2019/01/17 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にミセリコルデさんが現れました。
■ミセリコルデ > 港湾都市ダイラスの船着き場
まだ多少本当に多少穏やかな空気の流れる酒場が多く存在する歓楽街。
その酒場が多く未だに多くが眠る事を知らぬその歓楽街と、船から荷揚げされた様々な商品が厳重に保管されている倉庫外の丁度合間くらい、影が濃く光が薄いそんな場所を1人迷い込んでくる人間が居ないか見回っている。
何故ならば倉庫街からは奴隷市場まで距離は無く、観光客が迷い込んで無用のトラブルを引き起こしたり、小遣い欲しさに足を運ぶ衛兵がわざわざ見回りに来て場を荒らしたり、面倒ごとの芽がにょきっと顔を見せる前に、潰すのが試合の無い日の剣闘士の仕事であった。
勿論日当はでる。
ケンカや荒事で怪我をすれば治療も格安で受けられる。
それより何より売られたケンカで負けた相手からは何をやってもお咎めなしと、言わばある種の狩場であり、今の飼い主である奴隷商人から少しは実戦を積んで来いと、若い経験の浅い剣闘士に良く押し付けられる仕事で、例に漏れず少年もその仕事を押し付けられた一人で。
「……………ふゥ……………。」
今夜の分の宿代、水で薄められた塩味もないスープとカチカチの黒パンと最低限の寝具と、水と……身体を拭くための桶にお湯と……諸々、生活に必要な物の代金はロハにしてやるからと、警備の仕事を押し付けられて早1時間程度になるか、薄暗い倉庫外と歓楽街の境界線とも言える大きな通りを行ったり来たりと繰り返し繰り返し歩いている。
傍目から見て浮浪者が歩いている様に見えなくも無いが、街に住んでいて闘技場に通い詰めた人間には知名度はほどほどあるようで、浮浪者狩りも近づいてこなければ、今夜は酔っ払いもあんまり入り込んでこず、暇を持余し欠伸を何度か噛み締めながら、短い区間をうろうろと……。
灯りの少ない路地では褐色の肌は溶け込んで見づらく、黒色の瞳も髪も同様に闇に溶け込んでいて判りづらい、それでも一応周囲には気配を発し、威嚇して誰も入ってこないように気配を発している事で本人は仕事をしている心算なのだが果たして効果はあるのかないのか。
■ミセリコルデ > 結局今夜遭遇したのは野良犬と野良猫と野良虎……最後のは何処か見世物小屋か何かから逃げ出してきたのだろう、若しかすると闘技場で再開するかもしれない、が今は敵と決まったわけではないから、拳をあわせる心算は無い。
時間、そろそろ体感的に指示のあった時間だろう。
ついでに闘技場によって、この大きな虎が何処のか確認してみよう。
柔かとは言えないごわごわした毛並みの虎の頭をぐしぐしと掌で撫でながら、軽く項を叩いて虎に歩くのを促すと一緒になって闘技場の方へ歩き出すのだった。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からミセリコルデさんが去りました。