2018/05/13 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にレキ・キドーさんが現れました。
■レキ・キドー > 「ぁぁぁ~… もぉぉぉ~…」
人目が気になってしょうがない。
闘技場で敗者の辱めを受けた翌日、八百長的に賞金額の半分(以上?)を勝者から分けてもらい、件の倉庫前を目指して歩く。
申し訳程度にほっかむりをして顔を隠してみたけれど、この格好でまな板ショーをやらかした、目立つ異国の装束から着替えてしまわないと意味が無いような気もした。
変えるにしても服を買いに行くための服が無い状態で、とにかくとっととこの土地を離れてしまうのが一番だと思うが。
堂々と掲げ持っていた長刀の高さも、今日ばかりは低い。
■レキ・キドー > ――ほっかむりをしてコソコソ歩く者がどう見えるかはさておき。
先日ゴロツキに絡まれたどさくさで、倉庫前に積まれていた商品らしき陶器(高そう)をけっこうな数壊してしまった。
ちょうど闘技場への出場を検討中で、まずは様子見に観戦しようとしていたのに、いきなり出場してしまったのはこの件によるところも大きい。
しらばっくれてしまおうかとも思ったが、現場を誰かに見られた可能性もあるし、何より持ち主が気の毒だ。
きちんと弁償しようと思って、昨日の今日。
色々あったがとにかくまとまった金額は手に入ったので、心残りを清算してマグメールを目指そうと思う。
「…この辺だよね。」
似たような建物の並ぶ倉庫街は分かりにくい。
現場に辿り着き、確かにここだったはずと辺りを見回す。
もう何の名残も見当たらないけれど―― ふと、真新しい張り紙が目に付いた。
「…ん?
……。
―――んなっ、ちょ、うそっ!?」
それは手配書のようなもので、自分がやらかしたと思しき器物損壊について、情報や犯人そのものに賞金がかけられている。
賞金額すら今の自分には支払えず、一体いくらの物を壊してしまったのだろうと、頭を抱えた。
あのゴロツキ達を探し出して責任取らせようにも、彼らだってお金は無さそうだった。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にリーマさんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にリーマさんが現れました。
■リーマ > (普段はマグメールで飲食店を営んでいるけども、湾岸都市ともなればこうして珍しい海産物やお酒を探して仕入れに出向くことも多い。本日も中々の戦果、両肩に魔導石で中を冷却できるそこそこ大きい特殊な箱二つを太い皮ひもでかけて道を歩く。見かけよりは腕力あるんだなぁという風情だが本人は至ってご機嫌で)
『~♪……いやぁっはっはっは……今日も中々イー魚と貝とウイスキーが……』
(と、この辺りでほっかむりに、何か変わった黒い服。パッと見たイメージで魔導士か何かのような?そんな少年?か少女?が視線に写り、それが何か張り紙のようなものを見て驚いている所に通りがかる)
『じぃ……』
(と口で言ってしまうのは。何というかもう顔が少し赤いというか、ほろ酔い加減なのだ。口うるさい従業員の少年がいないことをいいことに、仕事中だけど既に一杯ひっかけていて、要はご機嫌なのだ。)
■レキ・キドー > ――もうこの際だからやっぱり逃げちゃおうかなあと思う。
自治体が機能していないのかもしれないけれど、張り紙には個人で手配している感があるし、
ひょっとするとヤクザか何かなのではないかと思えば、罪悪感もいくらか和らぐ。
だいたいそんな高価な物を運搬の合間とはいえポンと置いておく方にだって責任があるのではないか。
自分がした事を思うと、誰かが番をしていなくて助かった気もするが。
「――よ、よし!」
全然良くないが、言い訳をずらずら並べ立て、そもそも私は悪くないし!と結論付けた。
さあ逃げよう、今日のうちにダイラスを発ってしまおう、としたところで擬音語が聞こえた。
「――!」
ギギギギギ、と軋んだ音を立てそうな緊張動作で声の方を振り返る。
港の荷役だろうか、細身な女性で意外に思うが、今はそれどころじゃない。
いくらかお酒が回っている風なのでそこまで警戒はしないけれど…
刀の長さが極力目立たないように斜めに抱え、こっそりぴょんこと背伸びした。
「…な、何?
い、良い夜だね、ご機嫌だ。」