2019/01/02 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にティニーさんが現れました。
ティニー > 真夜中の船着き場は人通りもなく、明かりも少なかった。
然程難しくない地図もあまりよく見えず、眉を下げて立ち止まった。

「んー、宿屋はどこなんだろう?地図って苦手だなぁ」

周りをきょろきょろと見回したが、どこも同じに見える。
昼間のうちに宿屋に行かなかった事を後悔しても遅い。
ひとつため息をついてから、近くの倉庫らしい建物に近寄ると、座り込み壁に寄りかかった。
日が上るまでここで時間を潰させて貰うつもり。

「ふかふかのベッドで寝たかったなぁ」

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にマヌエラさんが現れました。
マヌエラ > この寒空の下、夜に外で座り込む少女。
その元に、更に小さな影が、とてとてと近付いていった。

「お姉さん、どうしたの?」

高い声で問いかけるのは、体全部を覆うような長い金髪で、魔術師ごっこをしてるような格好の幼女だった。

「きょうは、さむいわ! 風邪を引いてしまうのだわ?」

ティニー > だんだんとやってきた睡魔を緩く頭を振ったりして堪えていた。
近寄ってきた気配に顔をあげ、可愛らしい子が視界に入れば、思わずふにゃっとした笑顔を浮かべて。

「迷子になっちゃったから、ちょっとここで休ませて貰おうかなって。」

言われてみれば確かに寒い。
自分の腕を擦りながら、ふわふわのきれいな金髪を見つめながら答えた。

マヌエラ > ふにゃっとした笑顔に、目をぱちぱちさせたあと、こちらもつられたようにふにゃっと笑う。

「こんばんは、お姉さん」

と、まずは挨拶。しかし続いた言葉に目を見開いた。

「まあ! 迷子になってしまったのね、それは大変だわ!
 お姉さん、おとなでしょう。おとなでも、迷子になるのね」

皮肉という風ではなく、勉強になった、という感じの物言い。

「でも、ここで休んだら、風邪を引いてしまうのだわ……うーん」

少し悩んでから、思いついた、と笑う。

「なら、お姉さん、私のおうちに来ればいいわ! 風邪なんてひかないんだから、あったかいのよ!」

ティニー > きちんとした挨拶にこんばんは、と答え。
大人も迷子になる、との言葉にぷはっと吹き出して笑うと、大きく頷いてみせる。

「そうなの、大人も迷子になるし、大人も泣いちゃうし、大人も苦い野菜が食べられない人もいるの」

眠気は飛んだようで、楽しそうに言う。
続いた相手の提案に驚いて目を丸くするが、少し身を乗り出しながら。

「いいの?私が行ってお母さんは良いって言ってくれるかな?」

マヌエラ > 「泣いちゃうことがあるのは知っているわ! ……でも、野菜が食べられないおとなの人もいるのねっ!」

目を輝かせて食い入るように聞いた。
質問には、にこっと笑って。

「それは、だいじょうぶ! もっとお姉さんのお話が聞きたいわ!」

と請け負った。

ティニー > 可愛らしい女の子が真剣に話を聞いてくれる様子に嬉しそうな笑みを浮かべる。
大丈夫、と言われるとゆっくり立ち上がる。
手を繋いで歩いていこうと、相手に手を伸ばしつつ。

「お言葉に甘えるね。ありがとう」

深く考えるのはやめた。
親切な人には甘えさせてもらうことにする。

マヌエラ > 伸ばされた手に、目をまたぱちぱちさせた。

「えへへ」

それから、手を小さな、体温の高い手できゅっと繋いで。

「うん、あまえて、おねえさん!
 私、マヌエラってゆうの!」

名前を名乗ってから、歩き出す。

ティニー > かわいい小さな手に手を繋いで貰うと、嬉しそうに目を細める。
軽くきゅっと握りながら。

「マヌエラちゃん?可愛い名前だね。
私はティニーだよ。」

ほっこりと幸せそうな雰囲気で、相手の歩幅に合わせてゆっくり歩き出す。
道はわからないので、にこにこと着いて行く。

マヌエラ > 「えへへ、ありがとぉ!
 ティニーお姉さん! ティニーお姉さんも、かわいい名前ね!」

ゆっくり歩幅を合わせてもらいながら、はしゃぎながら向かう先は、手近な建物、つまり倉庫だった。
その扉に手を掛けるとかちゃりと開き。

「こっち!」

意外なほど強い力で、中へ引っ張り込むように入る。


かちゃん。


2人の後ろで扉が閉まる。
その倉庫の内部は……どう見ても倉庫ではなかった。誰かの部屋や家といった風でもなかった。
広い、ドーム状の空間。足元は石畳にも見えるが、奇妙にうっすらと脈打ってるようにも感じる。硬い筋肉、程度の硬さ。
壁は、蔦がびっしりと編み上げられてできているように見えるが、これも植物のそれというよりも、肉質を感じさせる。
確かに冷たい風は感じない。代わりに、じっとりとした生暖かさが満ちていた。

「わたしのおうちのひとつへ、ようこそ!」

幼女に見える何かは、振り向いてにっこりと笑った。

ティニー > ひとつの建物に近寄っていくのに気付くと顔をあげ、倉庫みたいなお家だなぁなどと思いつつ。
手を引く力に少し驚きながらも建物の中へ。
振り向いた笑顔に、にこっと笑顔を返して。

「マヌエラちゃんのお家、たくさんあるの?
なんだか珍しいお部屋だね?」

相手から視線を外し、見たことのない室内をきょろきょろとして。
不思議な感触に、足を踏みしめてみたり。

マヌエラ > 「うん! あちこちに、お部屋があるのよ!
 珍しいかしら?」

小首を傾げると、まあいいか、と再び笑む。

「あのね、ティニーお姉さんに色々教えてもらうから、お礼も、したくって! ここにしたの!」

踏みつけていたティニーの足元。
石畳めいた割れ目から、突然、触手が何本も飛び出してくると、ティニーの四肢を絡め取ろうとする。

ティニー > きっとお嬢様なんだなとひとり納得して頷き。
色々教えると聞くと、少し首を傾げながら。

「私、何か教えてあげられるかな…っ?!
……きゃっ、なにっ?!」

触手が飛び出して来ると驚き、身体を縮こまらせるも、手足に絡んでくる触手を払いのける間もない。
難なく絡められてしまうことだろう。

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からティニーさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からマヌエラさんが去りました。