2021/10/02 のログ
ご案内:「セレネルの海」にライラさんが現れました。
ライラ > 静かな波の音が響く、海辺。
少し遠くに宿場町の明りが見え、賑やかな声も波音に混じり聞こえてくる。
そんな穏やかな町へ、遅い時間ではあるが一人の冒険者が訪れた。
町の明るさを目印に道なりに歩んでいれば、少し離れた岩場に小さな影を見付ける。
この町の住人か、いい宿は無いものかと尋ねようと足先を其方へと向ける。
近寄ればどうやら子供のようだが、出で立ちから察するに自分と似た種別―――冒険者に近い匂いを感じる。
であれば、と笑みを浮かべながら声を―――。

「……はァい、こんばんは。お一人のところ悪いわね?
 隣、イイかしら?」

一人静かに佇むその小さな影に陽気な声音で問いかける女。
一気に静寂が破られて迷惑になるかも知れないが、少なくとも怪しい人物では無いという
女なりのアピールでもあった。

ピッチ > 「──────?」

近くで声が聞こえ、少年はゆっくりと眼を開く。
それが自分に向けられた声だと察してから、顔をそちらに向ける。
少年が小首を傾げたのは、どこかで逢ったことがあったか一瞬考えたから。
そんな風に考えてしまうくらい、フレンドリーな声。

「……どうぞ」

少年は、迷惑がるでもなくそう返す。
陰気というほどではないが、人によっては暗いと捉えるかも知れない声は、少年にとって普通。
そのまま、じっと女性の顔を見る。
人見知りではないがコミュニケーションが得意ではない少年は、視線で問う。
何か用事でも、と。
特に困りごとがあるふうでもないから、少年も姿勢を変えずに自然な脱力をしたままで。

ライラ > 「ありがと。それじゃ失礼して……。」

岩場で座っている先客からの了承を得られれば、
挨拶同様、小気味の良い礼を一つ挟んでから、
人一人分程度のスペースを空けて隣に腰掛ける。
女性らしく、膝を畳んで横に流すように座り、
こちらを見詰める少年からの視線を感じれば、
その視線の意図を察し、自己紹介も含めて笑顔で答えよう。

「アタシはライラ。ダイラス経由でこの国に来たの。
 それで、早速王都に行こうと思ったンだけど意外と遠くて…。
 そしたら、うまい具合に町を見付けてね。
 んで、この町の人かと思って良い宿は無いかしらー?って
 聞きたくて声を掛けたんだけど……、
 ひょっとしてこの町の人じゃなかったかしら?」

物静かな印象を受ける少年に比べ、陽気な挨拶の通り、言葉を並べ立てる女。
最後に問うたのはやはり、隣の少年の印象が町の子供の雰囲気とは異なる為だった。
首を傾げながら、「若いけど、アタシと同じ冒険者とか?」
なんて当てずっぽうの質問を一つ添えてみるのだった。

ご案内:「セレネルの海」からピッチさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海」からライラさんが去りました。