2022/12/18 のログ
ご案内:「セレネルの海」にテンドンさんが現れました。
■テンドン > 夜。セレネルの海。
ダイラスを出港してマグメールに向かってる途中の船。
静かな甲板の上には疎らながらに船員の姿在り。
普段は黒曜石色に沈んだ海上は今、奇妙な現象が発生中。
夜光虫たちが大量に冬の海に発生し、宝石の粒でも撒いたかのように光り輝いていた。
あたかも海そのものが光を放っているかのような情景。
「………うぷ」
それに照らし出されるようにして船縁に寄り掛かっていた。
薄明りも相俟って幽鬼のように顔色は悪い。
■テンドン > 世の中には。
二種類の人種が居る。
それは、船酔いをしない人間と、する人間だ。
「……海、嫌い…なんでこんな揺れるの…陸地…Big Love……」
後者だった。
もう粗方胃袋の中身を撒き餌にしてしまったので、えづいても何も出て来ない。
■テンドン > 膝立ちでは甲板の床面に届かないので、物干し竿に干したお布団みたいな恰好で寄り掛からざるを得ない。
ざぶんざぶん波が来て船が揺れるたんびに宙に浮いてる両脚がぷらんぷらんする。
胡乱な眼の向こうにどこまでもどこまでもまだ続く海…。
「うーみは、ひろいーな、でっかーいなー……」
だから矮小な人間にとっては絶望なんだなあ… By テンドン。
■テンドン > そのまま潮の流れと風に運ばれていく…なすすべもなく…。
人生って…海みたいだ…。
ご案内:「セレネルの海」からテンドンさんが去りました。