2016/12/13 のログ
砕華 > (あの忍びとは、近々また会うことになりそうだ。
そのときに、敵になっていないことを切に願おう。

しばし考えている最中、ハクのほうから向けられる、畏敬の念。
その視線には、どうしてこんなにも大きいのか、というような意味合いが込められているような気がした。
呪詛、というものの正体、おそらく魔術に明るくない砕華にしてみれば、未知のものであろう。
もはや成長することのない、ハクのその体を見下ろしながら、砕華は軽く首をかしげた。)

「錬丹術は、シェンヤンでは上部のものにしか伝わらない、秘術とも称されています。
それを、旅人に教えるのは、なかなか難しいものがあるかと…。
それに…鍛錬術は優れた医学を、持ち合わせていますゆえ……。」

(現在、シェンヤンの帝は病に伏している。
その、帝の病を治すべく、錬丹術士の面々は、都に常備されている。
ハクが会おうに会えなかったのも、それが原因であることも、棄て切れはしないだろう。
面会は諦めてしかるべき、別の方向から考えたほうが、早いかもしれない。)

「…しかし、其れでそのように、露出してしまっていては、男のいい餌食になってしまいます。
この国は、野獣が住まうゆえ…。近頃は怪しげな妖魔も、潜んでいるとの噂がありますし…。」

(ゆえに、砕華もあまり外を出歩かなくなっていた。
触れてみればいい、と腹を差し出されても、砕華はやんわりとそれを断った。
いくらどうぞといわれても、初対面で体をぺたぺた触るのは、あまり好ましいことではない。
しかも、この場所は公共の場、こんなところでそのようなことをしたら、あまり周りの目によろしくはない。)

ハク > (戦闘に関する勘は冴えているものの、人付き合いに関する勘は鋭くないハク。
羨ましそうに見つめていた相手が首を傾げた所で、何を考えていたのか察する事はできず……
ただ、視線を向けられて困惑したのだろうか、と考えて少し視線をさ迷わせる。)

「おお……いやはや、霊薬とか言う仰々しい名前でござるしなぁ……
実際、ダメで元々、という気持ちであった故、砕華殿が気を砕く事ではござらぬよ。
無理を言ってすまなかったにござる」

(シェンヤンの国の事情は知らないが、それでも素性の知れぬ旅人を国の主に会わせろなどと無体な話、断られて当然。
もし目の前の相手がその主――帝に忠誠を誓い義を掲げているのであれば先ほどの言葉もまた不逞であろう。
目の前の女性からは狂信ほどの信念は感じる事はできていないが、祖国の主に対する敬意は自らもあるので、その領域を犯してしまったかもしれないため真摯に謝り。)

「まぁ、もうそれがしも……ひぃ、ふぅ……そうでござるな、もう25歳でござるし。
男の経験だってそりゃあるにござる。とは言えまぁ、このような体に欲情する男は少ないでござるよ」

(――とはいえ少々長い船旅。船付きの娼婦に飽き足らず乗船客であり、かつ見た目が幼い自分にまで性的な要求を求めてきた相手が居たには居たが――
いやはや、彼の血脈の『種』を作る『なにか』が半分なくなってしまったが、それに関する同情も何もない。)

「野獣に妖魔、にござるか。
――それがしはむしろ、その妖魔こそ出会いたいでござるよ。
それがしの体に呪詛を仕込んだ、忌々しい奴がこの国に現れたと聞いて、やってきたのでござるしな」

(体に触れぬのは、彼女の紳士さ(?)故か。触れないのであればそれはそれで、とたたずまいを正し――
そして彼女の言う『妖魔』という言葉に反応し、一瞬だけ溢れる殺気を漏らしてしまう。
が、すぐに顔を振ってそれを発散させる。街中で殺気などふりまくものではないのだから。)

砕華 > (何を考えているのかまでは、砕華も察することは、出来なかった。
ただ、何かハクにうらやましがられることがあったのか、と少し気になった。
胸は、見えている限りでは平坦、背は高いが、このあたりでは珍しい顔立ち。
それのどこかで、ハクが羨ましいと感じる所があれば、やはり身長だろうか。
女性の平均より、高い身長は時折、そういう畏敬の念を送られることもあるがゆえに。)

「……出来れば、ハクさんのお力になりたくは、あるのですが…。
いかんせん、私に出来ることといえば、ハクさんの役に立つ薬を作ることくらい…。
いえ、無理を言われている気にはなっていませんよ。」

(ただ、自分でもなかなか会うことの出来ない、皇帝様に謁見を申しだそうとしていたのは、多少気に障った。
素性の知れぬ旅人に、帝が会ってくれるかどうかといわれれば、首を横に振るだろう。
普段は隠している、狂気の念。それを垣間見せることもなく…。)

「25!?」

(ただ、その年齢を聞けば、さすがの砕華も、開いているのか解らないような、細目を見開き驚く。
砕華、齢弐拾四。それよりも更に一つ上の、齢弐拾五。
さすがに驚きは磨るものの、呪詛の効果と考えれば、そのことは多少ありえる話、と軽く襟を正した。)

「――――失敬。しかし、そのような体に欲情する男も、やはりおりますので。
努々、あまり警戒を解かれないほうが、よろしいと思いますよ。」

(逸れに、この国では人身売買が横行している。
それらに巻き込まれれば、探すものも探せなくなるがゆえに、と。
妖魔の話、そして呪詛を書けた本にかもしれないというもの。
さて、この近くで現れた妖魔は数知れず。逸れに、防衛の要と言われている、タナールもある。
一瞬現れた、その殺気にすこし、くすと笑みを浮かべつつ。)

「…さて、私もそろそろ、馬車の時間が迫っておりますゆえ…このあたりでお暇をば。
ハクさん、探し物が見つかるよう、祈っておりますよ。」

(そして、もし通ることがあれば、王都の紅一朝と言う名前の薬屋。
其処を尋ねれば、砕華がいることを伝えると、一礼をしてゆっくりと、滑るように歩いていくのだった。)

ハク > 「いえ、本当に申し訳ないにござる。先ほどの話、忘れていただければ幸いでござるよ。
――薬でござるなぁ。今のところは病気等は問題ないでござるが、何か必要があれば頼むでござる……
っと、そういえば傷薬が少々心もとなくなってきていたでござるな……」

(少し申しわけなさそうな顔を見せてくる砕華の様子に、本当に申し訳ないと重ねて頭を下げて謝辞を示す。
そして続く言葉に、そういえば――と思い出して。
自分の体には不要と言えど、他人に使う事もあるのであるに越したことはない。
ちょうど目の前の女性が薬を営んでいるのであれば、後ほど購入しに伺うのもいいか、と思って。)

「……む、そうでござるよ。25でござる。
先述の『呪詛』により、不老となってしまっているのでござるよ……
故に先ほど、つい、それがしも砕華殿くらいの身長まで伸びていたらよかったであろうなぁ、と思ってしまったにござる」

(それは背中に背負う大太刀も理由の一環か。
この子供サイズの身長では非常に大きいが、砕華くらいになればまぁ、まだ『そういうものを戦場に持ってくるものもいるだろう』程度に認めてもらえるだろう。
しかし自分がこの刀を背負っていても、『子供が遊びにきたのか』くらいの扱いばかりされて――少々ふがいないのだ。)

「むむ、了解したにござる。
まぁ、野宿等する時は気を付け――
と、出立の時間でござったか。それでは、また王都にて砕華殿の店でお会いしようでござるよ!」

(体に気を付け、警戒をしてくださいという心遣いには笑顔でうなずく。
この体を心配してくれる人など――いやまぁ、いるにはいるが。
どちらかというと『母性』『父性』的な心配をされるばかりであり……
そんな中、旅人としての心配には『年齢』を感じずに済んで、どこか安心を覚えていた。
そんな中彼女が出立すると聞けば頭を再び一度下げてから見送り――)

「……あ。」

(会話に集中して、忘れていた。
――金がない。
今夜、どうしよう――)

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」から砕華さんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からハクさんが去りました。