2017/02/24 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にイーリスさんが現れました。
■イーリス > 船着き場の倉庫群が立ち並ぶ場所からほど近い酒場は賑やかで、歓声が響いていた。男たちの陽気な声と女たちの歓声、今宵の客はよほど実入りがよかったのか、酒場の外まで聞こえ漏れているほど。
「あぁ、一人で大丈夫だ。お前たちにとっても久々の陸だ、楽しむといい」
伴を申し出た男を制すように、ひらりと片手を上げて、凛とした涼やかな声を響かせ、賑やかなその酒場から一つの影が出てくる。
酒場を後にしたその人影は、酒場を背後にゆっくりと、海の方へと歩みを進めれば、酒場の喧騒は薄れ、代わりに耳に届く波の音はいつもと変わらず、内海ゆえの穏やかさで響いている。
「久々に陸に上がったからか…酔ったかな」
酒はさほど飲んではいなかったし、例え飲んだとしても、酔うほど弱くはないという自負もあったが、少しばかり苦く笑い、波止場のあちこちに置かれている空樽の一つに腰を下ろした。
海は凪いでいて、強くはなかったが、月明かりを反射させている。
沖の船から見るのとは少し景色の違う海をぼんやりと眺めて、酒に酔ったか、陸に酔ったか、兎も角少し酩酊気味の思考を覚醒すべく、時を過ごしている。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にガリアさんが現れました。
■ガリア > (――非番の日、騎士足る者常に職務に忠実たれ、と言う者も居れば
非番はあくまで非番だと、公私をきっちり分ける者も居る。
自分の場合どちらかと言えば、恐らくは後者で、場合によっては前者
ただ、今宵の場合は唯単純に――思い切り、食って、騒いで、飲んだ
遠征から帰って来たというのも在るし、指令の関係で此れから先
短い期間では在るけれど、多少羽目を外し難くなるからと言うのも在る。)
―――――……うーん…鱈腹食った、良い肉だったぜ…。
(満足だ、と大きく伸びをしながら、店を出て夜風を浴びる
取り合えず、当面の食欲は満たされた――訳ではないが
羽を伸ばすという意味では、態々王都では無く此処まで脚を運んだ甲斐が在ったと言う物
さて、後は適当に宿でも選び、数日休んで帰るだけだと、そんな事を考えながら
――波止場を歩む、其の最中。 樽に腰掛ける人影を見つけては、何となし、其方へと視線を向けた
僅か、訝しげな表情を浮かべたのは――其の、「匂い」に)。
■イーリス > 空樽に座り、片膝を立てては、その上に肘を突き、顎を乗せ、のんびりと夜の海を眺めている。
時折港を出入りする船も見えたが、どれも「普通の」船であり、煌々と明かりを灯していたから、それが星の代わりに海を照らしていた。
特に何かを考えているわけでもなく、ただただぼんやりと、潮騒と潮風とに包まれているだけではあったが、そんな中でも、気配を感じる程度のことは、その辺の人間よりは慣れたモノ。
ふと、頬杖を突いた顔をその気配の方へと向ける。
とはいえ、警戒しているわけでもないのか、片膝を立てて座ったままの体勢で。
視線が捉えた先に人影は見えたが、少し目を凝らすようにすっと双眸を細めてみたものの、それだけ。
声をかけるわけでもなく、視線はその人影の動きを追うように向けられたまま。
ともすればその姿は警戒しているように…見ようによっては見えるかもしれず。
■ガリア > (宵闇に浮かぶ其のシルエットは、男を思わせる物だった
例えば狩猟へ出向いた貴族で在ったり、或いはこの港町の事だ
船に乗る類の者で在ったりするのかも知れない。 ……知れない、が
――僅かばかり鼻を鳴らして、其れから、別段気配を隠すでもなく、樽へと向かい)
………アンマリ呆けてっと、身体が冷えちまうぜぇ?
(一声、相手の背後辺りから声を掛けては、其の横へと姿を見せよう
淵にて大きく伸びをしては、潮の香りを堪能しながら深呼吸をし
それから、もし叶うのであれば、其の横顔を間近にて
或いは、警戒して近寄らせても貰えない様であるなら、其の時はまた
僅か首を傾けて、じっと正面向き合う事となるやも知れないが)。
■イーリス > 視線をその人物に向けたまま、近づいてくるのに合わせて、細めていた双眸に少し警戒するような色が滲む。
だが、それでも飄々とした態で膝を立てたまま、立ち上がろうとはせず、また腰の得物に手を掛けることもしなかった。
「あぁ…」
耳に届いた相手の言葉に、実に短く応えては、大丈夫だと示すように、軽く首を竦めるようにして見せた。
とはいえ、思わぬ距離を削がれると、僅かに顎を引き、警戒を露わにするように眼差しに鋭さを滲ませるが、相変わらず得物に手も出さなければ、腰も上げないところは、相手を出方を見ているようでもあったし、そもそも警戒するほどの相手かと見定めるようでもあった。
それゆえ、相手が間近で顔を覗き込むのも容易であろう。
「君の方こそ、懐が冷えかねないぞ、このあたりは、碌でもない連中も多いからな」
親切な忠告をくれた相手に、スリやらナンやら、ゴロツキも目立つこのあたりの治安を引き合いに、こちらも忠告めいたことを口にして笑う。
少なくとも、警戒をすべき相手ではないと判断したのか、先ほどまでの鋭い眼差しは消えている。
■ガリア > (――さて、この辺りは決して治安が良いとも言えない。
例えば酒に酔った者が身包み剥がされて路上に捨てられていた、と言う話も決して少ない訳ではないのだ。
故に、こうして出会う相手が、果たして警戒に値するのか否かを見定める事は
自衛としても、とても大切な事だ――まぁ、今回に関しては其れよりも寧ろ
個人的に気になった事が、其の儘相手への興味に繋がっただけなのだが。
相手の顔を覗き込めば、美男子、と表現しても間違いでは無い、芯の在る顔立ち
けれど、実際に向き合う事で、漸く確信が持てる事も在る――男ではないな、と。)
……嗚呼、そりゃどーも。 まだ何日か居る心算だからなァ、美味い飯が食えなくなっちまうのは困っちまうぜ。
(確かに、普段よりも少々多めに携えている懐は、奪われでもしたら大変だ
特に美味い飯が食えなくなるのは悲惨だと、くつくつ歯を見せて笑っては
相手の容姿を改めて眺めて、僅かに肩を竦めて見せよう。)
つーか、そっちこそ気を付けなァ、見た目だけなら御前さんの方が、よっぽど金づるに見えるぜ?
……ま、在る程度動けるのは、みりゃ判るけどよ。 お嬢さんなら、尚更だ。
(――銃や短剣、それ以外にも、其の衣服やらは随分と『裕福』に見えるだろう
何よりも、其の腰に下げている皮袋がそうだ。 懐と表現するよりも、余程目を付けられると
逆に、相手へと忠告し返すのは――恐らく、そんな忠告は不必要だろうと判っていての、敢えて)。
■イーリス > 間近で見る相手に忠告をしたものの…それが不要であろうことも理解しているようで、ふっと短く呼気を吐くように笑みを零すと、やや大げさに、両手を広げて見せた後で、ひょい、と首を竦める。
「はは、確かにな。懐が寂しければ、美味い飯も食えなくなる。あぁ、食えなくなったらいい働き口を紹介しようか」
相手の言葉に同意をするように頷きながら、広げた腕を戻し、再び頬杖を突き、顎先を乗せ。
少々行儀は悪いが、その態勢のままのんびりと、警戒する気がないことを示すように、相手を眺める。
「忠告感謝しよう。まぁ、この辺りの連中で私から巻き上げようなんて馬鹿は居ない。
他所者なら別、だが………―――っ」
この辺りのゴロツキ連中であれば、己とその配下の者に手を出せばどうなるか、程度のことは既知であり、故に伴も連れずに一人で散策もできるというもの。
とはいえ、相手の忠告には素直に感謝を示すべく、笑みを深めたが。
思わぬ言葉に、少しばかり表情を硬くし、言葉を区切ったが、
「じゃあ、もしも私が襲われそうになったら、助けてくれるかい?
君も…なかなか腕が立つように見える」
お嬢さん、という言葉に否定も肯定もせず、一瞬覗かせた堅い表情も崩し、冗談めかした口調で問いかける。