2020/03/22 のログ
ホアジャオ > 足を洗われるくらいの波打ち際に辿りつくと、近くの岩場に靴を放り投げる。
足元を濡らし、周りの砂を攫っていく波は少しだけ冷たくて、少しだけ細い目を更に細める。

しばーらくそうしてくすぐったい様な感覚を味わってから、水平線を見遣る。
空と海が混じる辺りは未だ見分けがつくけれども、もうほとんど藍色に溶けて混じり始めている。
お蔭で誰も居ない光景を独り占めしているわけだが、早々に帰らないと足元が悪くなるだろう。

「……お腹も減ったし…」

潮風を深呼吸すると、吐き出す吐息と言葉と共にぐるると音が鳴る。
ぺったんこの腹をぽんぽん、と宥めるように叩いてから、岩場の靴を拾い上げ、くるんと勢いよく踵を返した。

さくさくと砂を踏みしめて乾いたところまで行ってから、足の砂を乱暴に払って再度靴を履く。
ちょっとざりっとするけれども、問題は無い。殆ど。

最後に海を一瞥。
そうしてからぽんと勢い付けるように一度跳ねて、た、と軽い音が防風林の中、浜辺から遠ざかっていく……

ご案内:「セレネルの海 浜辺」からホアジャオさんが去りました。