2019/09/25 のログ
ご案内:「セレネルの海」にオリヴィエさんが現れました。
■オリヴィエ > 少し離れた高台に宿場の明かりが見える。
人けの無い浜辺を歩く少年の姿は、服装の所為で夜闇に溶け込んでしまいそうだった。
「やれやれだなあ、宿が満室だなんてさ」
バカンスの季節だからか、どこかの富豪が宿場で宴を開いているらしい。
立ち寄った際に時々利用している宿が、今日は満席だった。
暫くしたら空き部屋が出るかもしれないから、そこいらで時間を潰してきてくれ、
と店主に言われ、こうしてぶらぶらしている。
空き部屋が出るかも……かもという部分が不吉だったが仕方ない。
宿場界隈には普段見かけない富裕層が練り歩いていて、居心地が悪いというのもある。
オリヴィエ > ……と、視界の端にきらりと光る物を捉える。
■オリヴィエ > 「ん──」
光ものに弱い少年、流石に期待があってではないが、そちらに軌道修正。
昼間の熱が残る砂を踏んで向かった先で、足を止め、
「……これは、なんて言ったっけ。ええっと、そう、ボトルメール?」
中に折り畳んだ紙片が確認できる、ラベルを剥がした空き瓶。
洒落た事をする奴もいたもんだねえ、と呟き、つま先で砂を掘り……
ボトルメールをそこに落とすと、砂をかけ直す。
「よし」
ごく自然に、何処の誰とも知らない相手に嫌がらせをして、再び歩き出し。
■オリヴィエ > そんなこんなで暇を潰し、今度こそ宿の方に戻る。
宿は丁度今新たな客を迎えたところで、愕然とした顔になった少年は、
潮風の当らない物陰でごろんと横になってふて寝するのだった…
ご案内:「セレネルの海」からオリヴィエさんが去りました。