2020/07/31 のログ
ご案内:「セレネルの海」にサチさんが現れました。
サチ > ざぱーん、と大きな波が寄せ返す。
午後のキラキラとした目映い陽光を照り返す青い海。
気温が上がった今日は海へ泳ぎに来る者の姿もそこここに見受けられた。
そんな何の心配もなさそうに浮かれた楽し気な海水浴連中に混じって。
可笑しなノリが一つ混ざっていた。
「ひゃはー! おーさーかーなーゲットー!!
ワカメワーカーメー!」
水着にもならずにスカートの裾を膝上できゅっと縛り、袖を腕の付け根まで捲って、背中には大きな籐籠を負ってさっきからせっせと食料調達に励む貧乏人。
「今日はごちそうでーす!」
ガチの漁だった。

サチ > 海藻やら貝やらカニやら、目に付く食べられる海の生物を片っ端から捕獲しまくり。
時々流れ着く産卵後の弱った魚なども捕まえて嬉しそうにはしゃぐ声は、レジャーな連中とは大いに一線を画していた。
「わっひゃ、フジツボびっしりー!
これがまた旨いんですよねー」
ここいらで普通は到底口にしない様な、海藻類やフジツボまでハイテンションで掻っ攫い。
「食べ切れない奴は干してー。保存食ー」
ルンルン能天気に次々と海の幸で籠を満たして行き。
ずっしりと重くなって行く感覚に額に汗しながらも嬉しそうに。
「サザエゲットー!
ハマグリ発見ー!
アサリの軍勢捕捉ー!」
とても一人で採取に来ているだけとは思えないテンションでの歓声が迸っていた。

サチ > 「貝なんか、沢山獲れたら売れるかもですねえ」
非情に上機嫌で海の幸にボルテージはうなぎ登り。
よいせーと籠を背負い直し海岸の端から恥へと獲物を求めて移動する。
近くで海水浴を楽しむ輩が怪訝そうな顔をして見遣るのには、目が合えば屈託なくにこにこと笑い掛けて。
「素晴らしき海ー♪
恵みのうーみー♪
美味しい海ー♪
海っていいなー♪」
ついに可笑しな海賛歌まで口ずさみ始め、とんだ浮かれっぷりを振り撒いていた。
「あぁ、海産物でお背中が重い……。
塩にも困りませんし、本当に助かります……」
シミジミ呟きながら、小さなカニを発見してひょい、と摘まんだが。

サチ > 「イッ…たあぁぁ!!」
サチ > 返り討ちに遭って指をがっちり挟まれてしまい浜辺の片隅で悲鳴が上がった。
サチ > 「っふー……思いっきり挟まれてしまいました……。
いたたたた……」
赤くなった指に息を吹きかけて、カニバサミ恐るべし…と若干目尻を滲ませつつ呟き。
「それにしても大分一杯になりましたねえ……。
大漁大漁」
背負い籠にびっちり満たされた海産物を満足そうに首を捻らせて見遣り。
「さー、どうやって食べましょ。
煮て焼いて蒸して……油は高いから揚げられないのが残念……」
獲りたて新鮮なのだからどうやっても美味しく食べられるだろう。
料理法をあれこれと模索しながら、微かにピチピチ跳ねる魚、かさこそ蠢くカニ、にょろりと身をはみ出させる貝などを雑多に詰め込んだ籠を背負い込んで砂浜から去って行った。

ご案内:「セレネルの海」からサチさんが去りました。