2020/04/19 のログ
ご案内:「セレネルの海 砂浜」にナランさんが現れました。
ナラン > 日もとっぷりと暮れて、欠けた月が中天に昇る頃。
セレネルの海の海岸線のうち砂浜が長く続く場所で、その白い道に黒い影を落として歩く者がひとり。
穏やかな波音に合わせるようにゆっくりと足を運び、ぽつぽつと足跡を残していく。

海から吹き付ける風は緩く春の温かみを含んで、歩く人影―――複雑な刺繍入りの服を纏った女の、背中に垂らした編んだ黒髪を時折浚っては揺らす。
女は歩みを止めないまま月明りを照り返すさざ波の様子を眺めては、さく、さく、と音を立てる足元の砂に時折視線を落とす。
時折波間を海鳥の影が過ぎれば、鳶色の瞳に好奇の光を浮かべてその口元を綻ばせた。

―――深夜の散歩。
昼間余り出歩けない身でもたまに、生活のための狩りでもなく日銭を得るためでもなく、こうして好奇心のために歩く。
海辺は初めて来てみた。
風に乗って海から漂う香りも、靴の下で沈み込む感触も…何もかもが、面白い。

ご案内:「セレネルの海 砂浜」にグライドさんが現れました。