2020/03/21 のログ
ご案内:「セレネルの海 浜辺」にホアジャオさんが現れました。
■ホアジャオ > 時刻は日暮れ時。
潮風も緩い今、波間を白い海鳥がのどかに舞い、今日の狩りのダメ押しをしている。
ざぁ、と打ち寄せる波の音の間に、みゃあみゃあと鳴き交わす声。
王都からもほど近い海岸の一角、岩場と砂浜が入り組むそこは漁師などが近づくことも殆どなく、近場の子供などの磯遊びが引けてしまえば、見渡す限りあまり人気のない一帯だ。
暮れなずむ光の中、打ち寄せられた流木や岩礁に押し寄せる波が砕けて散って、また引いていく光景が一種静かに繰り返されている。
そこへ今、防風林を抜けて現れる人影がひとつ。
砂浜へと一歩歩み出すと一瞬足を止めて、靴を脱いで片手にぶら下げる。
人影――――シェンヤンの特徴色濃い顔つきの女は、三つ編みを風に揺らしながら更に波打ち際へと歩みを進めていった。
乾いた砂は歩くにちょっと難儀するし、また後で砂を払うのに苦労すると解っているけど、足指の間まですぶっと埋まる感覚は、毎度少し面白くてつい試してしまう。
実家を飛び出すまで海に馴染みが無かったから、来るたびに潮風もそんな砂の感触も落ちている貝殻も珍しくて、面白い。
――――ましてや王都からずっとここまで駆けて来て、体力も多少消耗していることもあって、何となく(この女にしては)のんびりモードだ。