2018/08/31 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にタピオカさんが現れました。
タピオカ > ダイラスの波止場ではきな臭い事件が起こったばかり。
魔導機械と魔導鉱石の積まれていた密輸船は押収された上で姿を消しているが、王都を脅かすものが行き来する船のどこに潜んでいるかわからない。
自然、ダイラスの冒険者ギルドには船着き場への警備依頼が増える。

「……お疲れ様!交代だよ。
後は僕に任せて」

ギルドのメンバーでもある遊牧民はその依頼を引き受け、夜の船着き場へ向かう。先に見張りに立っていた冒険者にそう声をかけた。就業時間が終わったと知るなりその冒険者の彼はどうも、と手を上げて立ち去っていく。

「……怪しい人影も、船も見当たらないね。
魔法の機械の密輸があったなんて思えないぐらい、今は静かだなあ……」

見張りを引き継いだ遊牧民は、船着き場の木板の上に立ち。組まれた木の杭にざあざあ鳴る潮騒聞きながら片手に松明を持って周囲を伺う。
見張りは本来2人一組だけれど、ギルドによると人手が足りないらしい。そのため、1人で夜の船着き場で佇んでいて。

タピオカ > 目をこらしても、宵闇に蠢く人影は見えない。
持ち場を少し離れるけれど、念の為と桟橋の様子を伺っても怪しい人はいなかった。
正確に言えば、桟橋の下で睦み合っている恋人たちの姿はあった。けれど裸身で触れ合うその2人はどう見ても密輸業者にも間者にも見えなかった。
そっとその場を離れる。
遠く灯台の明かりを眺めて耳を澄ます。警備の人が非常を知らせる笛の音も聞こえてこない。
平穏な夜だ。ホタルでもふわふわ現れそうなぐらい。

「異常なし、と……。
でも、まだまだ夜は長いから気をつけないと。
……でも、ふふ。風は気持ちいいなー」

捕物があったばかり。背景に帝国や島の大きな組織力が絡んでいるのなら、続けて何か起きるとは思えないけれど。
依頼の報酬分だけは働こうと背を伸ばす。静けさと夜風に少し目元を綻ばせながらも、松明の持ち手を逆に変え。
ひととき、ダイラスの夜回りの晩を過ごすのだった――。

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からタピオカさんが去りました。