2016/12/12 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にハクさんが現れました。
ハク > 「はぁー……いやはや、船旅は中々に一苦労でござったなぁ」

(東の方から南の国を経てようやくマグメールの港町へたどり着いた船舶から、1人の少女が降りてくる。
青い羽織が特徴的だが、何より周囲の人間がぎょっとして視線を向けるのは素肌にぴっちりと張り付いた黒いモノ。
魔力を被覆したタイツじみたものに体のラインをしっかりと浮かばせている少女は、何事もなかったかのように船を降りて陸に向けて足を進める。)

「して、ここが奴の姿が最後に確認された国にござるか。
ふむぅ、マグメール。まれびとのくに、との事でござるが……」

(きょろきょろと周囲を見回すが、己のような獣人はあまり見かけない。見かけはするが、どちらかといえば奴隷として使役される立場の者が多い。
はっきり言って、あまり治安はよく無さそうだと思いながら身長ほどもある大太刀を背負って油断なく道を歩く。
からん、ころん、と下駄のなる軽快な音を立てて。)

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」に砕華さんが現れました。
ハク > 「して店主殿。この果実は一体幾らにござるか?
……ふむ、10ゴルド、と。なるほど……」

(港で酒場のある場所を聞き、其処へ向かう道すがらに見つけた露店。そこにあった赤く瑞々しい果実に尾を振ってしまい近寄り値段を聞いてみて――
しまった。換金するのを忘れていた、という事に気付く。
羽織の裾に入れた金子袋に入っているのは、南方の国の通貨である『ギタン』。これはこの国では使えないらしい。)

「ぐぬぬ……ぬ?ち、違うでござる!それがし、別にお使いではないでござるぞ!?」

(「お嬢ちゃん、ちゃんとお母さんから小遣いもらってくるんだよ。」
等と言う店主に憤慨の意を示し、尾を逆立てて店から離れる。
しかし――困った。酒場で一つここらの酒でも飲んでみようかと思っていたのに……お金がない。)

「ぬぅ……困ったにござる……」

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にアッシェさんが現れました。
砕華 > (装いもすっかりと、冬の物に移り変わり、道行く人々の吐く息は白く色づいていた。
暖かいものが恋しくなり、港町という事で、露天のあちこちで、魚介のスープを取り扱っていた。
ふんだんな海の幸から、たっぷりとエキスを滲み出した汁物は、道行く人々の視線を釘付けにするような。
魔性の香りを漂わせ、そして空腹すらも誘発させていく。

その香りに誘われ、砕華は開いているのかいないのか、分からないような瞳を露天に向けていた。
シェンヤンの山岳部で生まれ育った砕華は、勿論山の幸の味にうるさい。
しかし、それと同じくらいに、老師の下で味わってきた魚介のものにも、なかなかに舌が肥えていた。
美味そうな、香ばしい香りを漂わせているその汁物に鼻を鳴らせていると、店主が一杯どうかと進めてくる。
しばし悩んだ砕華は、かくんと首をかしげて、キモノの袖から硬化を取り出していた。)

「では、一杯だけいただけますか?
…うふふ、とてもおいしそうな香りですもの、これは抗えません。」

(砕華は、この国の通貨であるゴルドを取り出し、数枚ほど店主に渡した。
ごつい腕をしている店主は、豪快に笑いながら紙で出来た器に、なみなみと琥珀色の液体を注ぐ。
そして、おまけだといわんばかりに、剥きエビと二枚貝を少しだけ、サービスしてくれた。

キモノのそでで口元を隠し、肩を震わせながら砕華は笑う。
それはまるで、お礼を言っているかのように。
軽く一礼をすると、そのまま露天街をゆっくり、滑るように歩いていく。
器を両手で持ち、あちこちを見渡しているのは、座る場所を探している所為か。
その視線が、随分と艶やかしい衣装に身を包んだ、白銀の尾を持つ少女?に向けられるのに、時間はかからなかった。)

ハク > 「むぅ……しまったにござる……」

(不意な失敗に対するリカバリー力の低いハク。
両腕を組みながら軽く俯き、眉根を寄せて深く深く考えこんでしまう。
今いる場所は、まだ港の傍。露天街に入ったばかりであるが故に、戻れば両替商の店もあるやもしれない。
が、先ほどちらりと見た限りではそのような看板は無かった――
とすれば、よもやこの国、両替商は港には居ない――?
であれば無一文たるこの身でまずはこの減ってしまった腹を一体どうすれば――
と考えたところで漂う魚介スープの濃厚な香り。
それはたちまち鼻から脳へとたどり着いてしまえば、くぅうう、と可愛らしい腹の虫を鳴らしてしまう。)

「むぁっ!?」

(そこでようやく、10分を超え考えこんでいた事に気付いて視線を上げると、そこにいたのはおかっぱに髪をそろえた女人が一人……スープを手に、ふとこちらを見ている。
見た目といい、恰好といい、故郷の人に似ていると思いつい視線をそのまま返し、絡ませてしまう。)

アッシェ > (闇夜に紛れる配達人は基本 地面を歩かない。港町においても屋根の上から市井の様子を眺めるのだ。
ごそごそと腰に下げているバックから 数枚の便箋を取り出すと あっちとこっちとそっちと
屋根の上から道行く人よりも露天主やその手伝い 港町を賑やかに持成す側を見定めているのだ。

たんたん、と屋根の上から 人にぶつからないように便箋を投げ込んで配達していく、と同時に移動を開始する。
配達もするが、屋根というか庇にかかっている便箋を取って回収していくのも忘れない。
その便せんや注文書等がこの港町は多いからだ。料金?前払いか後払いか纏め払いなど多彩。
そうして 屋根の上で うろうろ 配達と回収をしてから バックに回収分を―硬貨や便箋をしまい込んでから、

邪魔にならない場所に すっとんと音を僅かに出して地面に着地をしてしまう。
むくっと起き上がれば あら 珍しい 狐系住人の姿。もうお1人は黒髪の着物に下駄の方。
どちらも 此処においては珍しいと言えば珍しい。)

(配達人としての業務は一休み、とても気になる2人の様子を一寸観察。思わず 蕩ける様な甘声で独り言を発す。)

「あれま、珍しか。」

砕華 > (この国に来て、早半年弱。尻尾の生えている人物は、何人も見てきた。
神獣族、この国ではミレー族というのだが、それらが該当する。
しかし、その種族はこの国では奉公人、所謂奴隷階級に位置している人物ばかりだった。
神の一族として、シェンヤンではとても敬愛されている一族なのだが、国が違うだけで、ここまでかと驚くこともあった。
しかし、目の前にいる少女はどうも、そのような感じには見受けられない。
まず、目が違う。彼らのように、濁った目をしていない。
いや、濁った目をしていない、無垢な神獣族も確かに知っているので、そこまで珍しくはない。
しかし、一番珍しいのは、主人をつれていない、というところか。
逸れに、独特の語尾の鈍り。故郷ででも使われていた――。)

「………もし、そこの。もしや貴女は…」

(尋ねようとしたところで聞こえたのは、ハクの腹の音。
いつ、この国に来たのかは定かではない、しかしその腹がなるほど、空腹に。
くす、と袖で口元を隠し、肩を震わせた。)

「このような場所で、まさか故郷の人に出会えるとは思いませんでした…。
貴女は、東の国からやってきたのですね?」

(とてもとても、珍しい。
ここで同郷の人に会うのは、それこそ道端に落ちている石ころの中から、金を見つけるくらい珍しい。
絡まる視線、砕華は微笑みながら、両手で持ったスープを差し出した。
アッシェからしてみたら、それは珍しかろう。
この国では早々、『キモノ』姿を見ることはない。
貴族階級であっても、シェンヤン東の辺境の民族衣装を、着こなせる人間はいないはずだ。)

ハク > 「む、ぬ?」

(ふと、先ほどまでは何もなかったはずの場所に立っている黒髪の少女。
――とはいえ、目の前に立っているおかっぱ髪の少女とはまた違い、己の故郷の者とは違う雰囲気ではあるが……
囁かれた甘い声の言葉には、何やら聞き馴染んだ響きを覚えてしまう。)

「おぬしは……ぬ、何者でござる?
気配が薄い――勘違いであれば申し訳ござらぬが、『シノビ』か何かであろうか?」

(その少女が龍種であるとは気づかないまま、人として隠密に長けた故郷の職である『シノビ』の一種であろうかと問いかけ。
それとほぼ同時、目の前に立つおかっぱの女人からの視線を強く、感じる。
体ではなく、眼と――腕?に注がれる視線はいったいいかなる理由か。)

「ぬ、あ……いや、恥ずかしいにござるな。
それがし……あ、それがしはハクと申すにござるが、おぬしの言う通り東からやってきた者にござる。
旅の途中でこの国に寄ったばかりでござるが、ちと不手際でこの国の通貨を得ずに入国し、困っていた所にござってな。」

(腹の虫の音を聞かれて恥ずかしそうに銀の尾を揺らし。
続いて、差し出されたスープを受け取り眼を輝かせて。)

「おお、戴けるにござるか!?これはかたじけない!
金がなく、だが腹は減り、どうしようかと本当に困っておったのでござるよ!」

(受け取ったスープに満面の笑顔を見せる様子は、見た目の年齢相応に見える。)

砕華 > 「………。」

(気配が薄い、ハクのその言葉に、砕華は視線だけアッシェに向けた。
この寒空の下、ずいぶんと露出の高い服を着ているが、どこかしらアッシェから、凍えというものに無縁の気がした。
その微笑み、甘く蕩けるような声、完全に人のものではないと、砕華は思う。
今まで、薬屋店主として幾人物人間を見てきたがゆえに、人を嗅ぎわける鼻、というものが染み付いていた。
珍しか、というのも鈍り。どこの地方かは解らないが、彼女もまたこの国の人間ではなさそうだった。
あいているのかいないのか、わからないような細目を向けつつ、にこりと微笑む。)

「皆様、そのように仰いますね…。
私としては、この服は普段着ですので、あまり好奇の目で見られるのは…。」

(とは言え、今でこそマシにはなったが、以前はそれ目的で店に来る人間も、数限りなくいた。
勿論、薬を買っていく人間もいてくれたが、大半は砕華の、キモノ姿が目的だった。
言い寄ってくる人間もいたが、そこは軽くいなすのみであったけれども。)

「ハクさん……ですか。
私は砕華(ソイファ)と申します、北の国シェンヤン、その更に東の辺境より、この国にて薬屋を営んでおります。」

(ダイラスには、薬の配達でやってきた。
その帰り道、店は臨時休業にしているので、多少あけても大丈夫。
店番が誰もいなければ、大体締めていることの多い店なので、いまさら気にするようなことでもなかった。
そして、ここのところ名前が売れ始めているらしい、キモノ姿の女の名前。
この国で過ごしているアッシェも、もしかしたら聞いたことがあるかも知れない。
裏の名前は、ともかくとして。)

アッシェ > (ミレー族自体 大して珍しくはない。珍しいのはその井出達。
キモノ姿もだが羽織に刀を含む拵を二人が持参している。今は収納しているとはいえ己も小太刀は所持している。
あやふやな記憶で間違っていなければ 野太刀レベルの拵を二人は持ち 恐らくはその使い手であろうと。
独特の訛りを使っているハクの様子と立ち振る舞いが何ともそそる砕華のやり取りを、
野次馬に紛れて見て聞いている 闇の配達人アッシェという図)

(と、ハクに真っ先に気づかれたので 僅かに頭を下げる仕草を。)

「うち?    うちは 配達人ぇ。
 気づかれはったのは 意外… えや、気づかれはったのは ええん。
 シノビ? んー…それでええか。 シノビってどこかの言葉やろね?」

(うすーく にっこりと笑みを浮かべて シノビという言葉を知らないが為に 何となく頷くだけ。
肩から下げていたバックを下げ直して 二人の様子を漠然と見ているだけ)

「東って 独特なんねぇ… かんにんな。不躾なめせん浴びせもーて、な?」

「なん…うん?鋭いしと(ひと)やね ねーはんは。  秘密にしておくんと嬉しゅうな?」

(気配は意識してこの薄さ 意識していなかったらかなり気配は薄くなる、その気配の薄さでスキル発動すると
恐らく闇の仕事人たるアサシンにとっては相当腕の立つ何かにして、薄着なのに凍えとは無縁だ 寧ろ熱い。
砕華はんより向けられる笑みに対して 己の唇に指を添えて 「気づいても秘密にしたってな」っと小声で囁く様に発す。)

「ハクはんか、 覚えときましょ。
ソイしぁ…ソイファはんか シェンヤンのしとか 薬屋…何かの際にお世話になるさかいな 宜しゅう。

うちも名乗っとくぇ うちは アッシェや。…シノビ?やっちょんの。
何か配達したいものあったら うちが運びさかいな?」

(砕華の裏の名前?ここで口に出したらあかんと思って 口に出さない表情に出さない。
シノビというか闇の仕事人としてのプライドがある。表立っての薬屋なら耳に挟んだ程度だ。腕の立つ薬師だと。
己の職業は 表は 配達人だが 裏の仕事は闇真っ暗、アサシン。名は売れておるまい。売れたら裏の仕事が困る。)

ハク > 「ふむ、砕華殿にござるか。シェンヤンとはまた、世界を巡って懐かしい名前にござる。
ふむ、であればもしかするとそれがしと出身は近くであったかもしれぬでござるなぁ」

(頂いた魚介のスープを、はふはふとあったかそうにしつつ少しずつ飲み尾を振る狐人。
ごきゅり、と喉を鳴らして飲んだ所で互いの紹介を聞いてみれば、故郷の国と貿易のあった国の名前。
それでは自分の国とも親交はあったろうか、と思って祖国の名前を口にしてみれば――
もしかすると、砕華の故郷とは非常に近しい国だったかもしれない。
ともかく、今のハクにとっては故郷に近しい――つまりは親しみやすい人間として、細目のおかっぱ女性を脳裏に刻み込んだ。)

「薬屋……にござるか。ふむ……一つ尋ねてみたいのでござるが、『呪詛』の解除を行える霊薬などは扱っておらぬでござるか?」

(スープに入っていた剥きエビをおいしそうにちゅるんと食べて、そういえば、と尋ねてみる。
この身に刻まれた忌まわしき6つの呪詛。解除できる手段が仇の討伐以外にあれば、少し気は楽になる。)

「してそちらは、配達人にござるか?
ううむ、飛脚にしては上等な隠形の術であると思ったにござるが……
む、『シノビ』とはそれがしの故郷と近くの国にある、職種にござる」

(少々、本当に少しだけ驚いたような気配を感じたが――気のせいだったかもしれない。
蠱惑的な声の少女が頭を下げつつ、聞き馴染んだような訛りに耳を震わせてみながら、さて、では違う国のものか、とも思い。)

「アッシェ殿にござるな。うむ、ではなにかしらこの国にて知人などできたら頼らせていただくにござるよ!」

(うむ!とスープを飲んで幼女じみた腹が膨れたハク。
少し気が緩んだせいで羽織の襟が緩み、黒い被膜に包まれた乳房の先端、その形すら露出してしまったが気づいていない様子で笑顔を浮かべる。)

砕華 > (シノビは、シェンヤン東の文字にて”忍”と書く。
忍とはすなわち、忍者――東の国で言う暗殺者のことである。
配達人が、こんなにも薄く気配を隠さなければならない、という理由を、砕華は思いつかなかった。
只野に持ち運びなら、確かにここまで気配を隠さなければならない、という事にはならない。
アッシェという人物は、闇の世界に足を突っ込んでいる、という構図が、至極当然のように砕華の頭に浮かぶ。

しかし、小声で囁くように聞こえたのは、「秘密にしてほしい」というアッシェからのお願い。
いや、お願いというには少し物騒なのかもしれない。
アッシェの事を考えると、その秘密は秘密にしておかないと、砕華も危ないと直感する。
くすと笑みを浮かべ、キモノの袖で口元を隠し、開いているのか解らない目線を向ける。)

「この国のお人は、私の服が非常に珍しいようで…。
それにしても、アッシェさんの言葉も、この国のものではないような喋り方ですね…?」

(数多く、顧客を相手にしてきたけれど、アッシェのようにのんびりとした喋り方は、早々お目にかかれない。
早くまくし立てるもの、のんびりと喋るものなど、多種多様になるけれど。
独特の鈍りであるアッシェのその言葉は、どこか強く印象に残るものであった。

ハクの故郷、名前を聞けば、老師からもよく聞く名前であった。
黄金の国などと評され、その国は光り輝いているとも。
貿易を意図なんていたわけではないが、老師が相手にしていた商売相手の名簿の中に、ハクの国と同じ国が書いてあったのを、憶えている。
近しい国、なるほど故郷の匂いがするわけだと、砕華は少しだけ、嬉しそうに笑った。)

「ええ、もしかしたらご近所さん……あら?」

(嬉しそうに話をする、ハクの言葉からお仕事の話が飛び出る。
呪詛を解除する霊薬、確かに薬ではあるものの、砕華は困ったように笑った。)

「ハクさん…残念ですが、私はただの薬屋。
確かに、薬を作ることも適いますが、霊薬は錬丹術士の方々の分野、さすがにそれは…。
それとハクさん、この国ではもう少し、厚手のものを着たほうがいいかと…。」

(何故それを欲するのか、理由はわからない。
しかし、そのような薬はただの薬師である砕華に、作れるような代物ではなかった。
霊薬と呼称されるもの、それはこの国で言う錬金術の分野になってくる。
残念だが、そのような薬は作れないと、ハクに頭を下げた。

それにしても、ハクの服は少し目のやり場に困るものであった。
苦笑しながら、砕華は目立っている子供のような胸の先端を指差し、忠告する。)

アッシェ > (二人の声・気配は 覚えた 。 これでもし姿形が変貌しても割と問題はない。
二人の会話を聞きながら喋っていない間は観察していたという。視線は気づかれない程度に添えて)

「んん、ちゃう 仕事人に訂正しとうね? 配達人としたると 間違えられるやから。雑用もやるさかいな、仕事人でえーや。
飛脚。なんなん。隠形 なんなん。 職種 さよか。飛脚も職業やろね。
頼るのはえーよ うちに出来る事あったら たーんと来。」

(飲み食いはしていないが、何となく 辺りを見渡す素振りをする。
2人との会話はもう少し楽しみたかったが そうも限らなくなってきてしまった)

(秘密にしとーてね、て砕華はんに何となくお願いをしてみたが通じたかどうか。
此方もあちらさんの裏の御顔はよくもかくも存じているので、それも此処では言わないから御相子であろう、と。)

「うちか、ここじゃ聞かん言葉なのは わかっちょーるの。そもそもうち ここの出身やないし。
色々と語りとうあるんけど、うちそろそろ行くわ。またどこかで会えたら嬉しゅうおすな。

ほなら。 ハクはん 砕華はん おーきに。」

(二人の様子は気にはなるが 長居が出来そうにない。二人にゆるーく頭を下げると 
忍び?いやアサシンの真骨頂の如く残像の持こさず いなくなってしまった。 何処からともなく落ちたのは 烏の羽一つ)

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からアッシェさんが去りました。
ハク > (どうやら、砕華の知識に自分の国の名前はあった様子。
近しい国、親しい国の間柄であったであろう事は、彼女の反応から伺えて。
笑みを浮かべる彼女の様子に、こちらも機嫌よく尾を振るのだ。
そうしながら、少しの期待をもってかけた問であったが――まぁ、そう都合のいい話はない。)

「むむ……そうでござるか。
いやはや、故郷にて近しい国に魔を退ける霊薬とやらを作れる者がいる、とは聞いていたでござるよ。
その国に訪れてみたものの、霊薬は手に入らなかったのでこの国にまでやってきたのでござるが……
ぬう、まぁ、そう甘い話はないでござるなぁ」

(どうやら自分が聞いたのは、その『練丹術士』なる職の話だったのだろうと理解し。
そして目の前の彼女がそうではない、という事には期待が薄かった分落胆はしなかった。)

「ぬ……あぁ、これは見苦しい所を。申しわけないにござる。
いや……それがしもできればもっと、しっかりしたモノを身に着けたいにござるが……
その、『呪詛』を受けている身であって、これが限界なのでござるよ」

(指摘に自分の体を見ると、黒い被膜に包まれた乳首が露出している。
しまった、と羽織の襟を直してそこを隠すが、元々曝け出している臍や、その下にある女性らしい股間の割れ目は隠す事はできていない。
そこはもうあきらめているようで、特に羞恥らしい表情は見せずに事情を少しだけ話して嘆息した。)

「っと、仕事人、にござるか?……ううむ、そう言われると、何やら本当に裏の仕事に従事する者に見えてしまうにござるが……」

(アッシェの言葉に、その風体と気配。
暗殺者のそれに似ているが、いやまさかここまで堂々と姿をさらすのだろうかと首をかしげてしまう。
そして続く彼女の問いに返事をしようとしたが、それより早く彼女の姿がぱ、っというほどに消えてしまって。)

「――早い、でござるな。
気配がもう追えぬ。……手練れにござるなぁ」

(少々、武芸者としての血が騒いでしまい、野生の獣のような気配を瞬間、晒してしまうのだった。)

砕華 > (あっという間に、姿を消してしまったアッシェ。
相当な使い手だという事は、砕華にも容易に想像ができた。
そして、アッシェが裏の人間である、と言う確信を得た瞬間、でもあった。
裏の情報に精通しているなら、砕華のことも確実に、知っている可能性がある。
やはり、そろそろ名前を偽ることも、考えておかなければならないか、と軽く肩を竦め少しだけ、瞳を開く。

だが、もう消えてしまった人物のことを、あれこれ詮索するのはよそう。
アッシェも秘密にしてほしい分、砕華のことも秘密にしてくれる、という事らしい。
砕華は、そのことだけで良しとして、再び瞳を閉じる。

親しい間柄であった国、だがその国も鎖国を敷いていた。
シェンヤンと同じく、あまりに流通が少なく、そして情報もない国。
ゆえに、その国に関しては憶測と希望と期待が入り混じり、いろいろな噂が一人歩きしていた。
黄金の国、神々の国、などなど御伽噺かと疑いたくなるような話ばかり。)

「霊薬は、そう簡単に手に入るようなものでは、ありませんから。
錬丹術の方々も、大体が国に抱えられて、今は皇帝様に仕えているものばかり。
おそらく、会う事すら難しかったのではないでしょうか?」

(砕華も、皇帝様に会える機会など、早々あるものではなかった。
老師と共に、何度か面会をしたことはあれど、それも片手で数えるほど。
逸れに仕えている、錬丹術士の方々に会うのも、そう簡単なことではないはずだ。

だが、ハクの事情を聞けば、軽く顔をしかめる。
呪詛、何かしらの呪いを受けている身で、それを解呪するための方法を探るためだったとしたら。
そのために、服をつけることが難しい野はさすがに、少しかわいそうにも思える。)

「そうでしたか……、これから寒くなる一方、それでは少し寒いでしょう。
いずれ、私の店に来ることがあれば、持っている着物を少し差し上げましょうか?」

(羽織るものを大きくすれば、隠せるところは隠せるのではないか。
砕華はそう予測して、人差し指を断て、提案する。)

ハク > (はたしてアッシェと再開できる機会はあるだろうか。
できれば殺し合いする関係とは成らないでほしいが、とは思うものの――
とりあえず、消えた彼女の無事を内心で祈りながら目の前の会話する女性へと視線を戻す。
……身長差が、やはりある。この『呪詛』がなければおそらく自分の目の前の女性くらいには成長できていたのではないか、と考えてしまい……
少しだけ、羨ましそうな色を視線にのせてしまい。)

「むむむ……なるほど。故に、それがしが貴国にて霊薬を酒場や村で尋ねてみても噂程度しか聞けなかったのでござるな。
……帝にござるか。むむ、流石に他国のそれがしでは、面会を乞う事すら無理でござろうなぁ」

(故郷の国からは豊富な金銀とあとは食料品を輸出し、かわりにその国から薬や酒、あとは火薬類などを輸入していた、という程度の繋がり。
流石に面会までするのは無理だとあきらめて首を振る。)

「ふむむ……あぁいや、かたじけないでござるが、大丈夫にござるよ。
これ、こう見えて温度も適温に保てるが故に寒さは感じぬでござる」

(続く、彼女の温情。服を大きくすれば、という提案であったがそれには申し訳なさそうに断りを入れる。
――特に理由という理由はない。なんとなく、別にこれ以上服を大きくする必要性を感じていないのだ。
確かに男たちの視線を感じる事もたまにはあるが……
だからといって、故郷の羽織から変える程の意欲には結びつかない。
そして、暖かいのだと告げつつ自分の黒い被膜に包まれた腹でも触ってみるように告げてみる。
もし、砕華が触れてみればなるほど、春のような暖気をハクの黒い被膜から感じる事が出来るだろう。
ついでに彼女が淫魔の呪詛に知識があるなら、体にそれらの呪詛が染み付いている事も理解できるかもしれない。)