2022/10/18 のログ
ご案内:「セレネルの海」にリュシーさんが現れました。
■リュシー > (昼間の温みを微かに残すなめらかな砂が、素足に心地良い。
海辺に降りてくるまでは履いていたサンダルを右手にぶら下げ、
膝丈の白いナイトドレスの裾を翻して歩くのは、一見すると小柄で華奢な少女である。
その身体が実は別の生命を育んでいる状態であるとか、
顔立ちから推察するとおりのあどけない少女ではないだとか、
何ならそもそも、女ですらなかったのだとか――――そこまで看破することは、
たぶん、難しいのではなかろうか。)
んん――――……だいぶ、風、冷たくなってきたなぁ。
(髪を弄る潮風に目を細め、そっとひとりごちる。
最近すっかり板についてきた、左手で下腹のあたりを撫でる仕草。
触れて、外側から感じられる膨らみなどはないけれど、
こうするといつも、何故だかひどくこそばゆい気持ちになる。
そんな姿を、見知った人物に見咎められたくなくて、
最近はよくこうして、一人で散策に出ていた。
ダイラスの港にほど近い砂浜、そう遠くない位置に洞窟も見える。
少女が一人で散策すべき場所ではないかも知れないけれど、
いろいろと隠し玉を持つ身の上、危機感は薄かった。)
■リュシー > (――――――ほんの少し、眩暈のような不調。
砂浜の上でたたらを踏んで、とっさにその場でしゃがみこむ。
うつむいて、左手で口許を覆い―――深呼吸を、二度。もう一度。)
………はー…
なんだろ、今の。
おなか空いてる、とか?
(しゃがみこんだ体勢のまま、そっと顔を上げて。
口許に宛がった手指の間から、ぼそぼそと独り言を洩らす。
眉間に皺を寄せて、うーん、と思案顔。
――――――しかしもちろん、長くは続かない。)
いやあ……晩ご飯は、いつも通り食べたもんなぁ。
そっちじゃないなぁ、たぶん…… ま、いっけどさ。
(もうおさまっているし、たぶん大丈夫。
己の頑健さにだけは、自信たっぷりなのだった。)
ご案内:「セレネルの海」にルヴィエラさんが現れました。
■ルヴィエラ > (砂の上――何かが、着地する気配
歩いて来たならば、其の気配がして居ただろう
されど、まるで闇から湧き出たかに其れまで気配は無く
其の気配が、丁度少女の背後辺り、一歩近付くのだ。)
「―――散歩には良い風だね。」
(漂う声が、柔らかく娘の鼓膜を揺らす。
其の正体を知る者であれば、意外な程に慈愛に満ちた。
其の本性を知る者であれば、良く知るであろう穏やかな。
屈み込んだ儘の娘を見下ろし、その表情を肩越しに伺う様に
束ねて居ない長い髪糸が、娘の視界へと、さらり、映るだろうか)。
■リュシー > (――――――さく、っ。
なんの音だろう、と振り返るより早く。
吹き抜けていた風の流れる方向が変わる。
背後に背の高い誰かが、すぐ、真後ろに現れたからだ。
さらり、絹糸を思わせる銀色の髪が、頭上から頬へ、肩へと打ちかかるのへ、
軽く瞠目し、ひと呼吸分くらいを空けてから)
……さすが、素早かったね。
バレないように、こっそり出てきたと思ってたんだけど。
(しゃがみこんだそのままの姿勢で、振り返りもせずに、微かに口許を綻ばせる。
左手を戯れに伸ばして、彼の、銀糸の髪を指先に絡ませてみようとしつつ)
……仕事は、もういいの?
■ルヴィエラ > 「―――……私との繋がりが解けない限りは、ねぇ。
繋がりが解けたら解けたで、判る事も在るのだけれど。」
(――娘と、自らとの繋がり。 己が流れを汲む娘の魔力。
子供の事は、良く判る物だと、そんな戯言を伝えながら微笑み
其の背中に、片掌を添えて、優しく撫ぜようか。
髪糸に絡まる娘の指先を、好きにさせながら。)
「今宵は、もう自由の身だ。 ……だから、散歩に付き合えれば、とね。」
(連れ帰りに来た、と言うのとは少し違う
無論、娘の帰路をエスコートはさせて貰う心算だが
――別にそれが、今すぐ、である必要は無い、と。)
「たまには、気ままに歩くのも風情が在る、だろう?
或いは――砂浜に、子供の様に寝転んでみるのも、ね。」
■リュシー > 繋がり、ねぇ…―――― うん、まぁ、確かに。
(ああ、まただ、と心のなかで、むず痒いような感覚を玩ぶ。
この身体はそもそも、彼の力が結晶したようなものであるし、
それ以外にも――――とくん、と己のものではない拍動が、聞こえてきたような気がして。
指先に絡めた銀糸を手繰るように顔を上げて、仰のいた眼差しが彼の顔を捉え)
……風情、っての、ぼくに似合うかどうかわかんないけどさ。
せっかくだから少しだけ、独占してもいいかな。
(彼の『娘』は、それこそ、両手の指では足りないくらい居る。
けれどもほんの少しだけ、たとえば今宵、眠るまでの間くらいなら。
己だけの『彼』だと、錯覚しても構わないだろうか。
―――――――だって、何しろ。)
ね、……ぼくごと、抱っこしてよ。
(『何を』あるいは『だれを』己『ごと』なのか、
あえて明言はしないけれども。
わざとこどもっぽい言い方をして、彼の方へ身体を凭れさせてしまおうかと)