2017/07/05 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にピアさんが現れました。
■ピア > 陽が傾こうかという刻。
定期船から降り立った少女の足先がふらつく。
まだ波に揺れているみたいだ。
先日貴族の主催する宴に出演したところ、予想外の高額な報酬に与り
ここ数日は宿に困ることのない生活を送っていた。
それどころかこうして、王都から離れてみようかなどという気紛れを起こす余裕さえ生まれた。
しかし初めての船旅は試練であった。
オリジナルがそうなのか、たまたまそういう体質になってしまったのかは知らないけれど絶賛船酔い中。
青白い顔で俯く少女は倉庫の壁に手をつき、よろよろと伝い歩く。
(気持ち悪い…。どこかで休みたい……。)
歌える酒場があれば…だなんて思っていたのはいつ頃までだったか。
とてもそんな元気はない。
そろそろ不夜城が目覚める時間だけあって、道は賑わっているが少女の気分はだだ下がり。
遂にその場にしゃがみ込むと落ち着くまで呼吸を整えることに。
もう陸地にいるので良くなるとは思うのだが、すぐに、とはいかない。
■ピア > 屈んだまま、船の中で貰った地図を広げてみる。
酒場も多いが、カジノを含め娯楽施設が多い場所のようだ。
(気分が良くなったら1度カジノも見てみようかな。
…お金を賭ける所だよね?散々注意されたからなぁ…。)
少女の振る舞いが余程田舎者っぽかったのか危なっかしかったのか。
船旅の間、見知らぬ人にそれはもう、カジノの恐ろしさをこんこんと説かれた。
そのおかげで多少の注意力を持って挑めそうではある。
前後不覚な少女が多少注意したところで知れたものかもしれないが。
船着き場付近で地図を凝視する姿は、おのぼりさん感を全く隠さないのであった。
■ピア > 宿泊施設の固まっている所。
先ずはそこを目指すべきだろうと立ち上がると、先ほどよりは幾分もしっかりした足取りになっている。
荒くれ者の海の男たちや賭け事に目を血走らせた者たちに混じりながら、
少女は時折地図に視線を落とすので彼らにぶつかりつつ、海沿いを歩いていく。
――――東西南北逆さまになった地図を片手に。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からピアさんが去りました。