2020/03/20 のログ
ティアフェル >  こんな大物釣れてテンション上がらない訳がない。
 ハイテンションは総てを制すとばかりに元気な女。もともと冒険者として体力はしっかりあるせいかも知れないが。

「とーぜん。必要ならともかく無駄なことはしないわよ。
 でも別にギャンブルみたいにハマって身を持ち崩すって訳でもないんだから。
 賭場に入り浸ると思えば健全でいんじゃない?」

 高齢者の趣味としても程よいと思われて、別にいいことだろうと小首を傾げた。
 お金は出さないが魚を出す気はあり、要求されれば現物報酬を捧げる所存。

「うん、そう呼んで。ははあ、そこは重要な線引きね。
 あー。本当ねぇ。蒸し焼きもいいし、ムニエルもおいしいだろうな。
 余ったら酢漬けにして……。
 そうそう、スープ、アクアパッツァにもできるなあ……お腹減ってくる」

 考えれば急に食欲が刺激されて新鮮でおいしい内に早く料理して食べたい気にもなる。
 海に内臓が投げ込まれれば、あー。と声を上げ。 

「あー。白子はおいといて欲しかったぁ……。
 分かんないじゃない。もしあなたに頼むのやーめよってなったらなくなるよ。
 薪割りは良くて漁師はヤなの? まあ、釣れなきゃ食いっぱぐれちゃうしね」

 そして、〆た魚を糸で吊るして差し出されて、全部くれると云われて目を軽く瞬いて魚と彼の顔を交互に眺め。

「いいの? ありがとう!
 ――それじゃ、これから下宿先で料理するから良かったら食べてく?」

 嬉しそうに受け取っては、ずしっと手にかかる魚の重量に「重いぞ」とにやにやしながら呟いた。
 そして、一応誘ってみた。これだけあれば数人がお腹一杯食べても余るかも知れない。
 まあ、都合もあるだろうからご自由に、だが。くれぐれも現物以上のお礼はしない。

カーレル > ギャンブルを引き合いに出されればしばし思案顔

「賭け事も釣りも大差ないと思うけどね…俺なんかは
 そもそも、釣りだって賭けみたいな所あるだろ…釣れるか、釣れないかは海の機嫌1つだろうし…
 釣り場に入り浸るってのも、健全とは言えないような気がするけどなあ…」

確かに大海原を眺めながら釣り糸を垂れる、というのは彼女の言う通り健全な気もする
かと言って、毎日、毎日、釣れるんだか釣れないんだかで釣り糸を垂れるのもどうかと思う
なんとも言えない表情を浮かべて、そうかねえ、と自分も首を傾げてしまう

重要な線引き、と言われればこっくりと頷いて
まだ捕まりたくねえからなあ、と短く言葉を返す…恨みを買った上に牢屋に打ち込まれるのだけはゴメンである
内臓を海に手放せば、彼女ががっかりするような声を上げるので、ハッとしたが時すでに遅い
海中をよくよく見れば投げ捨てた臓腑に小魚が群がっている

「…ま、まあ…あれだ、海にお裾分けって事で…次に釣れる魚の栄養になると思えば…
 いやいや、汚い仕事は誰かに頼みたいって奴は大勢いるからな…
 人の営みが続く限り、俺みたいのは食いっぱぐれんよ…やーめよって思われないようにするのも仕事の内」

処理を施した魚を引き渡せば緑柱石の瞳が二度、三度と瞬き此方と魚を見比べる
なんだろう、と自分の顔に触れつつ首を傾げてしまう。言っておくが魚には似ていないほうだと思う

「…マジで?んじゃ、食べてく
 言っとくけど、俺、何も手伝わないよ?面倒くさいし…まあ、皿並べるくらいはすっけどさ」

重いぞ、と呟く彼女に「重かろう」と短く返す
せっかく誘われたのでその誘いに乗っかっていく…グルメを極めた身であるが、
タダ飯、というのは美味い…その響きだけで美味い
せっかく、新鮮な魚である。そこいらで酒でも買っていっても良いかも知れない

「そんじゃ、下宿まで物持ち位するわ…魚持つから竿とバケツ頼むわ」

全部を持つわけではないらしい
そんな風に告げて彼女から魚をひょい、と取り上げれば先んじて歩きはじめた
さて、この辺りに酒屋はあったろうか―――

ティアフェル > 「だけどさ、負けてすかんぴんになったりしないじゃない?
 釣れなくてもせいぜい今夜のおかずがないだけよ。
 時間は浪費するけどね」

 少なくとも財布が痛まない。その差はでかい。
 そして、自分は釣りはたまに楽しめれば良い物と感じた。故に何も問題はなかった。
 他のじいさんが躍起になって毎日釣りバカしてたところで関係ない。
 あと釣りバカは犯罪でもない。
 
 やっていいこと悪いことの最低限の区別がつくならそれは優秀な何でも屋なのかも知れないと感じた。
 人殺しまでやってしまえば何でも屋というか、ただの始末屋だ。
 捨てられてしまった内臓はちょっと惜しそうな顔をしたがしょうがない。
 確かにあまり食べる人は少ない部位なのだから少し肩を落としたが。おいしい身がたっぷり残っているので気を取り直し。

「そーね……先に云っとかなかったわたしも悪い…。普通は食べないもんね……。
 じゃ、食いっぱぐれなくってもヨゴレ仕事ばっかりになっちゃうかもしれないのね」

 少々茶化すようにそんなことをのたまって肩を揺らし。
 魚を持ち帰りやすいようにして全部くれたのが意外だったのに。明後日な思い違いをして顔を振れている所作に察して笑い。

「うん、口に合うか分かんないけど…ま、魚が新鮮だからどうにでもなるっしょ。
 別に手伝いなんていーわよ。勝手が分からない人にうろうろされるよりは座っててもらった方がいいし」

 あっさりと誘いに乗る様子に、よし、じゃあ決まり。とさっぱりしたような笑顔を浮かべて、渡された魚は再びその手に持たれて。代わりにバケツの水を棄て釣り道具を持って歩き出す。

 王都の冒険者ギルドに近い場所にある下宿まで行く途中、酒屋には何軒か出くわすことだろう。
 どうやって料理しようか相談しながら潮騒の響く海辺を後にして――。

ご案内:「セレネルの海」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海」からカーレルさんが去りました。