2019/08/07 のログ
ご案内:「セレネルの海」にパンドラスムーさんが現れました。
■パンドラスムー > 眩い太陽の輝きの無い夜の世界
底知れぬ暗黒に染め上げられたセレネルの海
その海にたゆたうのは1匹の或いは無数の海水の色にすら擬態した軟体生物に非常に良く似たモンスター。
それは海の遠方より白い砂浜に潮の流れに身をゆだねて、一匹、また1匹と砂浜に打ち上げられていく、のではあるが遠い海より彷徨いついたわけではなく、砂浜の近くにある海底迷宮より浮上してきただけであった。
彼らは産卵の時期、発情期でもあるがその時期になると無名遺跡や海底迷宮より外へと這いずりだして、交尾相手を見つけて、それが彼らの子をもしくは交尾相手に近しい姿をした子を産ませ、増えて世界に満ち広がっていくのだ。
セレネルの海、その海岸線は広い。
多数のモンスターがパンドラスムーが打ち上げられても、獲物を取り合い奪い合うことが少なくて済む、が故に彼らは好んで海底迷宮に引き篭もるでもなく、海底迷宮と地上を繋ぐ迷宮でもなく、こうやって海底迷宮より海へと這いずりだして、望んで砂浜に打ち上げられるのだ。
闇に染まる海色の軟体の身体、それは白い砂浜に上がると足先より白く砂粒を模した模様を表皮に浮べ、白い砂浜にすら擬態を遂げる。
1匹のパンドラスムーはそうやって身体を周囲に風景に紛れ込ませながら、白い砂浜を獲物を求めて這いずり進む。
砂浜に彼が這いずる跡は残るがそれは潮が掻き消してくれるだろう、ずり、ずるり、ずり、ずり……とそれは獲物を求めて活動を始めるのだった。