2022/09/27 のログ
■グレイス > 晴れ渡ったセレネルの海。
穏やかな波を突っ切って、一隻の帆船が突き進む。
帆に描かれた王国の紋章とずらりと並んだ砲列は、
それが王国海軍の軍艦であることをありありと表していた。
「ここを通る船は全部とっ捕まえていいのよね?」
その甲板で艦長であるグレイスは、ウキウキとした様子で副官に聞く。
この海域は穏やかながら小島が多く、海賊や密輸船の絶好の隠れ場所となっていた。
そこで王国海軍は定期的に討伐艦隊を派遣し、それらと戦いを繰り広げている。
王国船籍以外の船は、全て拿捕の対象である。
そして、マストに登って見張りを行っていた水兵が声を張り上げる。
彼女が指差す方向を確認すれば、一隻の船。
「最初の獲物ね、臨検するわよ」
グレイスは水兵達に指示を飛ばし、フリゲート艦は慌ただしく進路を変更する。
そして、追い風を受けぐんぐんと速度を上げ、見つけた船に迫っていった。
ご案内:「セレネルの海」からグレイスさんが去りました。