2019/07/21 のログ
ご案内:「セレネルの海」にゼルベッダさんが現れました。
ゼルベッダ > あまり海には縁が無い場所で生活していた事もあり、人里で耳にした海というものに興味を惹かれ、街道を彷徨った末に辿り着いたセレネルの海、その白い砂浜で今夜は1人散策をしている。

鼻につく潮風という何とも独特の香りに眉間に皺を少しだけ寄せて、海から踏み込む強い風に着込んでいる穴あきローブを剥がされそうになるのを胸元を掴んで抑えながら、一歩、二歩、と砂を踏みしめる奇妙な感触を味わう。

これが元の姿だったら危ない危ない。
自慢の体毛に白い砂は絡み、潮風でべたべたになり、更に夜とは言え蒸し暑い大気に不愉快と言うレベルじゃなかっただろう、なので人型でよかったと思うし、あの日拾ったボロボロのローブを着ていて良かったとも思う。

で、人に寄ると此処で人間たちは泳ぐらしい。

泳ぐらしいのだが、こんな暗い場所でよく泳ぐ気になるナァ?と思わなくもなく、視線をじーっと吸い込まれるほどにくらい海のほうへと向けながら、足取りがやや重たいままで。

「……塩辛イッテ……。」

ポツリと零した言葉もまた人から聞いた言葉である。
真っ暗な海、塩辛い?大変よくわからない。
塩っぽい?辛い?いやでも舐める気にもならないし……。

ゼルベッダ > 時間帯は夜。
人々の喧騒の代わりに耳に聞える潮騒の音。
自慢の嗅覚も潮の香りでほぼほぼ利かない。

人差し指で鼻先をゴシゴシと擦って、何とか嗅覚だけでもと思うけど、擦れば擦るほど鼻先がくにと歪み、やればやるほどに鼻通りが良くなって、余計に潮の香りで鼻の調子悪く。

「………誰も泳イデナイシ……。」

常識、その辺りは人よりもモンスターに近い、寧ろモンスターなので機微もわからなければ、人が当たり前と思っていることもわからない、ほら夜だけど暑いし、誰か泳いでいないかな?と思っていたことも少しあって、人の気配を人の姿を探してサックサックサックと砂浜を彷徨い続ける。

まあなれてしまうと、潮騒の音も悪くない
潮の香りはダメだけど、潮風の感触は以外に悪いものではなかった。

だから、口元がにへらっと弛んで笑みを浮べてしまうのだった。

ゼルベッダ > 暫くは気が向いたか砂浜を歩き回っていたが、そのうち眠くは無いが暇を持余し始め、仕方無しに帰路につくことにする。

ザックザックと砂を踏みしめる感触を楽しみながら、闇の中へと消えていくのであった。

ご案内:「セレネルの海」からゼルベッダさんが去りました。