2018/09/24 のログ
■ディンゴ > (真夜中。墨のような荒波を越えた船がようやく港に着いた。潮風に混じる陸の匂いに鼻を鳴らし、分厚いブーツの底が甲板を踏みしめると、みしり と音が鳴った。初めて踏み込む土地だ。厩へまわって葦毛の馬の手綱を取る)ほら、行くぞ。陸だ。船酔いしたか?(馬の鼻面を撫でながらタラップを踏んで船を降りた)
■ディンゴ > (空と海は境目の消えた黒だ。さざ波の合間に星が映り込んでいた。だが港へ降り立ち、街の方向へ目をやると、煌々と明るい一角もある。気の荒い船乗りたちの怒号がそこかしこで聞こえる中を、馬を引きながら進む)宿を探さねぇとな。お前も一緒に置いてくれるとこだ。(ブル、と馬が嘶く。まるで返事をしたかのようだったが、長い睫毛はおそらく早急に休める場所を求めているばかりだった)
■ディンゴ > (宿を、あぁ、しまった。そうだ、船乗りと博打をして手持ちはすっからかんだった。ひとり、それを思い出して渋い顔をする。革のグローブで眉間の皺を揉み解したが、やっちまった感は一向に拭えやしない。一度、馬と目を合わせたが、すぐに逸らした)……まぁ、なんだ。俺は根なし草の傭兵だし、おまえはその俺の馬だろ。ちょいと金を稼ぐまで、そこらで野宿でも良いよな。海の上よりかは良いだろ?やめろ、そんな目で見るな。
■ディンゴ > (喧騒のはずれで馬と話して…、いや、まぁ、独り言だ。そんな男の姿も、時期にどこかへ向かって歩き出せば、暗闇に消える。)
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からディンゴさんが去りました。