2016/01/21 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にタマモさんが現れました。
タマモ > 今日の少女の姿は、港湾都市にある波止場の端にあった。
その手には釣竿が持たれ、糸が海の中へと垂らされている。

この場所にカジノがあるという事で、それを目的できていた。
だが、あまりの勝ちように体よく追い出されてしまったのだ。
少女にイカサマはほとんど通用しない、更に、妙な運を持っており負ける事がなかった。

「あの様子じゃと、もう入れんじゃろうなぁ…」

はふ、小さく溜息。
こういった事には昔から強かった。それは知っている。
だが環境の違うこの場所なら、とは思ったが…結局は同じだった。
それが決して悪い事ではない…むしろ良い事なのだが、こういった面では困る。
そして、垂らしている糸からの反応はなかなか無い。

タマモ > どこでカジノの事を聞き付けたか、ふらふら歩いていたら絡まれた。
それも、1度どころか2度や3度。
まぁ、考えてみたら目立つ容姿なのだから、ちょっと噂が回れば簡単に見付かるものだ。
その者達がどのような結果を辿ったかは…言うまでもない。
理由の下らなさに、逆に身包みを剥いできた。
今頃は寒い夜空の下を裸でこそこそ帰宅中だろう。

そんな訳で、都市の中を歩き回るのも鬱陶しいと、ここに来た、という感じだ。
せっかくなので、そのまま今日は海釣りを開始した。

そろそろ4回目とかくるのだろうか?
いい加減、逆に身包みを剥がされる話も出回っているだろうし、来ないと良いが。

ぴくん…糸が軽く揺れる。
やっときたか!?と思うも、そこで慌ててはいけない。
しばらくは様子を見るように、大人しく…大人しく…
………そして、そのまま反応が無くなった。

「………おや?」

ゆっくりと釣竿を上げてみる、釣針につけていた虫が居なくなっていた。

タマモ > 一度や二度の失敗で悔やんではいられない。
釣針を引き寄せ、側に置いてあった小さな器から小さな虫を一匹取り出す。
この取り付けるのが、どうもなかなかに慣れないが…うん、なんとか取り付けた。
再び釣竿を振り、海へと糸を垂らす。

少し時間が経ち、そこには再び餌を取られた少女の姿があった。
もそもそとまた虫を取り付け、糸を垂らす…また取られる、更に…
どうやら河川の魚のように上手くはいかないらしい。

一体何度目だろうか、またも餌を取られた釣針を引き上げる。
その額には、こう…何かが浮かんでいた。

耐えろ、耐えるのじゃ…魚如きに力を使ってどうするのじゃ…!
能力を使いそうになるのを堪え、さすがに無理そうだ、と釣竿をぽんっと消した。
その瞳は恨めしげに海へと向けられている。

タマモ > ぴくん、今度揺れたのは少女の耳だ。
喧騒から離れた波止場だ、誰かが近付いてこればすぐに分かる。
分かるのだが…今はまだ、そちらへと顔は向けない。
いや、うん、理由は簡単だ。
今の自分は近付いてきた相手に何をするか分からないから。

何を目的として近付いてくる者か。
ふっと頭に浮かぶのは、またさっきみたいな連中だったら…
その身包みを剥ぐだけでなく、路上で色々とさせてやろう、と。
反撃されて叩きのめされるよりも、きっと酷い事になるかもしれないか?

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にマルティナさんが現れました。
マルティナ > 通りがかった男を襲っては身ぐるみを剥ぐ半獣の魔物がいる、という噂を聞いて、まさかこんなところにそんな魔物がいるはずないと噂の出処は何かなと見物に来たらどうも見覚えのあるシルエット。
あの独特な出で立ちは間違うはずもない。
以前王都で出会った、確かタマモという名前の得体のしれない人物。
場所と噂で聞いた特徴からして彼女が噂の元であろうか。
得体は知れないし一度会ったきりだがそんな無差別に人を襲うような気性とは思えない。
とはいえ別に彼女の事をそれほど深く知っている訳でもなく、本当に噂通りだったらどうしようなどと考えてしまい声をかけるべきか見なかったことにして立ち去るべきか決めあぐねていた。
ちなみに、身を潜めているつもりだが優柔不断にきょろきょろと辺りを見回したり、そもそも長く目立つ兎の付け耳のせいで殆ど隠れている意味がない。

タマモ > どうやら、相手は身を潜めて…いるらしい、だろうか?
何はともあれ、相手の注意はどうやらこちらに向いているようだが…
というか、今度は1人だ。なかなか良い度胸である。
そんな感じで、その行動からまたも襲いに来た相手なのだろう。
少女はしっかりと勘違いをしていた。

それにしても、なかなか動きを見せない。
いつまで離れた場所でこちらの様子を探っているのだろう?

やれやれ、といった感じに肩を竦める。
そちらから来るつもりがないのならば…こちらから行くまで。
不意にその姿がゆらりと消えてしまう。
消えたその少女の姿が現れるのは、身を潜めている相手…その背後だ。

「妾の稼ぎを奪おうとは良い度胸じゃのぅ?
それに、今は非常に気分が悪い…運の無い事じゃ」

ぽつりと呟きながら、とん、と背中に手の平が当てられる。
反応し、振り向く余裕は与えない。
そのまま力を放ち、その一切の動きを束縛してしまう。

マルティナ > 不意にタマモの姿が消えたかと思うと、背後という意外すぎる位置から彼女の声が響いてくる。
振り返ろうとするも体が動かない。
突然の事態に恐怖で脈が乱れる。

「……ま、待っ、って。」

身動きが取れず、嫌な汗をかきながら絞りだすかのように言葉を作る。
だがそれ以上続かない。
恐怖で足が竦んでいるが倒れる事も出来ないまま、無抵抗に立ち尽くすのみ。

タマモ > 力によって身動きの一切を封じられたであろう相手…どうやら女性のようだ。
ただ、何かその妙な衣装の一部には見覚えがあった。
しかし見覚えのない部分もちらほらとある。

「ほほぅ…なんじゃ、誰かと思えば…まーちゃんではないか。
お主も妾がカジノで稼いだのを噂に聞いて来たところかのぅ?
…見知った者とは言え、その様な行為に及ぶ相手を容赦は出来ぬのじゃ」

まさか違う方の噂によって近付いてきていたとは思ってない。
普通にやってきていれば、まだ別の考え方をしていただろう。
身を潜めて近付いてきた行為が少女の疑念をより増してしまっていた。

「ふふ…その様な相手には、どういった罰を与えてやろうか…」

ぴたり、首筋に手が添えられる。さっきまで釣りをしていたからだろう、その手は非常に冷たい。
ゆっくりと触れる指が首筋から顎に触れ、こちらを向かせる。
視線を合わせるような状態になった。