2021/08/25 のログ
グレイス > 王国各地に被害を与えていた地震は、一見無関係そうな海にも影響を与えていた。
各地の海辺を襲った津波の被害から復旧し、ようやく人々は海に出られるようになったものの、各地で今までにないほど魔物が出現しているのだ。

「はぁ、魔物退治なんて一銭にもならないじゃない。冒険者にでも任せておけばいいのに」

王国海軍のフリゲート艦の甲板で、艦長たる貴族令嬢はため息をつく。
海を跋扈する魔物を討伐すべく、海軍は全力で哨戒中だ。
しかし、討伐したところで財宝を持っているわけでも、奴隷として売り払えるわけでもないので、船員には少しの報奨金が支払われるだけ。
モチベーションは非常に低かった。

「どっかに襲えそうな商船か海賊でも通ってないかしら…」

グレイスは物騒なことを言いながら、やる気なさげに海原を見渡した。

グレイス > しばらく航海していると、見張り台の水兵から報告が飛ぶ。
グレイスも望遠鏡を向けると、そこには海上にうねる巨大な触手が見えた。
巨大な頭足類の魔物、クラーケンだ。

「あー、本当に面倒ね。戦闘用意!」

グレイスは指示を飛ばす。甲板が慌ただしくなっていく…。

ご案内:「セレネルの海」からグレイスさんが去りました。