2016/05/01 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にリーユエさんが現れました。
リーユエ > 船着場に一隻の船が着いた、足場が掛かり、この国へと訪れる方達が降りていく。
その様な中、乗客だったであろう異国風の男性が降りてくる。
確認をすれば、その男性の側に、同じ異国風の少女が近付いていくだろう。
何時もの様に鞄を手に、降りて行く他の乗客の方達の邪魔にならない位置に立ち、少しばかり話し合う。

「…以上です。潜入には成功し、調べれる環境は整いましたが、いまだに目的の物は見付かっておりません。
処で…お願いした物は在りますでしょうか?」

本来の目的であった筈の、九龍頭山脈に関しての報告。
言い難そうに伝えているのは、良い結果が出なかった様に相手は思ってくれるだろうか?
仕方ないとはいっても、こうして偽りの報告を伝える自分に、少々心苦しいものはやっぱりあって。
次いで聞いたのは、もう一つの目的のもの。
これで良いか?と手渡される分厚い書物、そのタイトルに目を落とすと、頷いてみせた。
鞄を開けると、その中へと詰め込んで閉める。

何やら問いたそうな様子を見せる男性ではあるが、一言二言交わせば、それでもまだ少しばかり納得はしてなさそうだけど頷いた。
そうしたやり取りを終えれば、男性は、その船の中へと姿を消していく。

リーユエ > 今回、使いの者を呼んだのは、この書物の為だった。
そこに記されているのは、シェンヤンで生息する薬草や毒草等の植物に関してのもの。
確かに色々とシェンヤンで扱ったりはしていても、あらゆる全ての物を記憶する迄には至っていない。
友人の友人、彼女を侵す毒物か麻薬か、その類が何なのかをはっきりと調べる為に取り寄せたのだ。
その序でに、今までの報告を伝える事、と言うのも含めて。

完全に男性の姿が見えなくなれば、肩の力を抜いた。
同じ国の者であっても、やはり男性は慣れないものである。
取り敢えず、もう少しでこの船は出港するだろう。
それを完全に見送る迄は安心は出来ない、足場から離れて船の見え易い場所に立ち、それを待つ。

リーユエ > 船から挙がる船員の声、そろそろ出航だというものだ。
シェンヤンへ向かう為に乗り込む方々を、見送る様に佇んでいる。
行く人は以上なのだろう、足場が戻され、船は船着場を離れていった。

段々と小さくなっていく船、それが見えなくなる迄じっと見詰め、胸を撫で下ろした。
これで、暫くはシェンヤンとの連絡も必要無いだろう。
だけど何れは知られてしまう事だと思う、そうなった時に如何したら良いのか。
それを考えてしまうと、安心する場所を得たとはいえ、不安を隠せない。
裏切り者と狙われるだろうか?それならば、まだ害が及ぶのは自分だけだから良い。
もし、周りに迄も害が及ぶのだとしたら…?

考えても仕方の無い事なのだけど、この先に起こる可能性の一つ。
少しでも力を付けて、その時は、私が皆を守ってみせる。
今はその思いを心の支えにしていこう。

リーユエ > 地平線に沈み掛けている陽を見詰め、空を見上げる。
今日は月明かりが良く見える、綺麗な夜空になるだろう。
眩しそうに目を細め、その陽を眺め続けて。

日も沈んだ頃合に、手にした鞄を持ち直し、クルリと踵を返した。
あんまりのんびりし過ぎてしまったら、きっと彼女を心配させるだろう。
その様子を頭に浮かべれば、彼女に失礼だけれども、クスッと小さく笑ってしまう。
帰りに何か買っていったならば、喜んでくれるだろうか?
そう思った為らば、お土産等を売っている商店を探しに船着場を後にするだろう。

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にリーゼロッテさんが現れました。
リーゼロッテ > 船着場の側にある大きな倉庫、それは帰路につこうとした彼女から見ても直ぐの場所であり、視野にも入るところだろう。
建物の裏口のようなドアから姿を表すと、キョロキョロとあたりを見渡す。
空をみあげている人がいないのを確かめると、相棒たる隼に思念の言葉で いいよ と、合図を出した。
倉庫の屋根の一部が開くと、隼がにゅっと姿を表し、静かに空へと飛んで行く。
その合間も大丈夫かなとあたりを見渡しているのだが…そこにいた大切な人の姿に笑みを浮かべると、後手でドアを閉ざしてから彼女の方へと走っていく。

「ユエちゃん、偶然だねっ!」

友人の事を語った夜とは異なり、何時もの明るい微笑みを浮かべながら駆け寄れば、飛びつくような勢いで抱きしめようと両手を伸ばす。

リーユエ > 離れようとしたその時、前を向く視界の中に入っていた倉庫のドアが開いた。
それが表口ならば何の問題も無かったのだけれども、如何に見ても裏口のもので。
其処から現れた人物に、あ、と声を漏らしてしまう。
他人の空似、そんな事を考えたが、その倉庫の屋根から現れた隼が相手が思った通りの相手だったのだと確信させる。
でも、如何してこの様な場所に居るのだろう?そんな疑問が浮かぶ。
そんな事を考えている処で、彼女は自分に気がついた様子。
笑顔を浮かべ乍、ドアを閉めると此方へと駆け寄ってきた。

「はい、リゼさん。偶然です…然し、何故そんな場所に?」

まだ友人の事で思い悩んで居るのではないか、そんな心配は無用な様子だった。
飛び付いて来たのならば、それを抱き留める様な姿勢を取る。