2018/03/17 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にフラニエータさんが現れました。
■フラニエータ > 停泊している小型船から出てきた女は、顔を隠していたバンダナを取り去った。
まるで関心が無かったかの様にその船から距離をとると、船もまた、女を無視する様に出港する。
女は欄干へと腰掛けると足をぶらぶら。
「やっぱり…駄目、ね…」
女は仕事で手に入れた宝飾品を売る為にこの場所へと足を運んでいた。
交渉の段階でお互いの意見が一致しなかったのだろう。
「他に捌ける所…あったかしら…ふぅ…」
女はサンプルとして持っていた指輪を一つ、恨めしそうにその手で弄んでいる。
■フラニエータ > 船が作った波は穏やかな波に飲まれ、黒い海はその存在を無かったものにする。
女は適当に小石を拾い、その海へと投げ入れる。ぽちゃん、ちゃぷん、どぼん。いつもの光景だ。
「この時間、酒場は人が多いし…ンもぅッ…」
お仕事の時間は別として、女は雑踏を好まなかった。
だから酒臭くまとわりつく男よりも、潮臭くまとわりつく潮風を暇潰しのお相手として選んでいる。
――ぐるるるぎゅ~~……どぼん。
そこに女の腹の音。後は空腹感に苛立った女が海に八つ当たりした音である。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にフォーコさんが現れました。
■フォーコ > 「それなら、私の持っている宿で食事でもいかがかな?
あまり広い部屋ではないが人目を気にすることはないぞ。
私も丁度貴女のような綺麗な女性と食事をしたかった所でな。」
静かな夜は音がいつもより遠くに届く。
私の長い耳は彼女の独り言と、海へ苛立ちをぶつけている所が良く聞こえた。
おまけに彼女の美しい髪が風に遊ばれている姿もよく見える。
仕事終わりで丁度暇をしていた私は彼女の数メートル後ろから声をかけると、
少しずつゆっくりとした足取りで近づくことにした。
私も一応女とは言え初対面だ。 あまり近づいたら気味悪がられるだろう。
■フラニエータ > 後ろから己に掛かる声。月明かりに照らされたその声の主をこっそりと見る女。まず目に入ったのはその体つきだ。
鍛え上げられた肢体…女は心の中でガッツポーズ。力強く雄雄しい男は女の好みなのだ。
誑し込んで、ご飯を奢って貰って…そこで女ははたと気付く。そして少々項垂れる。
声の主は女…ま、まぁ女の方が判り易いし、勝率は高いし…そんな事を考えながら笑顔を声の主へと向けた。
――げ
かなり項垂れた女。
アッサルトの人物と一瞬で理解した女。それも男の方でなく女の方の。なお更性質が悪い。
盗賊の己の顔を知っているとは考え難いが、変に襤褸を出すと後々大変な事になる。
「…宿をお持ちなの?…お金持ちね…何をご馳走してくれるのかしら?」
とりあえずの笑顔を彼女へ向けて、そんな言葉をかける女。
■フォーコ > 遠慮しながらではあるが、こちらを品定めするような視線が向けられたような。
あの感じは…おめがねに適ったのか?
女性に声をかけるには顔だけでは決まらないと聴かされたことがあるが、私のような顔でも…。
おや、見る見るうちにがっかりしているような。
顔には出ていないがそんな雰囲気が漂う気がする。
私の杞憂であれば良いのだが。
「ああ、実家が手広く事業をしていてな。
貴女が望むようなものをなんでも…と言いたいが、近くで空いてる宿となるとそうなんでもは用意できないな。 まともな料理と酒はご用意しよう。それと、今の私はただの女好きな女だ。
詮索するようなことはしないし、仮に何かを見聞きした所で明日には忘れてしまうだろう。」
私はよくも悪くも顔が知れ渡っている。
人によってはその場で捕まるだの拷問されるだのと警戒してしまうこともある。
なので自意識過剰かも知れないが勘の鋭そうな相手にはあらかじめこういうことにしていた。
■フラニエータ > もし、彼女の立場が平民か女寄りならば、間違い無く女は断らないであろう。
野生的でもある彼女、それはなにより女の好みであるし、使い道がある。
しかし…女にとっての彼女は悪い方の噂しか聴いていない。
いや、一般人には良い噂でも、盗賊からしたら悪い噂なのである。
彼女の口振りがあからさまに無害な自分をアピールしているのも気になる。
このまま監禁もありうるこの状況。女は彼女の顔に笑顔を向けながら思案に耽る。
――と、ここで女の腹が大きく鳴る。空腹には勝てなかったらしい女は、彼女の誘いを受ける事にした。
「…女好きな女、ねぇ。…で…何処にエスコートしてくれるのかしら…?」
女は欄干から立ち上がると、手に残っていた小石を海へ投げ捨て、彼女の方へと歩み寄った。
■フォーコ > …これはもう、あからさまに警戒されてしまっている。
今日は武器の類は何もつけていない筈だ。
やはり日頃の行いか?
普段派手に暴れたりしているのが響いているのだろうか。
私は危なくないことを口にしたつもりだが、私のような者が危なくないよと口にしたら余計に危なく見えるのか?
貼り付いたような笑顔を見せる彼女。
私は自然と小さく息を吐いていた。
ここで彼女の心境をかえる天の恵みが鳴る。
「何、ここの近くの宿へと向かうだけだ。
二人部屋になってしまうが。」
どうやら、彼女は私との食事を受けてくれるようだ。
私は笑みを浮かべ、ここから10メートルほど先にあるレンガ造りの建物を指差した。
「ここの3階の部屋が空いている。 酒と料理は貴女の希望を言ってくれたら出来るだけ適えさせよう。」
後は彼女次第。 彼女がうんと言うなら二人で宿へと足を運ぶが。
■フラニエータ > 彼女の日頃の行い、それも暴れぶりは良く知っている。
お互いの立場が無ければ、女は今頃ベッドの上で誑し込んでいるだろう。お互いの立場が無ければ。
二人部屋、と聞けば女の警戒心が更に濃くなる。
しかし、彼女に興味があるのは確か、それに加えて空腹だ。
普通の宿の普通の部屋ならば逃げる算段は整えやすい、そう考えた女は彼女の言葉に頷いた。
笑顔でこれからの行方を聞いていると、彼女はすぐ傍の建物を指差す。そこの三階と伝えてくる。
「近すぎでしょう…?最初からナンパ目的に感じちゃうわ…それも計算済み、なのかしら…?」
女はどちらとも取れる言葉を吐きつつ、「レーズン、ある?好きなの」と声をかけながら
その建物の3階へと足を運ぶ。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からフォーコさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からフラニエータさんが去りました。