2016/10/17 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にエドヴェルト=ランデルさんが現れました。
エドヴェルト=ランデル > 夕暮れ時の倉庫街を飲食店が立ち並び活気が出始める市内の方へと入っていく
港湾労働者や行商人、様々な人種が行き来する通りを歩いていれば籠に詰めた花を売る少女が、
体格の良い男と交錯して躓き、地面に花を散らす様子が視覚に入った
男の方は気が付かないのか無視したのか、そのまま、歩き去って行ってしまい、
少女は慌てて地面に落ちた花を拾う

「どれ、お兄さんが買い取ろう」

少女に歩み寄っていけば、花を拾い上げるのを手伝い、幾つか花を手にする。代わりに懐から、
代金を取り出すと少女に手渡した

「…家人に何か土産を、と思っていたから」

食べ物ばかりを要求する家人に偶には花も良いだろう等と考え少女に料金を手渡せばそこで別れた
去り際に少女が「オジサマ、ありがとう」等と口にするものだから、白髪交じりの黒髪を撫ぜながら
苦笑する他無かったが

「オジサマ、か…お兄さん、でいられる猶予がもうしばらくあると思っていたが…」

参ったな、と思いながら人の増え始めた通りから一本、逸れて路地に入った

エドヴェルト=ランデル > 「さて、この辺りだと思ったが…」

表通りに比べて通りの幅も狭く、人通りも少なくはないものの表通りよりは少ない
このあたりの宿で蒐集した刀剣の類を取りに来た家人に手渡すことになっている
行商人が定宿にしているような店が多く、この街であれば異国人も珍しくはない
家人は極東の名残のある鬼族であるから紛れるには最適であった
無論、魔術で人の身に化けてはいるのだが…

「似たような建物が多くて一寸、な…」

とうとう立ち止まり、周辺に視線を向ける
宿で待つように、と命じているから向こうから此方を見つけることはないと思われる
時間に五月蝿い家人が痺れをきらせて怒り出すと面倒だ、と思えばドッ、と胃の辺りが重くなる気がする
せめてもの救いは、先程、買った白い花から微かに香る芳香がよい事くらいであった