2018/10/18 のログ
紅月 > 空には上弦が煌々と、揺らめく水面の陰影を映し出し。
女が足を浸す波間は薄く光を放ち、海水のあちこちで明滅しながら色彩を変えて…現実離れしたその光景の不可思議さに拍車をかけていた。

ふ、と…夜の静寂に溶けるように旋律が止まる。
ふるふると睫毛が揺れて、ゆるりと開かれた瞳は…紫。

「……、…ふぅ。
…今宵も、いい取引が出来た。
何作ろうかなぁ…ネックレス、サークレット、それともイヤリング?」

するりと竪琴を撫でながら見上げる、星空。
スッと眼を細め、口許には微笑みを。

紅月 > 今日はこの入り江にて、近海に棲む人魚達とちょっとしたお茶会をしていた。
お茶会と言っても…その中身はマーマンの愚痴だったり、恋の話だったり、陸で起こっているアレコレだったり。
はたまた、事前に依頼されて作っていた人魚達を飾るに相応しいアクセサリーを海の恵みと物々交換したり。
つまりはただの"女子トーク"というヤツである。

…が、これがなかなかバカに出来ない。

珊瑚や白蝶貝、真珠まで…人魚にとっては見慣れた物でも、陸の生き物にとっては貴重な御宝。
相手はそれらをポンポンと気前よく支払いに出してくるのだから、此方の製作意欲も増すというもの。

報酬を受けとり、嬉々として帰っていく人魚達を見送り…すっかり静かになった入り江にて、彼女らの笑顔を思い返しながらゆったりと過ごすのは毎度の事で。
また、うっかり遅くまでのんびりしてしまうのも"いつもの事"になりつつあった。

紅月 > また暫し、漣と共に歌を奏で…
月が海へと帰る頃には紅も姿を消していたとか。

ご案内:「セレネルの海/小さな入り江」から紅月さんが去りました。