2019/03/03 のログ
ホアジャオ > 岩場へ片足を掛けると、その感触を確かめる様にとんとんと足を踏み鳴らす。しかとした存在を返してくるそれにもまた笑って奇岩の連なりをするすると登っていく。

進んでいくと、そのまま崖へと連なるかと見えた岩場がその手前で海中に一度没している。岩場の内に抉れるような形となっていて、そこには巨大な流木が微かに浮き沈みを繰り返していた。

「へえ……」

木は根こそぎ倒されて何処からか流れ着いた様子で、すっかり洗われた根を海中から覗かせている。

ホアジャオ > 奇岩の岩場少し滑り降りる様に流木の傍へ寄る。しばらく揺られるそれを眺めてから、白い木肌を晒している巨大な幹にそおっと片足を掛けた。そのまま力を入れてみるけれども…ちょっとやそっとの力では揺らぐことは無さそうだった。

(大丈夫そう…)

確かめればぽんと飛び乗ってみる。案の定、流木は相変わらずのリズムで浮き沈みを繰り返して…女の身体もゆら、と揺れる…何とも心地良い揺れで、上機嫌に笑うとそのまましゃがみ込んで水面を覗き込んだ。

ホアジャオ > 水面は波で泡立って底は見えない。ただくるくると渦を巻くそれが面白くて暫く眺めて……ふと、ひゅうーと冷たい海風が吹き込んだ。

「有点冷(さむ)……」

首を竦めて両腕を抱くと立ち上がる。崖の方を一瞥するが…

「…楽しみは今度に取っとこ」

自分に言い聞かせるように呟きを漏らすと、元来た道を引きかえすように岩場を昇っていく。
砂浜まで戻ると、草地へ上がる前にざらつく靴の中をとんとんと逆さにしてはたいて、砂を落とす。

(もうちょッとあったかくなったら、裸足が気持ちよさそ…)

上機嫌に靴を履きなおすと、草地を登って街の方へと姿を消した

ご案内:「セレネルの海 海岸」からホアジャオさんが去りました。