2020/11/02 のログ
ご案内:「セレネルの海」に弾正さんが現れました。
弾正 >  
蒼海の小波が空気を震わせる。
穏やかな潮が耳朶にしみ込む心地よさ。
曰く、セレネルの海と謂うらしい。
雲の如く、軽い砂浜を草鞋が踏みにじり、緩く、優雅に波打ち際で歩を進める。

「……静かなものだ。」

小波以外は、唯静寂のみが其処に在る。
荒らすものは何もいない。
潮も、魚も、蒼海も、月輪の朧光に照らされて眠りについたように見えた。
さながら、己は海の支配者か。
否、些か其れは浮つき過ぎだ。
ふ、と僅かに緩んだ口元のまま、唯、静かに小波の心地よさに浸っていた。

弾正 >  
然れど、静寂のみでは刺激が足りない。
今一、己の欲を刺激するようなものは無い。
はてさて、此の地に己を満足させるようなものが在るのか……。
実に、愉しみだ。静寂に紛れるように、男の姿はゆるりと宵闇へと消えていく。

ご案内:「セレネルの海」から弾正さんが去りました。