2020/04/09 のログ
ご案内:「セレネルの海 岩場」にオブシダンさんが現れました。
オブシダン > 波が岩にぶつかって砕け散る。
押しては引いて、引いては押して、その度に白く飛び散る飛沫。
ささやかな月影が、その光景を照らす夜。
街から少し離れたセレネルの海の岩場。

漆黒が、ひらひらとそこを舞っていた。
まるで風に誘われる木の葉のように、波が押したときは舞い上がり
波が引いた時は、ゆるりと舞い降りて
ふわり、ふわり――と月の中を揺蕩っていた。
宵闇からその身を切り出すのは、茫洋と翅を身体を彩る黒紫の燐光。
はらり、と消える寸前の火の粉のような鱗粉を散らしながら
夜の闇にも、月の光にも染まらぬように、その蝶は舞っていて。

オブシダン > 一瞬、火の粉が弾けるように波と触れた鱗粉が音を立てた。
ぱちり、という残響が波音に消えた頃には
蝶の姿も何処かへ消えていて――。

ご案内:「セレネルの海 岩場」からオブシダンさんが去りました。