2018/12/09 のログ
ご案内:「セレネルの海」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > ざっぱぁぁぁぁん…と、無駄に大きな波音。
冬の海は荒々しく、空は曇天。
セレネルの波濤がうなれば、霧のような水しぶき。
はっきり言えば帰りたい。寒いことこの上ない。
だが、依頼なのだ。

くそったれバカ貴族が『なんか海の釣れたての魚が食べたいなぁ』なんてアホ面でのたまったとしても
依頼は依頼なのだ。ふざっけんなくそったれと、顔面に拳を突き刺すのはとても簡単なのだが…

「金払いがいいってとこは評価できるな…」

しかし、これでどこで釣りをしろというのだろうか。
こんなところで釣りをしよう者なら全身濡れ鼠。
いくら厚着をしていても関係ない。絶対に風邪をひく。

ブレイド > いっそ小舟でも持ってきて少し沖に……。
NO、確実に死ぬ。

海水って結構暖かいって聞くし、潜ってダイレクトアタックすればいいのでは…。
そういう問題ではない。
だいたい聞いたはなしは聞いたはなしってだけで、実際うける波しぶきすら冷たいのだ。
十中八九死ぬ。

むしろ、なんでこんなに荒ぶっているのだ。今日の海は。
いつもこんなじゃないだろう。

「だからこそかもしれねぇけどさぁ…」

諦めて釣るしかないのか。濡れ鼠で…。

ブレイド > 一応防寒の備えはしてきたが…この荒々しく猛る海の前に
どれほど効果があるものか。
というか、現状ですらかなり寒い。
歯の根が合わないわけではないが、むしろぐっと食いしばっていなければならない。

「(くそったれぇ…)」

男は度胸。誰かが言った。
だが、これは度胸とかそういうものではない。
むしろ、バカまつりに巻き込まれたのだ。
バカになれということだ…なんてこった。

「(バカは風邪引かねぇんだっけ…)」

なるほど、ならばいけるかもしれない。

ブレイド > 一瞬嗜好がバカに傾いたが、結局やらなければならないことにはかわりはない。
もうイケるってことにして、釣りをしてしまえ。
釣れちまえば文句ねーんだ、やってやろうじゃねーかと、半ばヤケになりつつ
釣り針を投げる…が…

「だおっ!?」

風と波に煽られ、釣り針が飛んで戻ってきた。
顔面めがけて。

すんでのところで躱すも、波しぶきまではかわせず、当然びしょ濡れ。
その上、釣り竿と釣り糸と釣り針とバカ踊り。
人に見られたら恥ずかいいどころか、正気を疑われるに違いない。

ブレイド > だが考えてみれば、こんなところに人がいるわけはない。
冬の荒れた海に来るようなばかものなど
むしろ自分以外にいてたまるか。

「ちっくしょー!ふざっけんなばっきゃろー!!」

人がいないとわかればとたんに大声で悪態をつく。
それも波の音が大きくてほとんどかき消されているが。
海のバカヤローとは言わない。
海は何も悪くない。
悪いのはバカな貴族とそのバカの依頼を受けたバカだ。