2020/08/06 のログ
黒須 > 「未練でも残してるんだったら、居るんじゃねぇのか…?」

(死んだ人間の素性はどうでもよかった。
どういう思いがあろうと、またどういう生涯だろうと、関わり合いの無い他人の生き方に興味はない。)

「ほっとけ…どうでもいいだろ、んなこと…。
それに…今は…どうでも良いんだしよ…。」

(口をへの字にして不機嫌そうな顔。
図星だったのかと言わんばかりの雰囲気だが、そのまま二口目を飲んで誤魔化した。)

ラエルノア > 「生きてて為せなかったことが死んで為せるわけないじゃない?」

あっけらかんと返し、海を振り返る。
何も居ない、ただ先程までと同様に波が繰り返し打ち寄せる波打ち際を見て肩を竦め。
とって返した瞳が不機嫌そうな顔を見付けると、瞬きをしてから吹き出した。

「なぁに? 拗ねたの?
どうでもいいと言いながら見知らぬ小娘を心配して声をかけたの?
変な人ねぇ」

変な、と言いながら口調には嫌味はなく。
辺りを見回して、軽く首を傾げて見せる。

「もうすぐ夜なんでしょ、おにーさん。
おにーさんはこんな『危険な海辺』で飲んでて大丈夫なの?」

黒須 > 「どうでもいいだろ、見知らぬ狼男の素性なんざ…。
別に…お前がここら辺に居て、悪霊だがなんだかに飲み込まれちゃ、めんどくせぇことになっちまうなと思っただけだ…。」

(めんどくさいならしなければ良い。
そんな突っ込みが帰って来そうなことを言いながらも屁理屈程度にっ答えた。)

「…お前が帰るなら俺もやめるさ…。」

(と言っても酒は残り少し。
最後の一口を付ければ、酒も終わる。)

ラエルノア > 「私が飲み込まれると、おにーさんが困ることがあるの?
……ふーん?」

恐らく世間ではそういった心配をする人のことを「お人よし」とか言うのだろう。
外見からは思いもよらぬその言葉と言葉の持つ意味とに、ついまたくすくすと笑ってしまった。

「あらそーぉ?
じゃあ私が此処に居るって言ったら、あなたも居てくれるの?
それなら、朝まで此処に居てみようかしら?」

酒を乾す様子を見ながら、敢えてそう告げる口調には、相手がどう答えるかを期待する楽し気な色が見え隠れ。

黒須 > 「面倒なことが起きるんだったよ…。それを先に潰しちまねぇと、めんどうだろ?」

(よくわからない自分のルール。
起こりそうなことは全て納める。それが自分にとってのやり方であった。)

「…お前も随分と変わった野郎だな?
ったく…めんどくせぇ…。勝手にしろ…。」

(居なくなればまた散歩でもするだろうし、その間に何かあればまた面倒だ。
最後の一杯を飲むと瓶を置き、懐から煙草を取り出しては蒸かして過ごす。)

ラエルノア > 「ふーん? まぁでも、よかったわね。
私は海にも死人にも飲み込まれてないし。
心配してくれたってことは、もしかして私に一目惚れでもしちゃった?
だとしたらこれって運命じゃない?」

店でのサービストークやピロートークの類。
軽く両手を後ろに組み、上肢を幾分前に倒すことで相手との距離を詰め、顔を上目遣いに覗き込む。
鬱陶しがられたところでそれを楽しむだけなので、警戒やら遠慮やらは全くない。

「あと『野郎』じゃないわよ。レディーですもん」

ツン、と鼻先を軽く上向けて、幾分気取った口調。
そのままに、ちら、と相手を窺って。

黒須 > 「…おい、言葉には気を付けろ…。」

(煙を吐き、口に咥えようとした時、少女の言葉に動きが止まる。
先ほどとは売って変わっての言い方。
かなりドスが効いており、サングラスから覗く目もより一層鋭くなっていた。)

「…嬢ちゃんで十分だろ。
れでぃーなんて言う程、おめぇは色気もねぇだろうしな?」

(相手からの言葉、挑発をするように変えて返し、煙草を吸い続ける。)

ラエルノア > 「人は図星を指されると怒るのよねー?」

尚も茶化すような言葉が続く。
脅すような声や口調はあしらい慣れていることが知れようか。
とはいえ、本当に怒っているかは流石に見極めるべく、軽く目を細めて。
続く言葉には少なくとも怒気は感じられなかったから、口許だけで笑って更に距離を詰める。

「色気を求めていたワケ?
なら残念ね。今日の私はオフだもの。
でも、そういうのを求めてるようにはお見受けしないけどなー?」

様子を見ながら手を伸ばす。
拒まれなければ相手の片腕を絡ませ、胸に引き寄せようと。
着痩せはしても、この年齢にしては随分と豊かな胸の膨らみを意図的に彼の腕に押し付けるつもり。

黒須 > 「…お前も、人を茶化すのもたいがいにした方がいいぞ…?」

(自分らしくないと考え、先ほど漏れた怒りを抑える。
何に対してかはわからないが、ボロが出ては手玉に取られるだけだ。)

「・・・。」

(横目で見ているとその胸を自分の体にくっつけようとする様子を見てた。
年齢の割にはかなり大きく立派な物、それはわかった。
しかし、そうされるとそのまま腕を軽く降って離そうとする。)

「…悪いが、ここ最近、そんな気にならねぇんだ…。」

(落ち着いた様子で煙草の煙を吐きだす黒須。
表情は変わらず、ポーカーフェイスを維持している素顔で少女からの誘惑を断った)

ラエルノア > 「ほら。色気なんか求めてないくせに」

自分の見る目が正しかったことを誇るように軽く胸を張る。
身長差がある所為で到底見下ろすことは出来ない相手ではあるが、気持ちの上ではそうしていることが窺える精一杯の、ふふん、の顔。
別に腕を解かれることも想定の範囲内だったので気を悪くするでもなく。

「まぁいいわ。お人よしのおにーさん。
流石に少し暗くなってきたみたいだし?
私、これから貧民地区まで帰らないといけないのよねー?」

言いながらに片手を差し出してにっこり笑ってみる。
意味するところは「手を引いて送って頂戴」なのだが。
相手の返事は、さて。

黒須 > 「やかましい。
ここまで茶化された挙句に調子が狂う野郎を抱くなんざ…気が乗らねぇだろうが。」

(わかりきっていたようである為に、開き直る様子をジト目で見ながらため息を一つ。
めんどくさいと心の中で呟いた。)

「あ?貧民地区?お前、貧民地区出身なのかよ…。」

(偶然にも住んでいた地区出身の少女に片眉を上げて驚く。
片手を差し出す様子を見ては小さく「めんどくせぇ」と言いながら、重い腰を上げて紳士らしく片手を繋いだ。
慣れているような連れ方をし、貧民地区までの道を歩もうとする。)

ラエルノア > 「あら、ざーんねん。
でもおにーさんが思ってるよりずっと、私と寝るのは高くつくのよ?」

少しも残念とも思ってないことが知れる口調。
どこまでが本当かさえも知れぬようなことまで言い添えて相手の様子を窺い。
文句を言いながらも差し出した手が繋がれると、まるで幼子めいた仕草でその手をぶらんと揺らして見せた。

「めんどくさいことをお願いしてごめんなさーい?
でもそう言いながらしてくれるの、ほんと親切だと思うのよね。
ところでおにーさん、お名前は?
私の名前は、ラエルノアよ。ラエルでも、ノアでも、好きに呼んで?」

黒須 > 「フン、知るかよ…。
娼婦なら、そんぐらいの価値がねぇと意味がないだろうがよ。」

(行動や様子などを見ていれば気付いていた。
この少女は娼婦の一人なのだろうと思い、すでに察していた。)

「勘違いすんな。手を取らねぇで、お前が駄々を捏ねられたらめんどくせぇからやっただけだ…。
…黒須だ。」

(長い髪を掻きながら親切にすることの理由を話す。
明らかに少女をかなり下に見ている言動であり、レディーとしては扱っていないのがわかっていた。)

ラエルノア > 「あら、そ? 価値がある、って認めてくれるのね。
下手なお世辞を言われるよりずっとうれしい」

うふふふー、と笑う顔は素顔に近い分だけ幼くも見えるか。
何だかんだと理屈をつける様にもう一度くすくすと笑って。
繋いだ手を揺らしながらに歩きはじめる。
別にレディーとして扱われようなどとは最初から思ってもいない様子。
けろりとした顔で相手を見上げて。

「じゃあ黒須さん。護衛役、よろしくね。
お代は…、……飴、食べる?」

ポケットを探ってもそれくらいしか出て来なかったから。
包みを、はい、なんて其方に差し出して。
凸凹の二人組は手を繋いだまま、街へと戻る道を辿るのだろう。
道すがら、似たような遣り取りを繰り返しつつに――。

ご案内:「セレネルの海」からラエルノアさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海」から黒須さんが去りました。