2020/12/31 のログ
アーク > そんな小さな悲鳴が中から漏れると、樽はごろごろと砂浜の上を転がり痕を残しながら風に押され転がり始める。

「わっわっ リュックが んぎゅ… とっ とめてぇ~」

賑やかな声が中から響きたるを揺らすも小さな体では止められる訳もなく暫くごろごろ。
風によって作られた砂山に横倒しになった樽が引っかかりようやく止まった。

アーク > 「はぁ… はぁ… ようやく止まった… っていうことは着いた?」

樽の中、リュックの上に寝そべる少年。先程の揺れや今の状態から散々ゆられた波とは違うことに気づいて。
先ずはリュックの中ごそごそと探り、中から明かり用の魔道具を取り出してから、木槌を取り出し、内側からぽこん、ぽこんと樽の蓋を打ち始める。
夜の海に広がるそれはどこか不気味に聞こえるかもしれない。

アーク > ぽこーん。ぽこーん。と夜の砂浜に響く小気味のいい音。
中で聞いている本人は耳が痛くなり、耳栓を取り出して、懸命に叩き続ける。
が、中々開かない。
寒さよりも今度は熱くなってくる。うっすらと汗ばみながら木槌の柄を握り、小指と手首を使ってぽこーんと再び蓋を叩く。

アーク > 夜の砂浜波音の中でいつまでも木槌で叩く音が響いていた…。
ご案内:「セレネルの海」からアークさんが去りました。