を放り込むと、残りは後で寝る前に食べようと、心なしか足取り軽く寄宿舎の方へと歩いていくのだった。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からミセリコルデさんが去りました。