2021/06/13 のログ
ご案内:「セレネルの海 海岸洞窟」にジギィさんが現れました。
ジギィ > 夕暮れ時。
これから引き潮になるという時間帯に、海岸沿いの崖下にある洞窟へと漕ぎ寄せる小舟が一艘。
乗り手は銅色の肌の女エルフがひとり。
ところどころ波間に覗く岩礁に当たらない様覚束ない櫂さばきで穏やかな海流を何とか漂って、洞窟内へと漕ぎ入って行く。
すっぽりと船全体が外から見えないほどになってから、女エルフは櫂を操る手を止め、ぐるぐると腕を回す。

「はぁ―…ここまで来るので大分疲れちゃったな…」

声は洞窟内で独特に響く。
内側までくれば海流は穏やかだ。
――――今は。
ひと刻もすれば奥へと流れが強くなって、余程の手練れでなければ脱出は困難になる。
特別に借りた『時計』を探り出して足元に置くと時間を確かめて、辺りの壁を熱心に眺める。
暗闇の中、ある筈の岩間にぼうと光る場所。
今日の目的は、そこにある筈のヒカリゴケ。

「ああ――…簡単にはみつからないかあ…」

ざっと見た所近くには無いように思える。
独特の時間帯に来ないと見付からない上に、漕ぎ寄せるにも危険があって中々手引きしてくれる相手もなく、自身で船を借りるにも容易ではない。
次の機会を見付けるにはまた苦労しなければいけないだろう。
何とか今回のうちに見つけてしまいたい…

ジギィ > 2度、見える範囲を隅から隅まで眺める。
その間中、櫂でもって船を安定させなければいけないからそこそこ体力も遣う。

「あーんー
 もうちょっと奥いってみるかあ…」

嘆きの声を少々。
ちらと足元の時計に視線をやってからまた覚束ない手つきで櫂を操って、船上の灯りをして真っ黒なタールの様に見える水上を洞窟の奥へと進んで行く。

果たして夜も更けたころになってふたたび外海へと漂い出た小舟は
エルフが目的を果たして意気揚々の帰港となるか―――

ご案内:「セレネルの海 海岸洞窟」からジギィさんが去りました。