2017/12/09 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にチルユキさんが現れました。
■チルユキ > 酒に酔った男たちのご機嫌な笑い声が、酒場の窓を震わせる程に大きく聞こえてくる。
強い酒精は余り好みではなかったが、出てくる人々が記憶も足取りも覚束ないとなれば恰好の場でも、ある。
喧騒が一際大きくなる、と。ドアが開閉された証左でもある。
外の風に当たって来る、と言っては浴びた野次から逃げるようにふらふら歩く男、に。建物の隙間から白い手指を伸ばして首根を掴む。小柄な男が声を上げるより先に。唇で衣服をよけて肩口に牙を突き立てる。――――――固い。眉間に皺を寄せながら痛覚麻痺のそれを流し込み。
■チルユキ > 未だ、強い飢餓は感じていない。
血を奪ったのはそれ程長い時間ではなく、拭うよう舌を掠らせて男から手を離す。ふらふらと歩いた男が、店の入口で座り込むのを視界の端に、建物の隙間を伝い抜ける。
時間が経っても戻ってこない仲間を心配した酒場の客が外を覗き、まるで泥酔した結果のように店先で眠り込む男の頭をひっぱたく。連なる男の寝惚け声。
それらを後にしながら、口元に付着した血を浅く舐め取る。
道に出ると、海に面した場所で。潮の匂いが唐突に強くなり。靡いたスカートの裾を軽く抑える、と。代わりに髪が貌にあたった。う、と眉を寄せ
■チルユキ > 顔の正面に髪が被されば、どちらが前で後ろなんだか分からず幽鬼のような出で立ちになる。
何より感覚が鬱陶しくて指で雑に凪いでいたが、根負けするよう諦めて指が落ちる。
視界を塞がない程度に掻き上げながら、コンクリートの際を緩々と歩く。ひとの、うごくもののかたちを自然と探し。
■チルユキ > そのままゆっくりと進んでいく。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からチルユキさんが去りました。