2021/03/20 のログ
ご案内:「セレネルの海 海岸」にホアジャオさんが現れました。
ホアジャオ > とっぷりと暮れて真っ黒な空に月が浮かぶ夜。沖の方から海鳥の鳴き声とともに運ばれる潮風はほんの少しの冷たさが含まれる。
波は規則正しく浜辺に押し寄せて、岩場に小さく砕けては不満の様にぶくぶくと不規則な音を混ぜていく。

そんな穏やかな月夜の浜辺を海岸沿いに歩いている女がひとり。
足元の砂のさくさくいう音を楽しむように視線を落として、潮風に三つ編みを揺らされながら急ぐでもなく進んで行く。
王城で公主の護衛のバイトも終わり、解放されても喧嘩相手に恵まれるわけでもない
そんな日は、海辺に来てあそぶと大抵気がまぎれる。
偶に良からぬ取引現場に遭遇してはそいつらを蹴散らしたり追いかけっこにありつけたりもするし、何より山育ちで憧れのある海は居て飽きない。

――――ぐう。

ひた、と女の足が止まる。

「――…夜食貰ってくるンだったかな…」

すこし唇を尖らせはするものの、視線を波打ち際に放ってから平らな腹をさすりさすり、再び歩き出す。

ご案内:「セレネルの海 海岸」に黒須さんが現れました。
黒須 > (静かなセレネルの海岸。
潮風が吹き始める砂浜は誰も居らず、ただただ静けさを作っている様に見える。
一人で歩けば、砂を踏む音が心地よく響き、足裏から感じるのが確かにわかる。
こんな平和な時間は静かに過ごしたい。そう思えるのも束の間だろう。)

「…あ?ホアジャオか…?」

(少女の前に立つと片眉を上げて声をかける男。
サングラスをかけていて、素顔は分かりにくいが、光指す月明かりが反射し、そのグラスの裏面を映し出す。
片手には紙袋があり、その中から腹を空かせるような匂いがする。)

「まさか、こんな所で出会っちまうとは…。
めんどうだな…喧嘩が始まるか…。」

(この少女と対面すれば必ず戦闘が起こる。
だからこそめんどくさい現実に背を向けることができないと思っていた。
お気に入りのウィスキーを飲みながら、摘まみに肉まんでも食べて過ごそうかとしていたのだ。
ギルドの討伐依頼の報酬として悪くないのだが、これは少し厄介だと感じながら対面する。)

ホアジャオ > 潮風にどことなく海鮮肉まんを想い、王城に戻ったら料理人に作ってもらおう等と思いながら、足元を過ぎる蟹などをたまーにひょいとよけて砂を踏みしめていた。



自分と同じく砂をふむ足音と空腹の胃を誘うかおりにぴくんと顔が上がる。
訝しげに其方を見遣れば、細い目を目いっぱいに開いて

「哎呀… エート、久しぶり」

参った。
胃がきりきりして相手の表情よりも持っている紙袋に視線が釘付けになって

「…げんき?」

この女にしては割とまともな声掛けをしてしまう。
喧嘩を仕掛けたいのは山々だが、取り敢えず紙袋は非難させないと…などと脳裏に考えつつ
視線は男と紙袋を往復して、最終的にはやっぱり紙袋に。

黒須 > (相変わらずの母国語にまた片眉を上げる。
別国の言語は知らないために何を意味しているのかわからなかったが、面倒だったために無視した。)

「まぁ…半々だな…。」

(それっぽく返すも少女の目線を追う。
結果的に到着した手元の紙袋。
見た感じ明らかに空腹そうだ。)

「……喰うか?」

(こちらは腹は減ってないし、酒が飲めればそれでいい。
肉まんの入った紙袋をズイっと少女の方に差し出す。)

ホアジャオ > 「ヘーエ?半分元気じゃないの?」

言いつつ、女に特に心配する雰囲気はない。

いつもいつもいつもめんどくさがられるので、喧嘩を仕掛ければ迷惑そうな顔をするのは解っている。
とすれば
喧嘩を売られたくなければその紙袋をよこせ!
とか言ってみようか

のつもりだった唇が

「――――良いの?」

ずいっと差し出された紙袋に瞬いてから、漸く男の顔を見上げる。
サングラスをしているのにもようやく気付いて更に瞬いてから。

「ありがと…
 お礼に、食べ終わったら喧嘩したげるよ!」

多分また嫌な顔をされると解っていつつ後半を付け足して
それを聞いた男が、多分引っ込めようとする前に紙袋を掴んでしまえればぽんと大きく弾んで後ろに距離を取るだろう。
特に反応されなければ、和やかに紙袋を受け取って、にまぁと満面の笑みを向ける筈だ

黒須 > 「まぁ、俺の機嫌なんざどーでもいいだろう。」

(心配する雰囲気の無い様子を見れば口をへの字にする。
綺麗なまでに片方の口端が下に下がり、明らかに嫌そうな顔をみせうのであった。)

「あぁ、俺もつまみにするつもりだったが…酒が飲めれば十分だ。」

(和やかに受け取られ、そのまま適当な所に尻を置く。
尻尾を座布団がわりにして座り、砂がズボンに掛からないようにしながら、スキットルを取り出し飲み始める。)

「…いいぜぇ。俺も色々とあってな…正直、無様に負けるのも悪くないと思っていたところだ…。」

(おそらく、彼女と何度も出会っている中で思うが、黒須の顔に笑みが浮かんでいた。
睨みを効かせた目は相変わらずだが、その口はしっかりと笑っていた。)

ホアジャオ > 「まァ、そーだね」

機嫌などどうでもいいと言う相手に同意しつつ、受け取った紙袋をしっかりと胸に抱える。
中身を潰してしまわないようにしているあたりちゃっかりしているというか器用というか。
兎に角ご機嫌にニコニコと笑ってちょっと弾むと足元で砂がさくと音を立てる。

「何かたまーに居るよね。酒がガソリンみたいなやつ…
 ちょッと、止してよ。アタシ負けるつもりのやつと喧嘩する趣味無いかンね!
 真面目にやってよ、真面目に」

後ろ半分小言を言いながら、座った男の隣に腰を降ろして紙袋を空ける。
香りにうはぁとか色気のない歓声を上げてから中身をごそごそと探り、横目で男を見て

「色々とって何があったのさ?
 笑顔似合わないよ。てェか下手だね」

言いたい放題言いながら手にようやく肉まんを取り上げて、細い目をまた更に細くしている。
一応、会話をしているつもりらしいが、侮辱と取られても仕方がない。

黒須 > 「俺もそんな腐った根性で相手はしねぇよ。
こちとら、元貧民地区最強だ…喧嘩の作法ぐらいは知っているさ。」

(ルールなんて無いように思える喧嘩やタイマンもある程度の物はある。
ただ、それは定義として話されているわけでな無いために、ほとんどは知られていないと言うことだ。)

「まぁ、気分が上がらないのは確かだがな…。」

(別にガソリンと言うわけではない、自分は好きだから飲んでいるだけに過ぎず、日々多めに飲んでいるだけなのである。)

「…まぁ、慣れねぇのに女を作ったことだな。
それで、俺の性根の悪さ故に別れたって話だ、どうでもいい話だな…。
好きなだけ言え、笑っても女を抱くときに誘う時にしかしてねぇからな…。」

(スキットルのウィスキーを一口飲み、ふぅっと息を吐く。
侮辱をされるもそれだけで逆鱗を撫でられるような反応はせず、相変わらずのポーカーフェイスを貫きながら、飯が終わるまで居座っている。)