2016/05/16 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にイニフィさんが現れました。
■イニフィ > 「あーあー、ついてないわねぇ…。」
倉庫街の片隅、かろうじて雨をしのげる場所で、イニフィは深いため息をついていた。
今日はダイラスで観光としゃれ込もうとしていた。
確かに天気は少々悪かったけれども、夕方ごろの天気なら雨はナイだろうと、雨具を持ってこなかった。
それが致命的だった。
日が落ちてから急激に天候が変化し、今目の前は土砂降りの大雨である。
港を見て回っていたので、雨をしのげる場所はとんと少なく、走り回ってようやくこの人気のない倉庫街にたどり着いた。
「あー、もう最悪……。」
服は当然のようにずぶぬれで、イニフィの肌に張り付いてしまっている。
ぽたぽたと髪から滴る雨水を払いながら、困り顔でため息をつくのだった。
■イニフィ > 「まいったわねぇ、変えの服は宿に置きっぱなしだし…。」
かといって、濡れた服をそのままにしておきたくはない。
雨がやむまで、ここでしばらく時間を潰すことになりそうだ。
「………誰も、見てないわよね?」
イニフィは、あたりをきょろきょろと見渡す。
このあたりは人通りも少なく、夜になった今では人が入ってくる可能性は低いように思える。
実際、視界には人間の姿はない。ならば―――今のうちだ。
「……よいしょ…っと。」
濡れた服を肌から引き剥がし、一枚ずつ脱いでいく。
スカートを外した後は、シャツを脱ぎ下着姿になると、服を絞り始めた。
■イニフィ > 「うえ~、下着までボドボドじゃない…。」
服を脱ぎ、下着姿になったイニフィはげんなりとした。
うえの服はまあ、覚悟はしたい他のだけれども、下着までがずぶぬれだった。
黒のレースをあしらった、大人っぽいデザインのそれまで脱ぐわけには行かない。
仕方なく下着はそのまま諦めて、服を少しでも乾かすことにした。
絞り、しわくちゃになった服をパンッ!と仰ぎ叩いて伸ばすと、雨の当たらない木箱の上においておく。
スカートも同じく、水気を絞り落し木箱の上へ。
これで後は、雨さえやんでくれれば―――。
■イニフィ > 然し、雨は一向に止む気配はなさそうだ。
少し弱くなってきたものの、それでも歩けばずぶぬれになって帰らなければならないのは間違いない。
「はぁ~……、これは明日まで続きそうねぇ…。」
さすがに、雨の中では観光もままならない。
どこか、屋内でも出来る観光スポットか何かを、宿で聞いたほうがいいだろう。
あまり屋内でというのは、性にあわないのだが―――こういうときは仕方がない。
「明日、フロントで美術館か博物館加の場所を聞いてみましょうかねぇ…。」
■イニフィ > 少しずつ雨が小降りになってきた。
このくらいならば、端って帰れば大して濡れなくてすみそうだ。
「よっし、服も結構乾いてるわね。」
嬉しいことに、服も冷たいものの乾き始めていた。
手早く服を着ると、カバンを盾に走って宿まで帰るのだった。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からイニフィさんが去りました。