2015/10/25 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にイーリスさんが現れました。
イーリス > (ダイラスの船着き場は、昼となれば賑わいを見せる。否、昼夜問わず賑わっている、と言う言葉が正しいが、そろそろ太陽が頂点に掛かろうかという時間帯でも、港に立ち並ぶ娼婦館や倉庫群、酒場などは嬌声や歓声、怒声に様々な音が入り混じって。ちょうど酒場の横手にある路地。海が臨めるそこに並べられた樽に腰を下ろし、機嫌よさげに口笛を吹きながら、時に海を、時に通りを行き交う人々を眺め、手にした古めかしくも鈍く黒光りする短銃を、皮布にて磨いている人物が一人)
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にイーヴィアさんが現れました。
イーヴィア > (久方ぶりに訪れたダイラスの海、視界一面に広がる青色と、風に混じる塩の香りが、やれ港街へ訪れたのだと実感させてくれる。 以前此処へ訪れた時にも、やれ、色んな意味で賑わっている場所だと思いはしたが、相変わらずの喧騒ぶりに肩を竦めつつ、港へと停泊する一隻の船へと歩み寄って行けば、其処から降ろされる様々な荷物へと視線を向けて。) ―――――………相変わらず、此処は浪漫に溢れてるナァ。 ……そう思わないか? (――果たして、目の前の船がマトモな船なのか、或いは何処ぞの海賊船なのか、そんな事は知らないが。 ふと、そんな事を響かせては、傍の樽へと座っていた、恐らくは海の人間だろう相手に、何気なく声を掛けて見た、か)。
イーリス > (陽光をきらきらと反射させて広がる紺碧の海と、心地よい海風は、喧騒包むこの街とは対照的に平和で穏やかなモノ。利き手にて銃を手にし、もう一方の手で丁寧に砲身を磨く。短銃が古いのを除けば、もともと汚れなどないに等しいが、手持無沙汰ゆえただただ手を動かすことにのみ終始しているかのよう。ふと、感慨深げに声をかけてきた男を見れば、そのどこか懐かしいメロディと思しき口笛をやめ)…あぁ、確かに。光洋と広がる海、浪漫だと言えばそうだな。君は船に乗るのか?(砲身を磨く手はそのままに、穏やかな、男性にしては円やかな響きを残す声で問いかけ。その問いが終わると、一旦手を休め、軽く陽に翳すように持ち上げ磨き具合を確認。鈍く光を反射させるそれに満足したように表情を綻ばせたまま、再び相手へと視線を戻し、不躾にならない程度に相手を眺める)
イーヴィア > (眩しい日差し、何せ今が一日の中で最も陽光が大地を照らす時間なのだから当然。 頭上に掌を翳しつつ、船の天辺までを暫し眺めては――正直、半分位は無視される物だと思っていた己への返答に、逆に此方が意外そうに振り向いて。) ……いんや、生憎俺は泳げ無くてね。 海ン中に放り込まれたら其の儘沈んで行っちまう。(クク、と、僅か間を置いた後、冗句染みて響かせた言葉は、果たして冗句なのか、其れとも本当の事なのかは判り辛いやも知れぬ。 其れから、相手が手にした鈍色の短銃を同じ様にして眺めたなら、改めて其の容姿をちらりと見遣って。) ―――……成る程、見た感じ、海の人間とは思ってたが…水夫って訳じゃあ無さそうだ。 (そも、男にしても違和感。 はて、と一寸双眸細めるも…其の違和感の理由に思い当たるまでは、割と直ぐの事、か)。
イーリス > (短銃を磨き終えたことで、磨きに使った皮布はサッシュの中へ。意外そうな表情をした相手を、どこかおかしそうに目を細めてみていたものの、その表情はさらに笑みが深まり)ははっ、そうか、泳げないのか。それは残念だな。だが、私の船なら沈まんぞ、興味があるなら、いつでも招待しよう。(相手の口調に合わせるかのように冗談めかした口振りにて続け。その視線を受けた短銃を軽く、ひょいと掲げる仕草をしたあとで、サッシュへと装備し直し。相手に対する攻撃も、戦闘の意思もないことを示すような一連の所作は、ある種クセのようなもの。相変わらず樽に腰掛けたまま、相手を見上げると)まぁ、海の人間に代わりはないし、水夫でも構わんが………君には、私のような船乗りが珍しく映るのかな?(相手の眼差しが、己に注がれた際、何かを含むようなものを感じたのか、茶化すように言葉を続け。あえて女だとは口にしないまでも、それを否定もしなければ肯定もしないといった具合。ただ、相手を面白がるような眼差しを向ける)
イーヴィア > (錆の無い、けれど使い込まれたと判る銃身。 手入れを怠らないのだろう、部品の痛んだ様子も無ければ、其れだけで目の前の相手が如何言う性格だか、其の一端位は感じ取れると言う物。 銃を仕舞い込む動作も手馴れた物と感じれば、少しだけ感心した様な視線に変わるだろう。)――……そうだな、暫く海に出る心算は無いが…海の向こうだかに要件が出来た時には、頼み込む事にするとしようか。 ちなみに、どの船が?(私の船、と相手は言った。 其の言い方から、まるで自らの所有めいたニュアンスを感じては、港に停泊している船のどれが、相手の乗る船かと問い掛ける。 其れこそ、船は一つだけでは無いだろう、筋骨隆々の水夫たちが荷降しやら馬鹿騒ぎやらで犇く中、当然、隣に居る様な輩は珍しい。 至極正直に、肯定する様頷いては、軽く腰へと片手を当てて。) まぁ、そうだな…フツーのイメージじゃ、船乗りってのは『あんなの』って感じだからナァ。 御前さんみたいなのが、あの中に混ざってるって考えると珍しく思えるさ。(別に、中傷でも偏見でも無い、ただ素直にそう思っただけの事。 そも、己は所詮陸の人間、海に出る相手を如何こう言える立場でも無く。) ―――しかし、何で又?( それは、単なる興味だろう。 何故、船に乗るのか、と)。
イーリス > (相手に対してさほど警戒するつもりがなく、寛いだ様子を覗かせながら、相手が告げた言葉に、ふっと吐息を零すようにして笑い)そうだな、海の向こうに行くとき、はな。…あぁ、少し遠いが、沖にあるあの黒曜の船だ。(くつくつと喉奥で笑いながら、指さす先。港の端というより外海に続く辺りに浮かぶ真っ黒な船。マストは畳まれ、旗もないが、その様相からして、貿易船ではないことは容易に検討がつく船であり)だが、寄り道が多くなるんだ、私の船は。場合によっては戦闘もあるが…ふむ、君はいい戦闘要員になりそうだ。(暗に己の船がよからぬ行為を行うことを示唆しつつ、相手の体躯を眺め。満足げに目を細めて頷くあたり、ちゃっかり品定めと言った雰囲気でもあり。すぐに冗談めかすように笑みを浮かべたのち)ははっ、そうだな、『あんなの』ばかりだな、海の連中は。気はいいんだが…船に女が居ない分、陸に上がった時は、酒と女が彼らの愉しみというわけだ。(相手の物言いに対し、特に反論するでもなし、事実を事実としてのみ答え。ん、と短く返事めいた吐息を零すと)生きていくためさ、船に乗る理由は。育ててもらった恩義もある。(端的に。特段感情もなく、さらりと答えたのち、相手を見上げて、つまらん理由だろ、と僅かに自嘲するように笑ってみせて)
イーヴィア > (示される、沖合いの船。 他の運搬船とは明らかに雰囲気の異なる色合いと形状に、一寸考え込んだ後、『嗚呼、成る程』と一言声を響かせて、納得した事を伝え様。 沖合いに停泊しているのに、船員がこんな所に居るのは、小船か何かで上陸したからだろうか。 だとするなら、船が港に入らない、否、入れない理由が在るのだろうとまで推測が及べば。) ―――……やっぱり珍しいな。 いや、偶に耳にする事は在るけどよ、まさか御前さんみたいなのが乗ってるとはね。 (改めて、不思議な物だと思う。 否、先刻の推測が正しければ、一つ思い当たる節は在った。 船から視線を話しては、一歩、相手の隣へと歩みを進めて。 半身で其の顔を覗き込む様に頸傾ければ、暫し、相手の紡ぐ言葉に耳を傾け。) ―――……俺の店に良く来る客が、時々喋ってたナァ。 最近海で女海賊が暴れてるってよォ。 ちなみに俺は、其の話を聴いてオーガみたいな女を想像した訳だが。 (――敢えて、客、とだけ表現しつつ、先刻よりは少しだけ控えめな声で。 隣にだけ聞こえればいい、後は喧騒に紛れてしまうだろう。 言外に、そう言う事なのだろうと問いかけながら、再び海へと視線を向けた。) ま、そりゃあそうだろうナァ、長旅であんな狭い箱に缶詰じゃあ、陸に下りた時にでも発散しなきゃ、遣ってられなさそうだ。 ……お前さんは別っぽいがな? (其れ自体を否定はしない。 事実、そんな船乗りたちが居るからこそ、この街は宿場街としてだけではなく、色町としても栄えて居るのだ。 ふと、その場へと屈み込んでは、暫し、己が問いへの、相手の返答へ耳を傾ける。 其れから、其の横顔を下から見上げる様にしては。) 充分だろうさ、其れだけの理由が在ればな。 海が好きだから、でも俺は納得したぜ。 (詰まらなくは無い、と。 其れは、きっぱりと言い切るだろう)。
イーリス > (沖合に停泊している船を見て察したらしい相手を見上げ、ついと眉を上げるみたいにして茶化した表情を浮かべ)まぁ、そういう類の船だ。それでも良ければ歓迎しよう。君は本当に…あぁ、頼りになりそうだからな。(相手の風貌といい体躯といい、船乗りにスカウトしたいくらいだと言わんばかりに声をかけ。陸の男の品定めも、戦えるかどうかが判断基準のようで、にこやかに相手を見上げる分、合格らしい)………ほう。君は店を持っているのか。というよりも…君は聊か想像力が豊かだな。いや、オーガの女海賊ならば見てみたい気もするが、すまないな、私は君の想像と違ったようだ。(覗きこまれた顔を少し引き、相手が何かの店主だと知れれば、興味が深まって、目を見張り。声のトーンは小さくとも、充分に耳に届いた言葉。が、すぐに、吹き出すみたいに笑って、暫しオーガの女海賊、を頭の中で描いたらしく、肩が震えてしまう。それでも、己がその件の女海賊だということは否定はせず、軽く相槌めいた頷きを落とし)君の言う通り、発散も時に必要だからな。…私は………ふっ、オーガのような女海賊を抱く気概のある男が、陸にいるかどうか。(部下たちの発散っぷりを思い出し、やれやれとばかりにため息をつきつつも理解を示し。続く言葉は冗談めいた口振りで、そちらの発散は己に無縁であることを言外に伝え、その場に屈みこんだ、陸の男たる泳げない隣の男を見下ろして)君はずいぶんと理解がある。…どうだ、店を畳んで船に乗らんか?いいぞ、海は。何ものにも縛られることのない自由がある。(自嘲気味に笑った表情はふと消えて。相手の断言する口振りに、意外そうに目を細めたものの、すぐにスカウトの態。報酬は弾むぞ、とあながち冗談でもなく)
イーヴィア > (覗き込んだ相手の――女の顔は、つい先刻まで己がイメージの中に在った『女海賊』のオーガな印象からは程遠い。 如何やら御本人らしき女のツボに嵌ったらしき想像に、此方は小さく咽喉奥で笑って。) ―――……嗚呼、都の方になァ。 こっちには、何か珍しい物でも転がり込んで来てないかと仕入れに来たって訳さ。 ――ヴァルケス武具雑貨店…と言っても、船乗りには馴染みがないかも知れないな。 (己が店を構えているのは王都の方、相手の行動範囲が何処まで及んで居るかまでは知らないが、別段知られて居なくとも不思議では無い。 ふと、背後の喧騒が一層増したのに気付いては、ひょいと振り返ってみるけれど。 どうやら船乗り同士が女を取り合って揉めたらしい、筋骨隆々な海の男が睨み合う姿を見ては、小さく笑って又視線を隣へ戻し。) ま、遣り過ぎなけりゃ、喧嘩も一種の華だからな。 ―――……成る程、だとしたら心配は要らないなァ、気概が在るか如何かは知らんが、そんな女が気に入った物好きなら、此処にいるさ。 (紡いだ相手はきっと冗談だったのかも知れないが、さて、返答の方は、強ち冗談でも無い。 見上げる視線が、如何だ? 何て女の反応を伺っては、片手を舞い上げ、其の胸元を、ぴ、と示して見せるだろう。 無論、想像上の女海賊を示したのではなく。 目の前の女を示したのだ、と伝えるかに。) ―――……クク、悪いな、生憎店を畳む気は無い。 御前さんが海で生きる様に、俺も陸で生きる理由が在る。 其れに、船ン中じゃあ鍛冶場なんざ造れないだろうからナァ。 (鍛冶師と言う、職業への誇り。 其れが在るから陸を離れない、と、相手のスカウトには断りを入れ。 けれど、其れ故に女の言葉も理解は出来るのだ、と)。
イーリス > (頭の中で、オーガがわーわーと船で暴れているイメージを描いたまま、暫し笑いが。さまざまなイメージを抱かれてきたとはいえ、このテの話は新鮮であり、面白味もあったから、ついつい年相応に気負った風もなく笑みを零して、ふー、と息を吐いて落ち着かせてから)へぇ、都の…。いや、いい店を聞いた。次に王都へ足を延ばすことがあれば、君の店に立ち寄らせてもらおう。船乗りにも、君の店で取り扱う類のモノが必要なことも多いからな。(意外なところで意外な出会いに感謝するように、柔らかな笑みを浮かべ。海賊相手に商売を渋る店は、この界隈ではないに等しいが、それでもなじみの店を持つことに利点は多い。よろしく頼むよ、と付け加えてその名を忘れぬよう復唱し。そうしたところで、背後から伝わる喧騒。平然とした風で首を捻ってその様子へと視線を投げ。良くある光景に、はっと息を吐いて肩を竦める仕草だけで、当然それに首を突っ込むほど酔狂でもなく。興味が失せたようにその喧騒から相手へと視線を落とすと、琥珀色の眸がすっと細まり)オーガ女じゃないが…それでも気に入ってくれるか?(冗談めかして首を傾け、相手を見下ろし。そのまま片手を伸ばし、届くのなら相手の頬でも撫でようとし)…そうか、残念だな。お互い海と陸ではあるが…まぁ、理由が在るわけか。ふっ、鍛冶場付きの船、というのも面白いが、さすがに海賊船にそれじゃ、示しがつかんな。(スカウトは残念ながら不発に終わったが、素直に引き下がって。相手の言葉に含まれる誇りめいたものを察しては、少し、眩しげに目を細め)
イーヴィア > (本人が笑い話としてくれるのだから、其れに越した事は無い。 同調する笑い声が同じ様に暫し響き、其れから、ズボンのポケットに入れていた、己が店の常連に配る、鉄の銘入りタグを女の前へと掲げては、女の膝上へと乗せて。) ま、態々遠路はるばるウチの店まで訪ねて来るって客を、蔑ろには出来ないからなァ? 其の時は歓迎するさ。 ――嗚呼、但し…其のときは、裏口をオススメするがな? (客層の問題で、相手が出くわしたくないだろう類の客と鉢合わせる可能性も在る。 元々店内中立を謳ってはいるが、単純に面倒だろうと一つアドバイスして。 ――其れから、不意に、頬へと触れる掌に双眸を細めた。 ふ、と、小さく笑みを見せたなら。 其の手首をそっと捉えて、適うなら、其の掌へと軽く口付けを触れさせよう。 軽く、覗かせた舌先で、柔く、擽る様に。) ……生憎、スカウトには応えられないが…気に入ったのは確かさ。 其れとも、海で泳げない様な男には興味が無いか?(小さな戯言を混ぜながら、見上げる瞳は女の瞳を真っ直ぐに捕らえる。 ――若しも、其の掌が引かれない儘だったなら。 其の指先を、軽く唇で捉え、歯先を触れさせる、か)。
イーリス > (久々に気兼ねなく、無邪気に笑った心地よさもあって、相手を見る眼差しも穏やかそのもの。部下が見れば、二度見していきそうな温和な雰囲気をまとったまま、差し出されたタグに目を細め。膝上に載ったそれを掴み、陽に翳すみたいにしてから)蔑ろにできない、というのなら、ぜひとも懐に優しくもしてほしいものだが、ね。裏口からこっそりお邪魔することにするよ。(茶化す言葉は、海賊らしいというのか、らしくないというのか、ちゃっかり割引を強請るようなもの。頂いたタグをひょい、と軽く掲げて礼として、ジャケットの胸ポケットへと仕舞い込み。伸ばした手が相手の頬に触れると、頬骨辺りを親指の腹で撫で。たものの、取られた手首、払うことはせずに、任せていたが、思わぬ行為に少々驚いたように目を見開き。くすぐったさと共に舌先の体温とに、思わずはっと吐息を零し)…君は、意外に紳士かな。こういうのは…想像、していなかった。………いいや。海で泳げなくとも構わんさ。むしろ、そういう可愛げのある男の方が好ましいこともある。(口端に笑みを湛え、相手の言葉に否定の意を紡ぎ。指先に感じる硬質な感触。それは甘く身体を走って、思わず切なげな表情を滲ませてしまうほど。僅かに指先を動かして、親指が動くなら、その腹で相手の唇を撫でる仕草は、もどかしさを伝えているようでもあり、慈しむような優しげな仕草でもあり)
イーヴィア > クク、其処は其の場の交渉次第さ。 別に金じゃなくても良い、船旅を続けてれば、何か珍しい物でも手に入るだろ? 俺の眼鏡に適う物が在れば、交渉材料に使ってくれても良いんだぜ。(店を構えて居れば、値切り交渉を仕掛けてくる輩には慣れた物。 とは言え、高圧的に値下げ要求をして来る類の輩に比べれば、遥かに可愛い物か。 物々交換も受け付けていると、一つ前以て知らせては、女の指が触れた頬へ、微かに残る体温の名残へと、静かに意識を寄せた。) ……いや、流石に紳士とは程遠い気がするナァ…、……つーか、紳士ならこんなトコで女を誘ったりはしないだろうさ。 ――……クク、なら、オーケーって判断しちまうぜ? こんなオーガなら、幾らでもお相手願いたいね。 (其れは、肯定と取ってしまう、と。 きっと、最後通告の様な意味合いで問うけれど。 恐らくは、答えは殆ど待たなかっただろう。 唇を撫でる指腹へ、応えるように唇が、女の指先を口内へと。 濡れた舌先を纏わり付かせ、絡み付かせては、柔く施す愛撫は、周囲からも一見して其れとは判り辛いだろう、ただ男が可愛がられている、と言った図。 けれど其の実、愛撫を施すは男の方。 時折歯先を指へと押し付けては、軽く歯形を残す様な柔さ。 扱き立てる様に舌で擦り上げたなら、女にしては、苦境を乗り越えて来たと判る指先を、悪戯では無く本気で、愛でに掛かるか)。
イーリス > 交渉次第とは…まったく食えないな。(やり手の店主だということは、相手の言葉で十分理解に至り。業とらしく首を竦める仕草をしたのち、善処しよう、と頷き返す。そこは海で散々荒事をして稼いでいるだけあって、お眼鏡の品を見繕う程度のことは造作もないゆえのあっさりとした引き際)海の男はこうはしないさ。すぐに組み伏せてやるだけだからな。それから比べれば、君は良心を持つ紳士様、というところかな。私ももう少し、君の想像に叶うようにオーガのようにふるまうべきか。(自分の知る範囲での男たちは、今の彼のような行為は皆無に近い。それゆえの驚きと新鮮さと、そして妙に心がくすずったく甘く疼く感覚に戸惑いつつも、茶化す言葉でその戸惑いを誤魔化しておき)んっ…。………まったく…指も性感帯だというが…。(指先がぬるりと咥内へと含まれた瞬間、ぞわりと肌が泡立ち、甘い刺激が身体を走り抜け、堪らず息を詰まらせては、熱い吐息が零れてしまう。不慣れな行為ゆえに、過敏に感じてしまうのか、唇を噛みしめ、危うく零れてしまいそうな吐息を我慢するので精一杯。唇を撫でた指先も動くのを忘れ、与えられる甘美すぎる甘く、時に硬質な刺激に身を委ね)…っ、君はっ…こういうの、が…趣味、なのか?………どうしてもっと、ほかに…。(してくれないのか、と言いかけた唇が慌てて言葉を飲む込むように噛みしめられ。相手のペースもあろうが、その柔く緩やかに与えられる刺激にもどかしさを感じ、まるで相手を求めるように、もう一方の手が相手の頬へと伸びて、もっとと強請って頬を撫でる眼差しは徐々に欲情に彩られ始め)
イーヴィア > なぁに、他の店じゃ二束三文にもならない様なガラクタでも、俺に取っちゃ貴重な一品、なんて事も在り得るからな。 場合によっては、大分得した気分に為れるかも知れないさ。 (取り扱う店によって価値と言う物は変わる。 逆に鍛冶屋でもなければ取り扱わない様な物も在るだろう、そう言う物を持って来れば良い、と人差し指を立てて見せれば、其れで今の所は交渉成立、と言った所か。 伊達に店主は遣っていないと笑いながら、ふと、周囲へと視線を投げたなら。 船か、或いは、宿場街の方か、僅か逡巡して。 其れから、そっと女の指先に宣告までよりも、強めに歯を立て、刺激を齎せば。 吸い上げる蠢きが、指先へと充血を齎し、其れこそ散々な愛撫で過敏になった其の場所を、更に敏感に変えて行く。 ――在る意味で、意地悪、か。) ――――……強気で豪放なオーガも悪くないがね、其れだとベッドまで運ぶのにも苦労しそうだ。 ……見られても良いってなら、構わないさ。 それとも…俺が取った宿で良ければ、来るかい? (ふと、視線で示すのは、道の向かい側に建つ宿。 娼館に挟まれているからか、割と造りの確りした建物は、どちらかと言えば海の男達よりも、商人達が利用する場所。 或いは…もう、我慢出来ないというのなら。 それは其れで考えると、告げるけれど。 ゆっくりと其の場へ立ち上がれば、散々に愛撫した指先を漸く唇から解放し。 女の背後へと移動しては、其の身体を、背後から抱きすくめ。) ―――……浚おうか、女海賊さん? (其の耳元へ囁くと同時、両掌が其の乳房を、押し潰して隠す為の布地の上から、力強く歪めて揉み絞り上げ、芯から解す様に虐めるか。 ――ゆっくりと、ゆっくりと、人目に付かない遣り方で、女の理性を蕩かして行く。 首筋へと寄せた顔が、其の耳元へ声音を触れさせれば。 其の欲望を、引き摺り出すかに)。
イーリス > なるほど。君と私の目利きが試される、というわけか。(相手のさじ加減ひとつではあろうが、そのテの店の興味深さに相槌を打ち。楽しみにしていよう、といつか店を訪れる際の交渉を心待ちにしているような、そんな表情を浮かべ)っぁっ…ん…。(指先に重く広がる刺激。痛みより、まるで理性でも砕くようなそんな甘美な刺激に、思わず嬌声めいた声が零れ。指先から伝わる男の体温と舌使いとに、腰あたりがじわっと熱くなってくる感覚。となれば、熱い蜜が男を求めて溢れ出すまでさほど時間はないことは、経験からして理解しており。耐えようと唇を噛みしめ、相手を見下ろす)…ふっ、まったく、だな。この時ばかりは…オーガでなくてよかったと思える、な。(軽口をたたいて答える余裕はあるものの、言葉の端々に吐息が含まれ、呼吸は徐々に浅くなってきて。相手の言葉に、ん、と短く吐息を零すように頷いてから、その視線を追う。期待からか、暫しその宿をじっと見つめてしまったものの、相手へと顔を向け)…困ったな、…今の私は、…君にベッドの上で抱かれたい心境だ。(まるで少女のように、恥ずかしげに、それでも素直な感情を口にし。身体に回わされた腕の確かさに、は、と心地よさげに表情を綻ばせるあたり、すっかり陥落気味。その手が、忌み嫌うようにさらしを巻いた布越しに触れてきて、刹那、びくんっと敏感に身体が反応し)浚って…くれ。……んんぁぁぅ…ぁ、こんなの……。(私じゃない、と断言しようにも、触れられたことで、嬉々として身体はびくびくと反応し、切なげに腰を揺らめかせてしまう。穏やかで甘いが故に、身体の奥を炙るようにじわじわと昂ぶってくる感情。僅かに紅潮した素肌は、もともと色白のため、朱が差したようで、潤んだ瞳は媚びるように相手を肩越しに見つめて)足りない。頼む、から…抱いて、欲しい。(羞恥や男として生きて行かなければならないプライドを捨て、欲望のままの言葉で相手を誘い。宿へと移ってか、それともそれまで我慢もできずにこの場で求めてしまうのか、兎も角念願叶ってその欲情が収まるまで、たっぷりと彼を求めて乱れた姿をみせるのかどうか、それは二人のみが知るところで………)
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からイーリスさんが去りました。
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