2018/03/15 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にリズィさんが現れました。
■リズィ > 船着き場の中でも船の殆ど泊まっていない波止場の先端、月明かりの中で桟橋に腰掛けながら釣り糸を垂らす人影が一つ。
少し離れた場所では酒に酔って船に戻ってくる船乗りの陽気な声がしているが、それなりに離れている為かチャプチャプと聞こえる波の音が遮られるほどうるさい訳でもないようだ。
「んー、食いつきが悪いなあ。海老じゃなくて虫系の方ががよかったのかも?」
女はカジカジと口に銜えたマタタビスティックを囓りながら不満そうにため息を吐きつつ頭を掻く。
海に沈めている魚籠にはまだ小振りの磯魚が3匹ほどしか入っておらず、2時間ほどの釣果にしてはあんまりな結果だ。
「いっその事この釣った魚を餌にして一発逆転の大物狙いにするか……」
そんなことを考えながら餌として持ってきた生きた小エビを2~3匹ほどつかんでポリポリとおやつ代わりに食べる。
大漁を目指して無駄に沢山生き餌を用意したらしく、時折ピチピチと跳ねているのがなんだか憎らしい。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にリューゼさんが現れました。
■リズィ > 「餌が悪いのか、それとも場所が悪いのか……道具は問題ないと思うし、まさか腕が悪い?」
(いやいや、腕は大丈夫だろう……多分)とちょっと弱気になりかけたので、弱気な思考を振り飛ばすように頭をフルフルと振る。
「あふぅ……」
わざわざ人が少ない場所を選んでいたので通りがかる人もほぼおらず、更に釣果がこれであればその暇さから欠伸が漏れるのも仕方無いことであるともいえる。
「んー、なんか騒ぎが……あ、落ちた。」
2本隣の桟橋に泊まっている商船の辺り、そこから何だか騒がしい声が聞こえて来たので視線をやると大きな波飛沫がバシャッと上がる瞬間だった。
どうやら喧嘩か何かがあったらしいが特に興味も無いので釣りの作業に戻る。
■リューゼ > 仕事で来ているダイラス。
近くの酒場兼宿に泊まってはいるものの、暇を感じてぶらりと外出してみる。
船着き場には夜とは言え、人がいる様子。
時折、片手に下げた革袋に口をつけながら、ぶらぶらと港を歩いていく。
通っていればだんだん人気のない方へと進んでいるらしく、
聞こえてくるのは波の音とわずかな虫の声ばかり。
夏にはもう少し鳴くのかね、と考えながら歩いていれば、桟橋に人影がぽつりと見えた。
何となしにそちらへと脚を向ければ…どうやら夜釣りをしている様子。
「…釣れるかい?」
近くに寄って来てみれば、世間話のようにそう声をかけてみる、
遠くで水音が聞こえてきて、そちらに視線は向けたもののあまり興味なく、釣り人へとすぐに視線を戻した。
青年は温和そうな笑みを浮かべているものの、革袋から少々酒の匂いが漂っているかもしれない。
■リズィ > 波の音を聞いているとリラックスできるのは良いのだが、この暇な状況では眠気が促進されるからあまりよろしくないな等と考えながら何度目かの欠伸を噛み殺している。
そうして暇な時間を過ごしていると、こちらへとやってくる人影に気がつきチラッと視線を向ける。
「ん?そうだねえ……一食分のおかずになれば良い程度には釣れてるかな。」
こちらへと声をかけてきた青年へ少し首かしげて考えるそぶりをし、苦笑気味に肩をすくめつつ笑ってみせる。
桟橋に引っかけて海に沈めている魚籠を指させば、すべて塩焼きにしてもせいぜい一人前程度にしかならないサイズの磯魚が3匹入っており。
「まあでも……人は釣れたかな? お兄さんは飲みの帰りかい?」
マタタビスティックをカジカジしつつ冗談ぽくカラリと笑いながら訪ね返した。
■リューゼ > 魚籠を指さしたの見て、ふむ?という感じに中を覗き込む。
なるほど小魚が3尾。
まぁそんな日もあるだろう、と青年は思う。
「ボウズになるよりは全然マシじゃないかな。」
フォローという事でもないが、苦笑交じりに笑顔を浮かべて見せた。
餌使ってボウズは気分も落ちる。
革袋に入った酒をまた一口飲みながら、再度人影…女性の方を見る。
「いや、暇でちょっとぶらついてる所さ。」
酒はこれ、と革袋をわずかに掲げる。
ちゃぷん、という音と共にわずかにアルコールが香る。
そこで初めて女性の頭の上に猫の耳が乗っている事に気づいて、ちょっとだけ『おや?』という顔をした。
■リズィ > 「そうだねえ、釣果があるとないとでは大分違うしね。」
魚籠を覗きこむ青年を眺めながら(もう一匹ぐらい掛からないかなあ)等と考えながらも、確かにボウズよりはマシだなと同意して頷いた。
「ああ、夜の散歩は暇つぶしには良いからねえ。 場所を間違えると変なのに絡まれるのが玉に瑕ではあるけれど。」
酒精の香りが鼻孔をくすぐったので、何を飲んでいるのかなとスンスンと軽く鼻を鳴らしてその香りをハッキリさせるように嗅ぐ。
「ああ、気になるかい? 別に想像してるような身分でもないんだけどね。」
青年の視線の先に気がつけば軽く肩をすくめて見せた。
■リューゼ > くぁ、と青年も一つあくびをする。
話しているとは言え、それなりにいい時間である。
酒も入っている事だし多少は眠気を感じているのかもしれない。
「月もよく見えているし、人もいる。確かに絡まれるのは面倒だけど、
まぁ俺は男だからそんなに気にはならないかな。」
君みたいな女の子は余計面倒だよね、と続ける。
匂いを嗅ぐような仕草には、これだよ、と革袋を差し出し。
中身はぶどう酒のようで、果実の匂いも混じっている。
「身分を気にしているわけじゃない。
他にも猫の子を知ってるし、それをどうこう思う事はないよ。
単に耳の形と位置が違う生まれってだけさ。」
猫の耳が生えているから上だ下だと思う事はないらしい。
青年はあくまで自然な様子である。ある意味、自由な冒険者だからかもしれない。
■リズィ > 先程から竿の先は生き餌の小海老が動いているのに合わせてピクピクと小さく揺れはしているが、魚が食いつく様子はない。
暇と眠気を誤魔化すように軽く首を左右に捻るとコキコキと首が鳴ったので多少凝りが溜まっていたようだ。
「確かに女だった事で面倒くさいと思った事のトップ3には、夜出歩く時に絡まれやすいっていうのが入るね。」
(女の子といえる歳でもないけれど)とちょっと思ったりもしたが、わざわざ言う事でも無いと考えたようで言葉には出さず。
青年が革袋を差し出せばその口に鼻を近づけて軽く嗅げば葡萄酒の匂いが香った。
「ふーん、なるほど……。嫌いじゃないな、そういうの。」
青年の言葉を聞くと女は興味深そうに暫くジッと青年を見つめた。
そしてフッと微笑を浮かべて返す。
何度か種族を間違われて面倒くさい目に遭ったこともあるが、青年のような人間がいるのは好ましいと考える。
■リューゼ > 首を鳴らす女性の姿を見ていれば、小さく笑った。
やっぱりそれなりには疲れているし、眠くなっているのだろう。
入れ食いならそうでもないのだろうが。
「美人は声をかけられやすいだろうからねぇ。」
青年としては実際の年齢は知らず。
見たままの事を言えば、絡んでいく男もいる事だろうと思った。
特に酒が絡めばよく見る光景ではある事だし。
少し飲むかい、と革袋を差し出したまま。
眠くなるかもしれないけれど、と付け加えて言っておく。
「わざわざ口にするような事でもないけどね。そういう人間もいるって事さ。」
言ってから、竿先を見れば小さなアタリが出ているように見える。
大きくはないが、来たんじゃないかな、と女性の反応を見る。
気づいてなければ、来てるよ、と小さく指差すだろうか。
■リズィ > 未だもってアタリはなかなか来ないようで暇そうに釣り糸を垂らしていると、思ってもいなかった言葉がかかり。
「あはは、やだなあお兄さん。真面目そうに見えて口が上手いんだからさあ。」
客観的に見れば綺麗な方ではあるのだが、普段鍛冶やら魔物退治やらしているような女はその事を自覚はしていないらしい。
そんな青年の言葉を聞けばケラケラと楽しそうに笑いながら手をパタパタと振って見せて否定をするのだった。
「それじゃあお言葉に甘えて一口。」
青年に差し出された革袋を受け取ると軽く口を付けてコクコクと喉を鳴らし御相伴に預かる。
飲んだ後でぷはぁと一息つくのは若干親父臭い仕草であるが。
「そういう人ばかりだと商売もやりやすいんだけどねえ。」
「ん?ああこれね、生き餌使ってるからそれが動いてるだけだよ。このままだと生き餌も余りそうだし持って帰る?」
指摘を受けると傍らに置いてある生き餌用の水瓶を指さして答える。
中にはまだ100匹以上の小エビがいるようで時折ピチピチと跳ねている。
■リューゼ > お世辞でも聞こえたのだろうか。
…別に口説いているわけではないからいいんだけど、とは思う。
ちょっともったいないな、とも。
「お世辞は苦手なんだけどね。ま、いいさ。」
女性が一口呷った革袋を受け取れば、やれやれ、という風に笑う。
間接キスがどうの、という事を気にするタチでもなく袋はそのまま。
飲み慣れているなと少し思った。
「生餌の動きか。…こりゃ大物までは長くかかりそうだね。
餌は…もらってもな。釣れなきゃ持って帰って揚げてツマミにでもしたらどうかな?
君は、何か商売をしているのかい?」
漁師…というわけでもないだろう。
道具は簡素なものだし、暇つぶしの釣りのようにしか見えない。
少し興味をそそられてそんな事を聞いてみる。
■リズィ > どうやら酔っ払いやヤリたいだけ輩の口説きで言われることはあるが、素面でまともに言ってくる様な者には慣れていない様で女はひとしきり笑った後でニコリとするだけ。
「ご馳走様でしたっと。なかなか美味しかったよ。」
袋を返した後で軽くお礼を言う女。
主に男だらけの職場出身なので余り気にしていないようで。
「んー、その手もあったか。もう一品増えるしそれも有りかな。」
「ああ、鍛冶屋とその材料採取で冒険者をね。今は店を持ってない流しだけど。」
青年の言葉を聞いて、かき揚げにでもしようかと小エビの水瓶を覗いてその量を目測する。
そして腰に差している自作の短剣等を指さして見せ。
■リューゼ > 女性が笑顔を浮かべれば、青年も少しだけ笑った。
別に口説くつもりがないのでこれ以上言ってもしょうがないだろう。
「お粗末様。安酒ですまないね。」
気安いというか、気兼ねがないというか。
話していると楽な女性だな、とも思う。貴族の女性などではこうはいかないのだ。
「いい酒のアテになると思うよ。
…それにこの季節はちょっと釣りも渋めだしね。」
素揚げして塩を振るだけでも十分美味い。
もう少し、春になって気温が上がって来ればもっと釣れ始めるだろう。
海の温度は陸より少し遅い気がするし。
「鍛冶か。…そのうち世話になる事もあるかもしれないな。
俺はリューゼ。君は? せっかくだし、名前くらいは聞いておきたいな。」
女性の得物を見れば少し興味をそそられた様子。
名前を聞いておけば、ひょっとすればここや王都などで見かけるかもしれない。
そして、名前を聞けばそろそろ宿に戻ると告げるのだろう。
酒場もある事だ。何なら一緒に一杯どうかなとも誘うだろう。
またの機会にという事ならおとなしく帰るだろうし、付き合うという事なら泊っている酒場に案内するかもしれない。
さて、女性がどうでるか。
■リズィ > 「アタシは結構好きだよその味。」
普段行く酒場でもエールや酒精は強いが手頃な値段の物ばかり飲んでいるらしく、逆にお高い酒を出されても気後れしてしまう。
それにこのぐらいの距離感で気楽に飲む酒の方が楽しいらしい。
「確かに寒いと魚も動きが鈍いからねえ……。磯の根っこの方とかだとまだマシではあるんだけど。」
もっとも今日の釣りは釣果を期待していた訳ではない……というには用意していた生き餌の量はいささか多すぎだとは思うが、そこはご愛敬というところ。
「その時は少し位値引きしとくよ。オーダーメイドならそこそこするけど、数打ちならそれなりにお手頃だよ。
アタシはリズィ、よろしくリューゼ。」
これ以上いても釣果は見込めそうもないようで、女もそろそろ帰ろうかなと思っていたところで酒場へのお誘い。
飲酒が好きな女はそれに惹かれて付き合う事にする。
(お酒だお酒だ)等と少しばかりはしゃぎながら釣り竿や魚籠などを片付けるとそれらを背負って青年の後をついて行くことになる。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からリズィさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からリューゼさんが去りました。