2016/04/16 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にイニフィさんが現れました。
■イニフィ > 既に夜も落ちて、静かに漣が立つ程度の音しかない。
港を眺められる位置にある宿で部屋をかり、窓辺でふうっと一息ついていた。
今日は髪を下ろしている。たまにはこうしてゆったりとした時間を過ごすのも悪くはない。
夕食は当に済ませた。
港町という事で魚介類中心であったけれども、なかなかに美味しかった。
魚を名まで食べる習慣があるとは聞いたことはあったけど、まさかあそこまでとは。
おかげで若干、お腹が重い。
「………食べ過ぎた、かしらねぇ。」
腰ほどまである長い髪。手入れは怠ってはいない。
右手で軽く弄びながら、明日の予定を考えていた。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」に暁燕さんが現れました。
■暁燕 > 「(ティルヒアとやらにも足を伸ばしてみようと思ったけド、思った以上に船の監視は厳しいネ…)」
そんな港町を肩を落として歩く狐
民間の船ならば密航なんて簡単だろうと踏んでいたが全くそんなことはなかった
このままハイブラゼールにでも足を伸ばして帰ろうかと思ったところ
何か鼻につくものを感じて立ち止まる
「(……匂うネ。人じゃない、これは多分───)」
帝国ではほとんど見ないだけにわかりやすい
魔族というやつだろう
ちらちらと視線を巡らせ、一人の長い髪の女性を目に止める…
■イニフィ > 少しだけ困り顔で、見えないおなかの部分を摩っていた。
まさか、大豆を発行させ、それを絞ってさらに熟成させたあのソースと生魚のあのベストマッチ。
さらに、シェンヤン特有の米を炊いた―――『ライス』とかいったか。
アレの相性がまさかあそこまでの破壊力だとは到底思わなかったのだ。
思わずお変わりが進んでしまい、気がつけば一体どれだけ食べたのやら。
「うぅ……アレは反則よぉ…。あんなに美味しいなんて知らなかったわよ…。」
これはちょっと太る案件になってしまうかもしれない。
はぁ、とため息をつきながら窓辺で一人、困った顔をしていた。
ほとんど、誰もとおらないと思っていたゆえ―――その姿に気づいていない。
目に留まったその女性の姿は、ほぼ人間そのまま。
だけど、その鼻と感度は嘘をつかない―――。
■暁燕 > 「(ふゥン……そういえばまだ魔族らしい魔族とは、お話してなかったものネ…?)」
しかし、偽装とでもいうのか
まるで普通の人間にしか見えないその姿に素直に感嘆する
その偽装は実を守るためなのかそれとも、ヒトを欺くためなのか…
その顔はどこか困り顔に見えて、ちょうど話しかけるには良かったのだろう
ゆらゆらとその長い尻尾を揺らしながら歩み寄り、声をかけた
「どうしたノ?お嬢さン。こんな月のキレイな夜に」
■イニフィ > 「…………ん?」
確かに綺麗な月夜だ。
美味く満月になっている月を見上げながら困ったような顔をしていたら、気になるものだろう。
ふと下を見下ろしてみると―――ずいぶんと風変わりな人物を発見した。
服装を見てみると、おそらくシェンヤン地方のものだろう。スリットの深いドレス姿。
桃色の髪がずいぶんと綺麗だけど―――その臀部から生えている尻尾。
最初はミレー族?かとも思った。
だけど、夜とはいえ月夜で明るい。こんなところに社会的弱者であるはずのミレー族が出歩くとは考えにくい。
それに喋り方―――どことなく方言が混ざっている感じがする。
ふぅん、と軽く相槌をして見た。
「ううん、別になんでもないわよ。晩御飯が思った以上に美味しくて、食べ過ぎてお腹が苦しいだけなの。」
あと、ちょっと体重が気になるだけ、と軽く笑みすら浮かべながら答えて見せた。
さして怪しい雰囲気は―――いや、確かにあるんだけど。
人間とは違う異質な魔力。―――それが、少しだけ警戒心を起こさせる。
■暁燕 > 「あら、この辺は食べ物が美味しい土地なのネ。フフ、今度食べ歩いてみようかしラ」
クスクスと笑いながらそう受け答え、その姿を改めて目に収める
やはり普通の人間にしか見えない
しかし近くへくればよりよくわかる、異質さ
「(この土地の人間なラ、逆に何の違和感も抱かないんでしょうネ)」
そんなことを思いつつ、相手を見据えて…
「こんな夜更けにキレイなお嬢サンが一人歩き。
もしかして見かけによらず腕に覚えがあるのかしラ…。
それとも……人間じゃない、トカ?」
カマをかけるでもなくストレートにそう言葉を投げかけ、同時に
ふわりと甘い香りを風が運ぶ
媚薬を希釈した、媚香…普通の人間かどうかはこれへの反応でわかるかな?と
好奇心旺盛な狐は目を細める
■イニフィ > 「あ、それはいいアイデアよ。ここ港町だし、お魚が美味しいわよ?」
嗤っている姿を見ても、別に敵意があるようには見えない。
そればかりか、そのしぐさを見てもそこまで人付き合いが悪いものでもなさそうだ。
だけど、近くに来たら確かにこの魔力は―――ミレーとも人間とも、そして魔族とも違う。
(………なかなか、面白い感じの人ね。)
「ああ、この辺はそんなに治安が悪くないからね。
衛兵はその辺りにいるはずだし、悪人もこの辺りにはいないって話なの。
……っていうか、いきなり人間じゃないって言うのは失礼じゃないかしら?」
でも、確かに人並みはずれた可愛さよねぇ、と自分自身を自画自賛しておいた。
冗談めかし、ポージングなども採りながら―――。
だけど、ふっと鼻先を擽った甘い香り。その匂いはどことなしか―――。
クス、と笑みを浮かべながら。
「あなたこそ、いいの?多分だけど…ミレー族よね?
そんな貴女がどうどうと町を歩いて手、大丈夫なのかしら?もし見つかったりしたら…?」
此方はあえてカマも何もかけない。
その香りに気づいていないフリなどしつつ、普通に会話を進めてみた。
■暁燕 > 「(…んー…媚香に感づいていないみたいねェ…魔族っぽいと思ったんだけド…気のせいかナ)」
異質な人間、というのも数多くいる
魔族ならとコンタクトをとってみたが、だんだん普通の人間なのかなとも思えてきた狐であった
…それはそれで、美しい玩具として弄んであげる方向にシフトするのもいいかナ、と内心に思いながら
「フフ、ワタシがみすぼらしいミレーに見えル?
この辺りだと、珍しいのかもしれないけどネ……」
妖仙、という言葉は使わずに、ミレーであるということを否定する
装い、そして雰囲気も確かにこの国におけるミレーの扱いとはかけ離れている
「(もっとも、ミレーは帝国だと神獣族とすら呼ばれている貴種なのだけド……それはそうとそろそろ媚香が効いてきても良いかしラ…?)」
個人差はあるものの、そろそろ効果が見えてくる筈と注視する
まぁ、狐のそれは相手が人間であることが大前提ではあるのだったが
■イニフィ > 匂いを気づかないフリをする。この匂いは紛れもなく人間を発情させるものだ。
何しろ同じような力を使うんだから、気づかないはずがない。
だけど、彼女はどうやら自分が魔族だという事は―――気づいていないらしい。
ならば―――この甘い香りに自分の甘い香りを紛れ込ませておこう。
気づかれないように、まったく同じ匂いをだして。
「あら…違うの?ミレー族って確か獣と人間のハーフみたいな見た目だって言うから。
んー……ミレーじゃないとすると、なんなのかしら?魔族がこんなところをうろうろして……あ、あら?」
相手の思惑に乗っておこう―――。少し、めまいがしたかのように頭をふる。
軽く太ももを擦り合わせるような、そんな仕草。少し胸を押さえながら、息を荒くする。
少しだけ、俯くような仕草をしつつ、少しずつ、その膝が下がっていく―――。
「ち、ちょっと待って……ね?え、えっと……お、可笑しいわね……?」
催しちゃったかしら、と少しだけ上目遣いに苦笑い。
このあたりにお手洗いなんかあるはずもなく、さてどうしようかと辺りを見回した。
宿までは少し遠いし、まさかそのあたりでするわけにも―――。
■暁燕 > 「フフ、妖仙って言ってもわからないでショ?
この国だト、ポピュラーじゃないもノ……ん?」
そこまで答えて、相手の様子が変わったことに態とらしく気付いたフリをして
笑みを押し殺して更に近くへと近寄る
「ねェ、どうしたの?どこか具合でも悪いノ…?」
効いてきたのだろう、と勘違いした狐は視線を合わせるように屈み、顔を覗き込む
「(フフフ、ちゃんと効いてるってコトは、…やっぱり人間かしらネ)」
魔族への知識不足も手伝い、警戒心は薄れてゆく
紛れ込まされた甘い香りには、まるで気づいていない───