2021/07/25 のログ
■ナラン > 岩陰は白い砂に黒く伸びる。
黒い海から打ち寄せる波は、間近で見れば水底で攫われる砂まで見える程に透明で、とてもとても不思議に思う。
(…昼間)
燦々と照らす太陽の下ではどんな姿なのだろう。
冬の暗い色とはきっと違うのではないだろうか。
草原で生まれ育って、この体質になる前に海に来たことが無い。
「……きっと、奇麗なんでしょうね」
その内、遠くから眺めてみよう。
何処か崖の上か、森深い場所から海を眺め降ろせる場所がどこかにある筈だ。
良い思い付きのように思えて、白い砂浜から黒く覗く岩場へひょいと飛び乗ってみる。つるりと滑りそうになったのを何とか堪えて、合間に飛び散った波飛沫に思わず小さく笑い声。
静かな海岸はその夜、密かに楽しむ声で束の間満たされて…
ご案内:「セレネルの海 海岸」からナランさんが去りました。