2016/08/15 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にエドヴェルトさんが現れました。
サヤ > 「せ!……は!」

月夜に汗を光らせながら刀を振るい続ける。
気合の籠った声とともに一撃一撃を意識した刀を振るうが、その動き自体は多人数戦を意識し、足さばきと上半身の動きを重視した止まることのない流れるような太刀筋で。

エドヴェルト > 酒場で少々、酒を飲んだ為か妙に火照る身体を海風に晒そうと歩いていた
船着場の辺りまで来ると海風が火照った身体に心地良い
屋敷は山の中、ということもあったから広大な海をぼんやりと眺めていれば、
視界の端でキラリ、と白く輝く刀の光を見出し、そちらに歩いて行く

剣を振るう女性の傍、邪魔にならぬ距離まで近づくとジ、と興味深気な赤ら顔が視線を向けた
そして断りもなく、彼女の動きをなぞるように近くに落ちていた棒きれを手に動きをトレースし始め…

「…ん、なるほど、ここはこう斬るか…」

彼女の動きが理に叶ったものであれば得心したように呟いた

サヤ > 「せぁ!」

最後に上から断ち切るような斬撃とともに動きを止め、ゆっくりと息をして乱れた呼吸を整える。
ふと、視界の端に何かを振るう気配を感じれば八双の構えを取りその相手を見据え。

「だれ?」

月明りで足元は明るいとはいえ夜中であるがゆえに相手の姿をはっきり見るには及ばず、目を細めながら相手に短く声をかけ。

エドヴェルト > す、と彼女を真似るように上段から棒切れを振り下ろす
なるほど、なるほど、と酔ったせいもあったか頷く事頻りな様子でいれば、
声を掛けられびく、と肩を揺らした
手に持っていた棒切れを手放し、目深に被ったフードを下ろせば構えたままの彼女へ
両手を上げるようにし、姿の見える位置まで数歩近づく

「怪しいものではない、タダの旅の武芸者だ。
 少々、酔ってはいるけれどね…稽古している所、邪魔をした」

恐る恐る、という風に彼女へ声をかけ、顔が見えればぎこちなく笑ってみせた

サヤ > 「………」

じっと相手の様子を窺うように見つめるも敵意がないと判断すれば切っ先を下げ、ふっと刀を振るってから鞘に納めて。

「こちらこそ、暗闇で見えづらいとはいえ、はたらいた無礼をお許し願いたい」

すっと小さく腰を曲げて頭を下げ。

エドヴェルト > じ、と彼女の視線が此方を捉える
抜身の剣を手にしていたから気は抜けないが、マジマジと視線を向けかえすと、
手にした刀や黒髪からどうやらこの辺りの生まれではないように見えた

「いや、稽古の最中、邪魔をしたのは此方だ…
 俺のほうが許すも許さぬもないさ、頭を上げて欲しい」

鞘へと刀が収まるのを見れば、ほぅ、とわかり易く安堵の息をついた
落ち着いた所で、ふ、と短く息を吐きだし

「若いのに大したものだ、剣には長いこと親しんでいる?
 差し支えなければ、教えてくれるとありがたいのだが」

先程の彼女の動きを思い出しながらそんな質問をして

サヤ > 「はい、父から幼少の頃より教わりました。
ですが私はまだまだ若輩者、この地にいる実力者たちには遠く及ばないため、こうして練習をしているのです。」

相手より促されるとゆっくりと顔を上げ相手の表情をまっすぐ見据えながら質問に答え。

「故郷より旅をしてまいりましたが、この地はかなり武士が集まる場所のようですので、しばらくとどまり修行をしていこうかと思っています。」

エドヴェルト > 彼女の話を聞きつつふむふむ、と顎に手をやり頷く
聞くからに彼女は真面目らしいという印象を持ち、地味に精神的ダメージを食らっているような気がする
此方をまっすぐと見据える様など、眩しく感じるほどであった

「なるほど、旅をしながら腕を磨いている最中か…道理で…」

丁寧な言葉づかいに何処か育ちの良さを感じる
自分が彼女と同じ年頃の頃はどうだったか、と思い返せば頭痛がしてくるようだった

「…それでは、1手、御指南頂けるかな?
 俺も旅から旅への武芸者みたいなもの…広く世の武芸者  
 とは交わってみたい………あ、やらしい意味でなく、だ」

こほん、と咳払いをすればそんな冗談を口にする
正直、口にしてから真面目な彼女に一言多かったか、思えば背筋を冷たいものが流れた

サヤ > 「心配なさらずとも、私も各地を見聞してきた身。
そのようなことで動じたりはしません。」

相手の表情の変化は見ていてわかりやすく。
口元に笑みを浮かべながら相手を安心させるように言う。
実際そうであったが、この国に来てから特に、律してきた身の堕落が
男を知ったことで進んできたことが悩みの一つでもあった

「わかりました。試合の申し出とあれば、私もぜひお願いしたい。」

とはいえ試合となれば話は別とばかりに表情を正して。
相手との距離を測るように数歩近づけば腰を低く落とし確かめるように刀の柄を握り締め。

エドヴェルト > 此方の意を見透かされれば、一瞬、きょとんとしてから柔らかく笑みを浮かべ笑い声を零した

「それは良かった、年若い娘だからしまった、とも思ったが
 そうかそうか…確かに、方々旅をすれば清濁併せ呑む術も
 学ぶというものだなあ、したりしたり、一本取られた」

一頻り笑った後、彼女が手合わせを了承すれば、ありたがい、と軽く頭を下げる
彼女の構えを見れば、ふ、と短く息を吐き此方も腰の剣の鞘に手をかけ、口を開く

「…そうだ、俺は二刀を使う。斬り結ぶ先に言っておくよ」

ぬらり、と鞘から剣を引き抜くと先程、落とした棒切れをひょい、と拾い上げる
リラックスした様子で左右に剣と棒切れを手に持てば、酒が残っているかどこか
ふわふわとした足元のままで彼女と対峙する

サヤ > 「構わない、どのような武器を使われようと戦場で敗北は死を意味するのだからな」

相手が構えればこちらも抜刀し、中段の構えを取る。
ゆっくりと呼吸をしながら相手の隙を見計らう。
相手の持つ雰囲気から相手が十分な技量を持つ人間であることは
用意に察知でき、それゆえに一撃で相手を仕留めるための一筋を
イメージし。

「せぁ!」

海からの風がふわりと二人の間を駆け抜けたとき、鋭い声とともに踏み込み、相手が動けなければギリギリで止めるつもりで切っ先を上げてから一気に刀を振り下ろす。

エドヴェルト > 「手合わせでそこまで覚悟する事も無いと思うがなあ」

性根は立派と思いつつも、気負い過ぎではないかと苦笑が浮かぶ
相手の稽古をマジマジと盗み見ていたから、どの程度の技量かまでは見抜けずとも、
彼女の持つ刀の及ぶ距離くらいは十分に見切れている
先んじて打って掛かっても良かったが、折角なら相手の力量、見極めるまでその腕前を引き出させたい

踏み込む彼女に静かに棒切れを持った半身を引きつつ、上段から振り下ろされる刀を剣で受ける

「思い切った良い踏み込み…だが―――」

勝手な思い込みであったが膂力では女性に劣ることはない、と片手に持った剣で一撃を受けるが、
中々どうして鋭い一撃であった
ぐ、と片手に力を込めれば彼女ごと押しやり刃と刃が離れた瞬間を見定めれば、
彼女の脇腹を目掛けもう一方の手に持った棒切れで打ち据えようと薙ぎ払い

サヤ > もともとの武器自体の重さに加え、上段からの振り下ろしという
かなり攻撃重視の一撃を片手で簡単に防がれてしまえばギリっと
歯を噛んで口元をゆがめ。

相手に押し負ける形で刀を跳ねのけられ、追撃が振るわれるのが
見えれば素早い足さばきで半歩下がることで回避し。

「せっ!」

相手に休む暇を与えまいと棒を振られた腕めがけて下から刀を切り上げて。

エドヴェルト > 悔しがる気配を察すると意外と感情豊かな一面もあるのだな、と内心考える
横薙ぎにはなった一撃が空を斬り、直ぐ様伸びきった腕を狙う一撃が見回れば、ほう、と感嘆の吐息を漏らした

「では、此方を―――」

最初の一撃を受けた剣をきゅ、と強く握り直せば彼女の鎖骨から胸を通り、逆の腰を目掛けて
踏み込むこともせず、ただ力任せに振り下ろす
彼女の一撃に対しては一切の防御を行わず、遠慮なしに曲刀でもって彼女の身体を両断せんとすべく
彼女に腕一本と命、どちらを取るか、と問いかけるつもりの一閃だが、
無論のこと命まで取るつもりはなく、彼女がどうあろうと寸止めするつもりではいる

とは言え、彼女には少し酷な事ではないかと思わぬでは無かった

サヤ > こちらの動きに呼応するように振り下ろされる相手の一筋。
しかしそれに対して防御に転換することはせず、そのまま踏み込めば
相手の腕に切っ先を触れさせたところで止め。

「……私の負けだな」

動きを止めたまま、自身の肩口で止まる相手の曲刀にを横目に見れば深く吐き出すように呟いて。

エドヴェルト > ひたり、と彼女の肩口で己の白刃は止まる
彼女もまた、自分の腕に刃を合わせるようにすればぴたり、と止まった
正直、腕を斬られても繋がってさえいれば、従僕がどうにでもしてくれるのだが、安堵の息が漏れてしまった

「いや…腕を無くせば剣士としては死んだも同然…
 隻腕ながら名を上げた剣士もいるけれど…流石に…」

す、と曲刀をひけば鞘に収めて笑って見せる
もう一方の手に持っていた棒切れもす、と手放してみせ

「いやはや、お見事だった…若年ながら中々の腕前…
 それに貴女の肌を傷をつける事もなく、良きかな良きかな」

くつくつ、と笑いフードを被り直せば、ふう、と息を吐き
海から吹く風に僅かばかりか肩を揺らす

「それでは、失礼。また縁があれば何処ぞで出会いましょう
 俺は夜風に冷えたんで酒場に戻ってもう一献…それでは」

くるり、と踵を返し背を向ければひどく楽しげな様子で街の方へ消えていった

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からエドヴェルトさんが去りました。
サヤ > 「いえ、戦場なれば最後に立っていたものが勝者です」

相手の慰めにもにた言葉にかぶりを振りながらゆっくりと
距離を取ってから刀を鞘に納め。

「はい。またどこかでお会いしましたら手合わせいただければ
うれしいです。」

楽しそうな雰囲気で立ち去っていく相手の背中に向かって言えば
自分もそろそろ宿にしている店に帰ろうと反対方向に歩きだし
夜の暗闇の中に消えていった。

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からサヤさんが去りました。