2019/06/24 のログ
■ガリア > (――ほんの僅かばかり、"突然の乱入者"へと視線を向ける
其れは、他の連中に対する油断や慢心ではなく、勘のような物だ。
最も注視して置くべき相手、と言う物を本能的に判断する術は
其れなりの修羅場を潜る事で身につけて来た物でも在る。)
「―――そうかよ、関係者って感じじゃあネェな。
オイ、折角なんだからもう少し遊ばせろってーの。
……それとも、こいつ等よりも骨が在るって、そう言いたい訳?」
(――一応、正確に言えば遊んでいる、と言う訳でもないのだが。
一々其れを説明する方が面倒な立場ゆえに、口にはしない。
そんな中、自分たちを無視して会話を始めた男女に、苛立った男のひとりが
手近だった女の方へ殴りかかろうとした、が。
其の拳が女の顔面を捉えるよりも早く、指が解け、膝が折れ
糸が切れた操り人形めいて砂浜へと崩れ落ちるなら
ぴゅう、と、感心するかに口笛が鳴らされて――)
「―――良いぜ、予定変更だァ。 ほら、お前らは寝てろ。」
(――呆気に取られていた残りの男、二人。
其の頭が、それぞれ片方の掌で鷲掴みにされた後
ごぉん、と釣鐘めいて互いに打ち付けられたなら、其の侭昏倒するだろう
そうして、最後に残ったのは女一人。 これで良いか?何て問うかに首を傾げながら
女へと改めて向き直り―――構えを、取った)。
■ホアジャオ > 「太好了(わーい)!」
残った男たちが倒れ伏して、更に喧嘩の了承と取れる言葉。
一撃でくずおれた男を足元に、ぴょんと飛び上がって歓喜の声。
拍子に舞いあがった砂は、ばさぁと倒れている男の上に降りかかる。
両手を腰に当てて、足首をぷらぷらさせて。
構えを――『待ち』の姿勢を取った男ににまぁと笑いかけて。
「――アタシ、『ホアジャオ』ッてェの…
いちお、伸びちまう前に言っとくね、ッ!」
どちらが伸びることになるのか。
言葉の終わりには ぱん、と音立てて砂が舞い上がる。
ふ、と海からではない正面からの風が男に一瞬感じられたその瞬きのあと
目前に現れた低く構えた女が、伸びあがる様にその顎目掛けて放った右の掌底は、空を切るか獲物を捕らえるか――
■ガリア > (其の言葉の多くを聞き取れる訳ではない。
だが、此処最近王都へと押し寄せている大陸の波に触れる機会は多く
少なくとも其れが、"あちら側"の言葉であるとは理解できる。
客人か、其れとも旅人か。 其の辺りは今一判断しかねる物の。
――面倒事としては、大したものじゃない。)
「そうかい、んじゃ、気が向いたら名乗ってやるぜ。
知りたきゃ、一発でも当てて見やがれ……ッ!?」
(戯言めいた言葉の交わしあい。
敢えて挑発を口にしては、来い、と誘う側に回るが。
――舞い上がる砂、一瞬で詰められる距離。
――疾い、そう認識するよりも先に、反射神経で上体を反らし
顎への一撃を紙一重で回避しては)
「(――――あっぶねぇ…!)」
(冷や汗と共に、浮かべる笑みは――心底、愉快気な。
瞬間、適うなら伸びた相手の片腕を掴み、身体を転じて背中に背負い
其の侭投げ飛ばそうとする、が――)。
■ホアジャオ > 「!哎呀(わあ)!?」
打ち上げた掌、体重を載せたそれが躱されればその勢いのまま、伸びきった腕は呆気なく掴まるだろう。
背負って投げるその力。
逆らうでもなくそのまま体重を預けて飛ばされれば、ころりと受け身を取ってそのまま立ち上がった。
「干得好(上出来)……次ッ!」
砂だらけの顔。
頓着するでもぬぐうでもなくにまぁと笑って
果たしてまたぱん、と砂が舞い上がる。
今度は脇をすり抜けると同時ぐ、と片足を踏みしめて
勢いのまま身を低くして捻られる蹴りが、男の膝裏目掛けて繰り出される!
飛び上がるか、前に飛ぶか――女の眼は好奇の色を浮かべて男の動きを追う
■ガリア > (適うなら其の侭、砂地にでも叩き付けてやりたかった所だが
敢えて放り投げたのは、未知の相手、足技を警戒しての事。
案の定、事もなく受身で勢いを殺して立ち上がる姿を見れば
今度は先刻よりも少々低く構えて対峙する。)
「何いってっか判んネェ、な…ッ!」
(時々挟まる向こうの言葉、貶されているのか何なのか判らずに。
けれど、其の辺りは所詮口だけだ、今はあくまで、次の攻撃への対処が先
再び地を蹴る気配、相手の疾さでは、間合いなんて有って無い様な物。
直線で再び突っ込んで来るかと言う予測とは裏腹、次の踏み込みが横に其れ
足元目掛けての水面蹴りに、やべ、と一瞬舌打ちした。
避けるには飛ぶしかない、だが、前に飛ぼうが後ろに飛ぼうが
飛んだ時点で恐らくは、次の一撃が待ち構える筈だ
ならば、と、せめて僅かでも対処を楽にすべく、「前へと」飛んでは
せめて、背後だけは女へと向けぬようにと、空中で身体を捻るだろう。
着地が先なら、まだやりようは増えるが――)
■ホアジャオ > 「――哈(あは)!」
前だ。
思うよりも早く、軸足にしていた足を蹴って女が追いかけるように前に跳ぶ。
蹴った脚の回転はそのまま
上体のばねをその勢いに乗せるようにして、男の頭の横、蟀谷を狙った裏拳打ちが弾きだされる!
身体を捻った男には、正面からその撃は捉えられるだろうが――
宙に跳んだ身体、その身でどのくらいの身のこなしを見せてくれるだろう?
女の眼はまだまだ、好奇の色を載せたままだ
■ガリア > (真上に飛んだのでは、移動する手間もなく迎撃されるし
何よりも体制的に対処が厄介でしかない。
僅かでも余裕を作る為に前へと飛んだ訳だが――女の追走も早い
殆ど間を置かず、一足飛びめいて跳ねるなら、自分の着地は間に合わない
蹴りの回転を一切殺さないまま、駒の様に繰り出される裏拳に
一瞬、ふぅ、と微かに、間合いを計るように呼気を吐き。)
「―――――ッらァ…!」
(――腕を、顔横で十字に交差させるようにして、拳を受ける。
裏拳の衝撃を、空中であるが故に、殆ど其の侭受け止めながら
脳髄を揺らされる事だけを避けては――衝撃で、ぐらりと崩れる体制を
女の振るわれた片腕を、抱え込み、引き寄せて無理やり堪え。)
「―――幾ら疾くても、止めちまえば良い、ってナァ。」
(――其の侭、片足を、女の肩から首裏へ掛けて巻きつかせる
腕を引き、己が体重ごと引き込みながら、巻きつかせた足を、もう片方の足でロックし
――三角締め、等と俗に称される技で、女を捕えようとするだろう。
仕掛けの技術は洗練されている、だが、唯一問題が在るとすれば
この姿では、人間の雄にしては、比較的軽量で在ると言う事、か)。
■ホアジャオ > (!我的天呢(あれまあ)…!)
しまった
掴まえられるのは一番避けたい事態だったのに!
どすん!
と砂浜に身体が落ちる。
身を引きはがそうと策を練る前に、方から首へと回される男の脚。
間髪おかず、ぐ、と締まってくる…!
苦しいし、重い。
絡みついた足を両手で引っ掻く。
じたばた足掻く――
「ンぐぐ………ッ、ちょッ、と……
放してよ!」
と
だん!と両足を蹴りあげてぐるんと身を無理やり翻す。
裏表、体勢の入れ替わる瞬間
男の脚が僅かでも隙を作れば、すぽんと抜け出てそのままごろごろと転がって距離を取ろう――
■ガリア > (一度締め上げが完成して仕舞えば、早々外す事は難しい
組み技や寝技への対処を相手が心得ているか、否かだが
放してよ、との一言には、締め上げながらに、思わず哂い。)
「言われて放す奴が何処に居ンだよ…!」
(逆に、締め上げる力を強めようとした所で
相手が強引に体勢を入れ替えるなら、確かに其の瞬間、僅かな隙間が生まれるだろう
縄抜けみたいに其の瞬間、女が拘束から抜け出して距離を取るなら
己もまた砂の上で跳ね上がり、地面を脚で踏みしめて。)
「―――おかわりだ、ぜッ!!」
(――瞬間、跳ねた。
砂が舞い上がり、まるで獣が狩りをする刹那の如くに、女へと距離を詰めれば
転がり、まだ体勢整わぬ女へと、其の咽喉元を片掌で掴み
砂地の上、相手の上に、馬乗りになるよう組み敷こうとするだろう
それが適うか否か、だが――もし、適うならば、もう片方の腕が、拳が
軽く女の腹へと押し当てられる筈だ。 ――寸勁、いつでも、打ち抜けるぞと言わんばかりに)。
■ホアジャオ > (我做到了(やった)……!)
首尾よく抜け出して、内心ほっとしながらぽんと立ち上がろうとする身体、その目の前に
飛び掛かってくる――否、覆いかぶさってくるような影。
間髪置かず喉元への再度の締め上げと、のしかかってくる気配。
その、首への力が入りきり、男の体重が乗り切ってしまう、前
「―――ェアッ!」
締め上げに使われる腕の内肘へ、ひゅと、と片腕を鞭のようにしならせた手刀を叩きこむ!
同時、上体は合わせるように肩から捻りを入れる。
腹に当てられようとしていた拳。
見事決まれば、男の身体ごと横へと逸らされるはず―――
■ガリア > 「今のは判ったぜ、安心しただろ、テメェ。」
(言葉はわかっちゃいない、が、安堵は感じ取れた。
先刻、女にされた事への意趣返し、間を置かぬ追撃
其の首を捕え、地面へ押し倒す事までは適った
後は、もし女が其れで諦めるなら、ちょいと脅して終わらせてやろうと思った、のだが。
――腕へと、入る手刀。
反射で逆関節に叩き込まれる事だけは避けたが
咽喉を捕える指の力は極度に弱まるだろう。
そして放たれる蹴りを肩に受け、腹に当てようとした拳は逸らされて。)
「――――――んにゃろう…! 上等じゃネェか!」
(――思い直した。
勝つか負けるか、本当の意味で「決着」を女が望むなら
負けを認めろ、何て甘やかしが通用する筈も無かったと。
砂地へと、逸らされた拳が一度浅く埋まれば
再び引き上げられた拳が、柔く開かれ、掌底の形を取る。
其の侭、充分な体勢とは言えないまでも、一撃が届く腹か、下腹か、其の辺り目掛け
今度は脅しではない、力の乗った掌底を叩き込もう、と)。
■ホアジャオ > 一瞬気を抜いてた。確かに。
返答の代わり、べっ、と一瞬舌を出して見せる。
喉元は、緩まったとはいえ抑えられたまま。
―――だとすると。
細い目の視界の端で、男の手が掌底を形作るのを捕らえる。
女の顔は――――目の端を桜色に染めたまま、にい、と笑って
「…アタシね、往生際も悪いケド――」
唯一自由な両足、それを揃えてすい、と持ち上げて
「――足癖も悪いンだよ!」
だん!と膝を曲げてブリッジをするように打ち落とす!
同時にばね仕掛けのように女の腰から肩までが反らされ、男の体制は前のめりに崩れるだろう。
もしそのまま前に崩れてくるのであれば―――
「でやァッ!!」
その先をあまり考えていなかった女の、渾身の頭突きが迫る!
■ガリア > (今度は、間違い無く相手を無力化させる為の
相手にダメージを与える為の一撃だ
喧嘩ごっこ、ではなく、喧嘩である事を認めたかの様に
躊躇無く其れは振り下ろされるだろう。
だが――女が其れで諦めるとは思っても居ない
最後の最後まで足掻く類だと、薄々感じてはいるのだ。
だから、笑って見せた女の言葉には――そうだろうナァ、なんて
思わず納得してしまったくらい、なのだけれど。)
「――――ッ、性質悪ィ典型じゃネェか!」
(こんにゃろ、と、言うも、体勢が崩れれば、己が一撃は僅かに掠める程度だろう
代わりに女の目論見どおり、ぐらりとブリッジに沿って上半身が前に倒れ
そして――迫る、女の顔、と言うか、頭。
マジかよ、と内心思ったか、思わなかったか位の一瞬
きっと、ちょうど余り変わらない体格差ゆえに、相手の額と己が額が
まともに正面衝突する羽目となって、強烈に鈍い音が響き
ぐらりと、上体が浮いた。 後ろへと、ぐらり、反動で傾きながら
僅かに、鮮血が飛沫き――)
「――――足じゃ、ねぇだろォが…!」
(――腹筋に、力が篭った。
其の侭後ろに倒れれば、間違い無く己が負けである。
其れは別に良い、所詮喧嘩だ、殺し合いじゃない、そう言う事も在るだろう。
―――いや、良くない、全然良くない、負けるのは大ッ嫌いだ。
故に、一瞬遠くなった意識を、負けん気だけで繋ぎ止めては。
今度は、お返しとばかりに此方が渾身の頭突きをぶちかまそうとするか。
最早自分が痛むとか、もし当たったとしても、衝撃で自分もダメージが半端無いとか
多分、そう言う細かい事を一切考えずに――意地で)。
■ホアジャオ > 「へッへえ……えェ!?」
ぐらり、目論見通り揺らぐ相手の身体。
自分だっておでこがひりひりするが、『当てる用』に鍛えた(――と思い込んでいる)場所だ。
どうってことはない。
とまた紅い唇がうっすら笑ったところ。
次の瞬きには男のそれが迫ってきているのを捉えて
「!?!ッ上等じゃァないの!」
瞬時に切り替え
と言うより最早反射。
こちらも再度の頭突きで迎え撃って――――
ごちん!!
「ッ!!ふンんぐ………」
目から火花。超新星一回くらい爆発したのではなかろうか。
くわんくわんと回って響く頭の中。
目は涙目で、同じく悶絶しているだろう(と思う)男を睨んでいるが、もはや勘だけだ。
「――――…」
紅い唇が、多分悪態を紡いでから。
ようやくぱた、と大の字にひっくり返った。
それでもその口元がなんとなくにやけているのが、何とも不気味。
■ガリア > (頭突きを鍛える、と言うのが如何言う訓練かは判らないが
実際額は、非常に硬く頑丈な部位だ(少なくとも頭では)
武術を修めて居れば、其れこそ額で拳を受ける技術なんかもあったりするのだし
――まぁ、とは言え、だ。
其の、最も頑丈な部位と、頑丈な部位が衝突したら
如何足掻いたって無傷で済む筈が無い訳で。
お互いに振り被った分、先刻一回目よりも更に強烈な衝突音が響き
目の前に、文字通り星が回った、様な気がする。)
「――――――……」
(多分――多分、同じ様に悪態か、或いは挑発めいた言葉を発した筈だが
正直判然としないので確証はないし、多分相手の声も半分以上聞こえてない
幾度か、後ろか前か、ふらりふらりと上半身が彷徨った挙句に
女の上へと折り重なるみたいにしてばったり倒れ込んでは、暫く沈没した事だろう。
女にとっては少々重たいやもだが、幸い下が砂地だから、まだマシかも知れず
そうして、きっと、どちらかが目を覚ますか、或いは誰かに見つかるまでは
少々、或いは色々と誤解を生みそうな混沌(カオス)のままで――)
「――――よくねぇ…。」
(――いや、色々と不味い。
故に、多分暫くしたら目を覚ます筈だ。
砂浜に転がっている連中と一緒にオネンネはアレだし)。
ご案内:「セレネルの海 海岸/岩場」からホアジャオさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海 海岸/岩場」からガリアさんが去りました。