2018/10/07 のログ
ご案内:「セレネルの海」からアイディールさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海」にサナさんが現れました。
サナ > 川の水が海へと合流する穏やかな地点
小石が敷き詰められた地は次第に砂に浸食されて数の優劣が入れ替わる。
灯台へ続く細い道と、堤防の一端に挟まれた小さな砂浜。

波に削られ角を丸めた岩肌に服を掛け、其処から少し離れた海の中。
秋の入口とは思えない程上がる気温に負けて、とぷんと頭の先まで海の中。
然程息は続かずに、水面に顔を出す。

膝を立てると、水面に雫がぱたぱたと零れて元の海に戻り。
鎖骨から伝い落ちた雫が乳房の稜線を伝って、朱に染まる先から滴り落ちる。
慰撫に似た感覚にふる、と肩を震わせて、もう少し深みへと身を翻す。

ご案内:「セレネルの海」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > サクサクと砂はゆく足音。
釣り竿と桶をもった少年はどう見ても釣り人の様相。
フード付きマントが少しばかり怪しいが、釣り人だと言い張る。
太陽は苦手になったが、曇っていればいくらかマシと気分転換に釣りに来た。

「この辺…灯台なんてあったのか…」

傍の灯台を見上げつつも、今度は海の方へと視線を向ける。
なにか見えたような。
魚、にしては大きいか?海獣の類い、だろうか?
岩陰の衣類に気づけばすぐに判断できたであろうが、すぐに海へと消えてしまった影に判断がつかない。

「なんかいんのかね…」

サナ > なだらかに底を深める砂は柔らかく、足の裏を裂く硝子が埋まるでも無いのは、屹度ここに訪れる人等が大切にしている証左なのだろう。―――単に誰も立ち寄らないだけかもしれない、けれど。


穏やかな波の音だけが繰り返される中の異物、の、ふたつめ。
微かな物音を聞いた気がして、其の侭振り返る。

布を持つでも無く、手指は波の中遊ばせて。普段はフードに押し込めた銀糸の髪が、肩先から胸元へ薄い覆いを作るものの、隠すにしてはいまいち頼りの無い有様。

薄い腹の下、腰から先は浸かりきっているのはせめても、か。

くすんだ海空とは言え逆光にあてられ、緩く首を傾げて目を眇める。
良く見えない。

「―――………」

不意に強い風が吹く、と。
岩陰に置いただけの服がばさりと翻り、少年の頭―――或いは顔面目掛けて飛んでいく。

ブレイド > 「ん、なんか…」

よくよく見れば、人影に見える。
しかし、海に浸かるには時期がよろしくない気も…
などと考えていると、不意の強風。
吹き付ける風の勢いに目を細めていると…

「ぷわ!?」

顔面になにか張り付いた。
意識の外からの完全な不意打ち。
手に持っていたものを取り落とし、慌てたようにもがく。

サナ > 何、だろう。
芒洋と目の前の塊を眺め合う。
互いに動きが無いものだから、判然としていなかったが

「…………ぁ。」

自分がそこらに置いた布で、お化けシーツみたいになった姿と声に、人だ、と漸く思いつくものの。
もがもがと、溺れるように蠢いているものだから、少しだけ悪いことをしたような気になった。

緩々と波を分けて砂地に戻り、白い指先をその布へと伸ばす。
取ろうとするのだけれど、仕草はとてもゆっくりとしたものだから、相手が退けるのとどちらが早いかは分からない。

手指の、腕から。海水の、意外に温い水が滴り、乾いた砂地やもしかすると相手の服へと。染み込んでいく。

ブレイド > なんだ?なんなんだ?
突然に奪われた視界に、少しの息苦しさ。
なんだかいい香りがするが、体にまとわりつく束縛感からついついもがいてしまう。

「ちっくしょ…なんだよ、これ…」

ひとまず落ち着こうと動きを止めた矢先、何やら近づく砂を踏む音。
気持ち顔を上げると、何やら顔にまとわりついた物ごしに影がかかる。

「ん?」

誰かがそばにいるのか?気配も何となく感じる。
じわりと自身の衣服に落ちて染み込む温い雫から、海にいた人影のようなものではと推測する。
何かは結局わからなかったが、おそらく人影で正解だったのだろう。
布をとってもらえばそこには…少女の姿。
思わず目を丸くしてしまう。

サナ > 両手を伸ばして、窒息の危険を取り除いて差し上げる。
救い手と同時に元凶でもあるのだけれど。

布をすぐさま抱き込むには多少の躊躇いがある。
海から上がったばかりで、海水を其の侭服に移してしまうことになりかねない。

うーん、と。頸を傾げるのは、些か、と言うか、物凄く危機感に欠いた仕草。
思考と言うより、本能的に、嗅ぎ取る性質の悪さ。
屹度、防衛本能を働かせなくて大丈夫なんだ、と。

「……あ、久しぶりだね…。ブレイド」

其の侭ご挨拶。
濡れて膚に張り付いた髪から雫が伝い、身体の稜線をなぞるように落ちていく。

「助けてあげたのだから、美味しい物頂戴。」

真顔だった。

サナ > 「…。」

音なんて間違えてませんよって。貌だった。

ブレイド > 視界を塞いでいた布のようなものがとられて目にしたもの。
去年の冬頃に見たような…
そんな少女の顔。
続く言葉に、間違いなく本人であることを理解する。

「あー……えっと…サナ、だっけか」

まっすぐ見据えた上で、落ちる雫と共に視界を下に。
そしてまた視線を合わせる。
裸だ。そして真顔だ。

「服を着ろ」

じわじわと頬に赤みがさすが、まずは理性的に。
彼女への返答にはなっていないが、それは無理からぬ事だろう。

サナ > 「――――…………」

噛み合った視線がずれていくのを辿るように視線が落ちる。
それから、元に戻る。

ほんの少し見上げる頬の赤味に薄れたいつかの記憶が多少過る。
ここで引っ付いて揶揄すると割と楽しい。かもしれない。

「……………、ウン」

首肯までの不穏な間があったけれど、最終的にはスナオに。
濡れた肌は相変わらずで、一瞬相手の服を見る。
其れで拭いたら、―――――――理性の勝ち。

指先で申し訳程度に腕や肩、脚の雫を払い、後ろ手にやって長い髪を纏め。傷まない程度に緩く捻って水を落とす。

が、膚が落ち着かない。塩水がべたべたと纏わりつく故に。
つ、と相手の傍を擦り抜けて、海に合流する手前の川に向かう。

「目、閉じていて。…見えていたら気が散る、でしょう?」


告げるのは遅く、岸辺に服を放って川の水に足先をつける。
温かな海の水の躊躇いの無さとはまるで違う。
冷たさに眉を寄せながら、浸かるのを諦めて掬った水を肩先から流す

ブレイド > なんだか不穏な空気…というか、妙な間があったような気がする。
きっと気の所為、多分気の所為。
流石にずぶ濡れのままに服を着せるのも酷な話なので
水気を処理するのは待つのだが…

「あー……えーっと…」

ものすごく落ち着かない。
一応視線は外しているが、白く細い、少女の肢体が蠢くさまがチラチラ視界にうつると
そりゃもう落ち着かない。
そして、彼女がなにかに気づいたように歩き出せば、目を閉じていろと。
遅い、あまりに遅い。
遅いが、はじめからそうしていればよかったのもまた事実。

「そう、だったな…」

あまりに気が動転していたのか、すっかり失念していた。とりあえず
近くの岩場に腰を下ろして目を閉じる。

サナ > 川の水と言えど、幾らかは海水と混ざり合って、痺れる程の冷たさは和らいでいて。
砂か、或いは塩か、肌理をざらつかせる何かを濯いで馴染ませる。
本当は一息に浸かってしまえば早いし直ぐ洗い切れるのだろうけれど、後後凍えてしまっても困る話。

目を閉じ、いつかよりずいぶん口数が少ない気のする相手を、肩越しに小さく見遣る。

躊躇いの無い時間を掛けて、水音が減り。
水から上がる、音。間を置いて衣擦れの音。
やがて、ぺたりと小石を踏みながら相手の方へと歩み寄る、足音。

隣に腰を落として、肩を押し上げるようにぐいー、と寄り掛かる。
タオルで拭いたわけでは無く払っただけなので、多少は水気が移ろうけれど。

「寝ちゃった?」

急がなかったから。

ブレイド > 「起きてるよ。目ぇつぶってろって言ったのはお前だろ
って、なんで寄りかかってんだ?」

律儀にずっと目を閉じていたため
少し意識が遠くに行きかけていたのは内緒。
事実、足音には気づかなかった。

寄りかかられると、少ししっとりとしている。
自分の衣類にも淡く湿り気がうつっているが、まぁ気にはすまい。

「服は、きてるな。
つか、まだ髪とか濡れてんじゃねーか。
ちゃんと拭け、ちゃんと」

荷物袋からゴソゴソと小さな手ぬぐいを取り出してサナに手渡し

サナ > 「そっぽ向いて釣りしてても良いのに。

んー、寄り掛かるのに丁度よさそうだった。」


緩く笑みを落として、そこから退く訳でも無くぐいぐいと。
何なら相手を潰してやろうとする勢いで体重を掛ける。
そこまでの重量は無いし、押し退けられたら逆にぺしゃんと行くだろうけれど。

「タオルとか持ってないー………」

手渡された手拭いをじっと見下ろし、上肢を捻って振り返る、と。
相手の頭に被せようとする。
面倒だ、とか、言わんばかり。
少しだけ眠そうに間延びした声で。

「助け賃は?」

再要求した。

ブレイド > 「あー……」

それもそうだ。
だが、放って置いて別のことをするというのもなんだか気が引けていたわけで。
というか、そうだ、自分は釣りに来たのだった。
すっかり失念していた。
なんかすごく押してくると言うか、のしかかってくると言うか…
それを支えつつも頬を掻く。

「タオルってお前…ぜーたくなやつめ」

頭に被せられた手ぬぐいをしまう。
タオルがあれば渡してやったが、残念ながらもっていない。
そして太輔ちんを要求してくる彼女だが、見ればきている服の布地は、さっき顔にかかってたものに似ている。

「美味いもんだっけ?好物とか、なんかあんのか?」

手持ちは保存食と釣り餌くらいしかない。
胸を張って美味いと言えるような食料を常備しているわけでもないし…

サナ > 砂地に転がっていた釣り道具、は、既に相手の手中に拾われているのだろうか
探すように肩越しに振り返るが見え難い。

押し返すでも突き放すでもなく、渋々?ながら支えた儘の様子に何となく機嫌良く。
押すのはやめて、しかし遠慮の素振りは無くすっかり寄り掛かる。
悪戯の虫は騒ぐが我慢。

「ああ…手拭いだから嫌って訳じゃ無くて……拭くの、めんどうになって。」

気が向かなきゃ指先一つ動かさない気配の怠惰な声。

「うーん……たべられれば、何でも…」

粗食嗜好。考えた末、

「ああ、じゃあ、魚釣れたら、食べられるようにして、一匹頂戴。」

ブレイド > 釣り道具は岩場に向かう際に回収しておいた。
彼女からは死角となるだろう、自分を挟んだ逆サイドに置いてある。

無理な圧力は消えて、ただただおとなしく寄りかかるようになったサナ。
続く言葉には少し呆れたように。
だが、もう一度手ぬぐいを取り出して、彼女の髪を拭き始める。
女の子の髪なので、気持ち丁寧に。

「どっちにしてもわがままじゃねーか。てか、なんでこんなことしてんだ…」

ぶつくさいいつつも、髪だけでなく耳の中や裏、首筋ももののついでだと拭いていく。

「テキトーすぎんだろ。
つか、釣れるかどーかわかんねーぞ?
時間かかるかもしれねーし」

拭き終われば、おかえしにと彼女の頭に手ぬぐいをかけて
釣具の準備をする。というか、焚き火とかも準備させられるんだろうなぁ
などと思いつつ、寄りかかる彼女をどうしたものかと。これでは海にも近寄れない。

「んじゃ、まずこれでも食っとけ」

保存食の中にあった乾燥したナッツ類を差し出し。

サナ > 釣り道具が魔法でも使ったかのように消えていて、

「あれ…見間違い?」

少し探すように視線を泳がせるけれど、手拭いで拭いてくれる手の優しさにくすぐったそうに首を竦める。予想外の所にも布が動くと少々慌てたように身体が揺れるが。

「………放っておかないなんて、苦労性だね。付け込まれちゃうよ。」

甘え上手に、とか。己にど正直なようなひねくれものがそんな一言。

どこからか現れ出た釣り具に目を丸くしながら、食欲の甘い誘惑の方に負けたのか、邪魔しないように緩々と身体を起こす

「釣れなかったら……どうしよう。
頑張れ。粘ればいつかきっと何とかなる。

あ。ありがとう」

諦めない構えを見せてみる。
ナッツ類、受け取る手は、幾ら貰っても大丈夫と言わんばかりの両手の椀型。
受け取ると一つ抓んで口の中に放り込む。しあわせそうに。

ブレイド > 「ま、針とかついててあぶねーしな。
子供の手の届かねー所に、だ」

苦笑しつつも拭き終わった彼女の髪を
手ぬぐいの上からくしゃくしゃっと撫でて。

「ほっといて風邪でもひかれたら気分よくねーからな。
ま、すでに付け込まれてんだ。用事の一個や二個増えてもかわんねー」

食料をせしめようとつけ込んでくる少女がそんな事を言うものだから
へにゃっと脱力してしまう。

「ま、そん時はそん時…つか、粘ってもいいけど待てるか?
とりあえずすぐにはつれねーだろうから、様子見つつ火でもおこすか」

彼女の片手に収まる程度のナッツ。
両手の椀に満載したら食べるのに苦労するだろうし。
釣り竿を支える足場を作り立てかければ、様子を見つつもテキパキと火をおこし始める。
水を浴びているサナもいることだし、魚を焼くにも使える。あって困らないだろう。

サナ > くしゃくしゃと掻き回す手は好きだった。
四方に髪が跳ねる。もさっと。

「子ども扱いされてる…?」

そうか、これは、知り合いの小さい子への態度、か。
腑に落ちると同時に眉間に皺が寄る。
それはそれで。

「私の肌を見て、直視出来ない位おろおろしていた癖に。」
蹴り(物理)は一寸届きそうになかったから口で意趣返しを試みる。

「風邪をひいたらひいたで、お見舞いのご飯を要求するもの。
……でも、熱っぽいとつらいから、引かない方が良いな
……うんうん。一個や二個、三個や四個、五個になってもかわらないよね」


何度か頷きつつ解釈は無限に拡大させていく
両手一杯になったナッツをどう食べるかとなれば、ワンピースの裾野に落としてひとつずつ食べていたかもしれない。食べている間はとてもしあわせ。大事そうに一つずつ口の中に入れて噛み締める


「………眠くなるまでは待てる、かも。

…すごいね。手馴れてる。宿なしになっても困らないね」

少し暗くなり始めた辺りを照らす火の明るさ。
惹かれたように一歩二歩近づいて傍にしゃがむ。

ブレイド > 「子供扱いでもしねーといろいろ困るだろ」

こういう扱いをすることで、裸を見てしまったことを流そうとしているのだが
問題としては、自分が幼い体躯を好むあたり。
なので意識的にこういう扱いにしておかないと、いろいろとまずい。理性が。
だが、見事に痛いところをついてくるあたり、この娘は…。

「っ……る、るせー!子供じゃねーってならちったー恥じらえよ!」

顔が真っ赤だ。舌戦は自分の敗北らしい。
肩を落としつつ、起こした焚き火あたりに彼女を誘導する。
使わない荷物をまとめて椅子にしておいておいたし、問題はないだろう。

「それはそれで困るけどな。
ま、冒険者だし…これくらいは…っと、竿はどうかな」

反応はない。
焚き火の準備が終われば竿のもとに戻って、釣りに集中する。

「ん?よっ…と」

程なく、小さな魚を一匹釣り上げた。
ボウズはどうやらまぬがれたようで、市場でも見る魚だ。
食べても問題はないだろう。

サナ > 「何が困るのか言ってみなさい。」

間髪いれずに凄い偉そう。追及する辺りが屹度色気とか大人的な配慮に欠ける辺りなんだろう。
―――体格的な幼さが彼のツボの一つだとは知る由も無く、体躯と反して態度は大きい。

「恥じらうこともあるけれど、ブレイドは無理強いする性質じゃないと思う」

海で取れる蛸よりも真っ赤になった顔に目を丸くする。
首筋を拭かれていた時に慌てていたのは内緒と言うか白状厳禁の一つになった。

哀愁漂う背中をじっと見ながら勝利を確信する
配慮してもらった椅子に相手を気にしながら腰を下ろす。思いのほか快適で根っこがはえそう


「でも、根無し草の不安定さを感じられない、…感じ…?」

集中しているのを見るとちょっかいをかけたくなるさが。
美味しいご飯と悪戯心の優先順位をつけかねてどちらか選ぶより先

「あ、すごい。早い。」

思わず拍手を何度か。ぴちぴち跳ねる銀の鱗が夕日を反射して綺麗に映る。

ブレイド > 「うぐ…変な意識しちまうだろって!
つか、そこは流せよ!!」

答える方も答える方ではあるが。
性癖まで暴露させられた日にはそれこそ恥ずかしさで顔を見ることもできない。

「へーへー、信頼してもらえて光栄だ。
だけど、無防備がすぎると襲っちまうかもしれねーぞ?」

やや哀愁が漂っていたのは、休日の娘に付き合う父親の気分を味わっていたからかもしれない。
釣り針から魚を外せば、調理道具を使ってさっさとさばいてしまう。

「ま、冒険者ではあるけど生活自体は安定してるからな。
この大きさだとサナの分だけになっちまうな。
まぁ、先に食えよ。こういうのは鮮度ってのが大事らしいし」

ただ丸焼きにしてもボリューム的には物足りないだろうから
調味料と香草で味付けしたソテーにしてしまおう。
焚き火にフライパンをかけて、手早く調理。野外料理は得意としている。
これくらいはお手の物だ。木の食器にできたものを乗っけておく。
そういえば、食器は一人分しかもっていなかったような。

サナ > 「……あ、だから誤魔化したんだ。へー、へー。
絶対やだ。泣き所は流さない。絶対に。」

楽しそうだった。
それは、釣りをしようと歩いていたら、同年代の少女が裸だったりしたらびっくりするんだろうけど。にやにやしていた。
意識した理由にまで話が及んでいたらちょっと足を踏んだりしようとしたかもしれないので幸いだった。多分

「……無理強いで愉しむのに燃えなさそうだなって」

真顔で付け足した。性癖の問題として、って続けざまに。

「……でも背中がこう、煤けているよ。だいぶ」

鮮やかな魚の捌き方につい、饒舌だった言葉を休めて見入ってしまう、後、神妙な顔つきになる。
外で魚と言えば丸焼き、みたいな概念の持ち主には、調理と共に立ち上る調和のとれた香ばしい匂いに長めの無言


「……え、魚料理だ…?
あ、ありがとう。すごくいい匂いがするね…。

齧り付いて良いの?それとも、フォークとかまでもってきていたり…?」

木の器に盛られた新鮮な魚。こくりと喉を鳴らしながら。

ブレイド > 「そういうとこだぞお前…ほんとに…
あー、ちくしょー…そりゃおまえ…知り合いの女の裸なんてな…
意識しちまうだろ…」

フードの上から頭をかきつつ。
からかわれて、ニヤニヤ笑いまで浮かべられればバツの悪さも加速する。
冷静にスルーできればいいのだが
それができるほど女性に無関心でもないし、大人でもない。

「…よくご存知で」

実際そうなので、うなだれるしかなかった。
お互い気持ちよくなったり、楽しかったりするのが好きであり
痛がられたり苦しまれたりすると、心苦しくなってしまうのだ。
なんだか見透かされたようで悔しいが。

「どうしてだろうな。わがままに振り回されるってのは大変なんだろうな、きっと。
よしよし、できたな。つか、食器もあるんだからフォークもあるに決まってんだろ」

振り回されて煤けた背中をしていても、なんだかんだ楽しんでしまっているのでなんともはや。
フォークをサナに手渡して、自分の分は……保存食でいいか。

サナ > 「…そうかなあ。私が歩いていて、知り合いの男の子が全裸だったら…全力で逃げると思う」

立場の置き換えに失敗した。
意識する…まで想像しようとして違う方向に突き抜けてしまった。

――複雑そうな感情を揶揄って理性揺さぶって悪戯仕掛けて、も好物なんだけれど。
のんびりしたこの時間を楽しむのもよかったから、止めておいた。
逆に手を伸ばして、逆側の方から相手の頭をくしゃくしゃ撫ぜる

「……私は意地悪なの、好きだからね」

そういう嗅覚、と。

「ブレイドは軽めのわがままに振り回されるのは屹度嫌いじゃないと思う。
苦労性がいつしか性癖に……

……すごい。旅の料理人だったんじゃないの。

……あれ?次の魚、狙わないの」

フォークをお礼と一緒に受け取り、食べようとした手が止まる

サナ > 「私のそう言う処も可愛いって?そうでしょうそうでしょう」

うんうんと頷いた。

ブレイド > 「状況とか性別の違いとかあると思うぜ?
というか、オレも知り合いのヤローが街中で全裸だったら見て見ぬふりするわ」

間違っていないかもしれないけど想像力が変な所に飛んでったようだ。
そんなもの誰だって逃げる。
渋い顔をしてると…なんか撫でられてた。
ちょっとなで方は不器用だが、そう悪くはない。

「なんだよ。つか、性癖言うな。
ま、実際そうかも知れねーけどな。嫌いじゃねーってとこはさ。
お前が意地悪好きなのと一緒でよ。
ま、実際…かわいいんじゃねーの?そういうとこもさ」

保存食とは言え、干し肉とはいえ、ちょっと炙ればそれなりにイケる。
サナト焚き火を囲んで食事と洒落込もう。

「ちげーよ。冒険者だからな。野営とかするだろ?
慣れればこんなもんだ。
魚は…まぁ、なんだろーな。どうせ飯を食うなら一緒がいいだろ?」

遠慮せずに食べろと促しつつ。

サナ > 「それはもう見せたい人なんだと思うなあ…。そっとしておいてあげよう」

架空の変態さんにヤサシサ。
撫でた手をわきわきと怪しげに動かす

「ナンデモナイヨー。

軽めのワガママってじゃれてるんだよ、知ってた?
別に本当に叶えて貰わなくても良いの。

わー。さらっと言った!?」

一寸照れた。言葉と裏腹に。

「………したことないよ?(調理) 焼いたことしかないよ?」

本日一番の真顔に本気の声だった。
少し首を傾げ、立ち上がると一度皿を作って貰った椅子の上に置く。

辺りを見回しながら唐突に踵を返し―――数分後。
大きな葉っぱを手に戻ってくる。

「お皿見つけた。せっかく一緒なら半分にしよう」

砂地に膝をついて、魚をフォークで半分に切る。
しっかりと小さい方の身を葉の大皿の上に置いて、差し出し。

「巻いて齧り付いても良いと思う」

ブレイド > 「何だ、その配慮…んっ、ん?」

頭に触れる指先が怪しげに蠢いている。
マッサージでもしてくれるのか…いや、そんな訳はないか。

「ふーん、そりゃ知らなかった。
ま、話して楽しいって思えるなら…しゃーねーなーっておもいながら
わがまま聞いてやるのも楽しいもんだ。結構な。
つか、自分で言っといて、何だよ、その反応
実際顔はわるかねーだろ、顔は。体はガキっぽいけど…」

けっけっけと笑いつつも、パンを取り出して半分にちぎりサナに手渡たそうとするも
なんか、立ち上がって……葉っぱもって帰ってきた。

「ん、そうか。なら干し肉も半分やるよ」

少女に習って、半分に割いた干し肉の…ちょっと悩んでから
大きい方を少女の皿に乗っける。
葉っぱに乗せられた魚は、言われたとおりにそのまま巻いてかじりつく。
何の葉っぱかはわからないので、葉っぱごとかじらないように…。

サナ > 「そういえば、わがままを聞くのが楽しいって思ったこと無いかも。
わがままにはより大きな理不尽で反撃を………?

だって何言ってんだ、みたいな反応しか想定してなかった。

あ、褒められた…。ってガキっぽい体ってどこが!」

笑ってる腹あたりにぐーぱんちを狙う鋭い目、を一瞬向けるが、つい他のことに気をとられた。
パンを差し出してくれた手に気付かず空振りをおみまいした。

「わーい、ありがとう」

小さい方を渡しておきながら、大きい方を喜んで受け取る。
年上の筈なんだけれど。
だいぶ不器用ではあったものの、フォークで身を分けて口に運ぶ

「あ、美味しい。良い料理人だったんだね…」(二度目)

葉っぱは無害の物だったが、もしかして足元に笑い茸が生えていたかもしれない。
多少粉っぽいのがついていたかもしれない。

「頭マッサージしてほしいの?」

パンを見付けたらそれもちゃっかり欲しがりながら。程よく腹が膨れた頃、さっきのやり取り思い出す。

ブレイド > 「ま、そりゃ…なんつーか、それぞれ好きなもんは違うだろ。
お前はむしろ、わがまま言う方っぽいし…。

何言ってんだとは思うが、可愛くねーとは思わねーからな。
って殴るなよ。どこって言われると、まぁ…全体的に?」

パンチを空振りしつつも、干し肉に喜ぶあたり
体だけが子供っぽい…というわけでもなさそうだ。
話しやすい、気安いという点ではいいのだが。

「だから、ちがうっての……ん?」

なんか変な味…というか妙な舌触りと言うか。
こんな調味料使っただろうか?パンを差し出しながらも
魚を平らげて。

「ん?してくれるならいいかもな。
頭って結構こるらしいしよ。くふ…ふふふ…」

??
別に笑うようなところはなかったような。
なんで自分は笑ったのか…少し理解できない。

サナ > 「うん…。割と嗜好が真反対だった、かもしれない。

思ってたんだ!?
……全体的にって言いながら、どきどきしてたくせに!
殴るのは未遂だもの。
っていうことは、……もしかして、…小さい子の方が好き?」

一足飛びに真実に近づいた、かもしれない。
否、誤解かもしれない。

「………?どうしたの、あやしいよ。」

ご馳走さまでした、と。お皿を置いて、ちょっと川で洗い物に。
やっぱり拭くものは無かったけれど、小石の上に置いて乾かそうと。

お礼の為相手の背後に回って行きながら
葉っぱが原因とも思わずに眉を顰める。
指を立ててガシ、と頭を掴んだ。

ブレイド > 「くふ…あはは、あっははははは

ば、ばっか!おまっ…あははは!
そりゃ、その…く、ふ、ひひひ…そりゃ裸見せられりゃそうも…あっは
つか、そんなわけっ!あははは、ははは!あれ?なんか…ひひ、へんな…」

言い訳のつもりが、ほとんど肯定しているようなことを言ってしまっているような気がする。
が、それはそうとしておかしい。
というか、おかしくないのに笑いが止まらない。
なんか変なもんでも食ったのだろうか?
だが、サナと同じものしか食べてない。ナッツ分、自分のほうが一品目少ないくらいだ。

「ひはは…ひっ、お前、さっきの葉っぱ…どこ、で…
んわっ!?」

笑いながらも頭をガシっと掴まれる。
指が食い込むが、彼女の握力くらいなら、むしろ心地いいかもしれない。

サナ > ぎゅ、ぎゅ、と頭皮を捻るように揉み解したが、ほどなくして止まる
笑う振動で指が抜ける勢いだったりする。


「どうしよう実はお酒でも入ってた…?」

段々判別不能になってきた感がある。

「何々?女の子の裸が見たくって海を歩いて回ってたって?
そんなわけあるから服を脱いで見せてくれって?」


意識確認。決して否定しづらいのを良いことに意趣返ししてる訳ではない。決して。
辛うじて聞き取れた疑問に、す、と後ろの方の植林のつらなりを指さす。
足元に笑い茸が生えているのが見えるのかどうかは定かでは、無い。けれど。

どうしよう。思わずじっと相手を見た。ガン見した。

ブレイド > ぎゅっぎゅとわりと力強く揉んでもらうのは、結構心地よかったが
なんだかそんな場合ではないような気がしてきた。
と、いうか、なんでこんなに笑えてくるのか。

「いれてねっ…えっ!ひははははっ、はっ…はぁっ、はっ…」

少し息苦しくなってきた。
なのに笑いが止まらなくて、肩を震わせてしまう。
しゃべるのもやっとだと言うのに…こいつなんてこと口走るのか。

「いっ、て…ね…はははっ、げほっ!なに、いって…あっは、あははは!
んなもん、見たいなっ…んて…ひははは」

慌てた身振りで否定しようとするも、何故か笑いがこみ上げて
まともに返答できない。
というか、お腹が痛い。変な毒か何かだろうか。
解毒薬とかもっていただろうか?

サナ > 「…あ、不味い…まっとうな反論が無い…重症っぽい…」


飛んだ胞子がちょっと付着したのだろうから、そこまで重篤にはならないかもしれないが、体質次第かもしれない。


何か飲んでしまったのなら、水を大量に飲ませて体内で薄めたら意味があるだろうか。逆効果だろうか。
うーん、と考えたが、元々考えることは余り得意ではない。
やってみて、駄目なら笑って誤魔化そう。

――――思考を彼が聞いていたら青ざめたに違いない、か。

頭に置いていた手を肩に滑り落として、ぐい、と己の上肢に引き寄せる。
後ろ頭を胸の辺に凭せ掛けて置こうとし

「口大きく開けて。」

相手が暴れなければ。頬に銀糸の髪がさらさらと伝い落ち。
真上から覗き込みながら告げる。
言葉は大分足りません。従うが良か、逃げるが良か。

ブレイド > 「ひぃっ…ひ、は…ふえ?」

ぐいっと引き寄せられば顔は上向き。
胸元に引き寄せられ、頭には薄いがなんだか柔らかいような。
急なことでうろたえそうなものであるが、むしろ固まった。

状況がわかってしまえば青ざめるどころか赤くなる。
くすぐる銀糸のような髪が心地良い。
今の自分の状況は自分でもよくわかっていない溜、彼女に従うように大きく口を開けて
顔を上向きにする。一体何をするつもりなのか。

サナ > 薄い、あたりの反応を聞いていたら鼻のひとつやふたつ抓っていただろう。
掌には足りないけれど、頭を受け止めるくらいの、それなりの柔らかさはあった筈。

下唇から指を三つ揃えて差し入れる。
舌先に触れた処で止めて、

「とりあえず、薄めて置けば良いんじゃないかな?」

大雑把な思考が遂に言葉になって零れる、と。
指先に仄かな熱が灯った直後、水滴が滴り溢れて舌の上、口の中に満たされていく
流し込むような強さは無いけれど、そこそこ飲まないと―――溺れるかも。

ブレイド > 「んが、ひ、ふ…?」

なんか指が口に突っ込まれた?
舌に触れたそれがややくすぐったく
できれば動かないようにと集中はしているのだが…
笑いを我慢しているせいか、体がびくんとはねてしまう。

そして、薄めるとは?何を言っているのか、何をしているのか…
わからないうちに、一瞬の熱の後、何かが流れ込んでくる。
液体?なんの?
いろいろと疑問は浮かぶものの、とりあえず飲み込んで見る…が、結構な量だ。
飲み続けはするものの、いくらか口の端からこぼれてしまう。

サナ > その正体は、ただの水だった。
濃度を薄めるか、水と一緒に体内で流してしまうか。
抱き込んだ上肢の上で体躯が跳ねると、ちょっと息を飲んだ。

零れてしまうのを見ると、口移しを一瞬考えるけれど、濡れた指を一本戻して口元がぶれてしまわないように顎先に添え。
注ぐ量を幾許か減らして与えていく。

「……これは万能薬だから、少しだと効き目が薄いけれど、たくさん飲めば飲むほど効果が強まるの」

暗示掛けてしまおうと嘯いた。
暫く水を注ぎ続けた後、そろりと口元から引き抜いて。様子を見ようと。

ブレイド > 「……」

なんとか飲み干して、深く息を吸う。
むしろひっきりなしに液体を注がれたため、呼吸がかなり苦しかったことはあえて言うまい。
万能薬だというが…むしろ囁くような声にぞくぞくしてしまったことも言うまい。

「ぶはっ!あははっ!はっ…ははっ!まだ、足んねぇ…ひっはは
みてーだっ、ははははは」

一呼吸のあとに爆笑の様相。
万能薬、という言葉は信じたようだが偽薬効果が出るにはまだまだらしく
暗示も水の量もまだたりないといったところか。

サナ > 「え、ええーっ」

どうしよう。医者の所に連れて行くべきか。
―――医者が何処にいるのかよく知らないな。

だいぶ前に出会ったお医者様の貌を思い出すけれど、外科かもしれない。

うーん、と悩んだ末に、小石の上で干していた木皿が目に入る。
其処に指を押し当てて中身を浸していき、―――口元へと差し出す。

安定性だと膝枕な気がしたけれど、横たわってしまうと水を飲むのが困難そうだ。
振動を伏せるように肩を片腕で抱き込んで再挑戦。

ブレイド > 「ん、わり…く、ふふふ…」

なんだか手間を掛けさせてしまったようで申し訳なく。
皿から万能薬(水)を飲ませてもらう。

徐々にお腹が液体で満たされて…ちょっとばかり苦しい。
結局彼女の指から出てくる万能薬(水)を腹一杯に飲んだところで
なんとか落ち着いてきた様子をみせる。

「はぁ、ひぃ…なん、なんだったんだ?」

落ち着いたとはいえ、どうしてああなったのか…謎は深まるばかり。
首をひねりつつも、ようやく息を整えて。

サナ > 「……ぁ、よかったんだ 水飲ませて」

謝る様子に頭を振る、やっぱり元凶が口を滑らせる。
安堵と共に息を吐いて、抱き込んでいた身体からゆっくりと腕を離す。
木皿をもう一度拾って川辺へといき、ざっと水を通して洗い。

相手の傍にことんと音立てて置いた

「わからない…。

もう、真っ暗になったし。帰ってお互い休もうか。」

相手も眠って回復した方が良さそうに思えた。
ついでに、元々服を掛けていた岩場から靴も回収して。
相手へと手を差し伸べる

ブレイド > 「…水?」

万能薬じゃなかったのか?
いや、万能薬という言葉がだいぶ怪しかったのだが。
そういえば、切羽詰まっていたせいで気づかなかったが
身体を抱かれていたのか。
今になって気恥ずかしくなってしまう。

「そうか?ならいいけど…
てか、もう真っ暗か。
こんだけ暗いと、帰る頃にはもういい時間だな。
野宿でもいいくらいだ。ま…オレはいいけど、サナって家あんのか?」

差し伸べられた手をとって立ち上がる。
焚き火にも砂をかけ、後片付けをさっさと済ませてしまう。

「ま、今日は結局世話になっちまったからな…助け賃ッテの、また払わなきゃな」

サナ > 「水。」

具合が良くなったら何よりだから、もう隠そうともせず肯定を。
ぐうっと背筋を伸ばして伸びをする。

掴む手応えが返れば起き上がるのを手伝って。

「うん。
無いよ。適当に宿を転々として、偶に野宿。 …良いよ、お魚ご馳走さまのマッサージ、あんまり出来なかったし。また機会があれば、何か食べさせて」


焚火が消えるとしんとした暗がりが拡がる。
とん、とん、と。緩い歩調で歩き出して、道の分かれ道までを一緒に。

ブレイド > 「………」

立ち上がりつつも、サナのほっぺたを軽くつまんで引っ張る。
両側から。
この娘は本当に…。

「そうか、んじゃ、今度はまたなんかな。
適当なワガママも考えとけ」

気ままな少女だ。まぁ、先行ったように見た目は悪くはない。
野宿中に襲われなければいいがと心配がないわけではないが…
それは自分の趣味の視点だと思えば、思わず渋い顔。全く振り回されっぱなしだ。

サナ > 「…いひゃい。」

片側からじゃなく両側とは本気を感じた。
べんべん、と掌を叩いて抗議する、彼女にしては甘い訳、は。一寸心配だったり心細かったり、あったのかもしれない。余り自覚の無い処で。

「うん。
任せておいて、山のようにしておくからね…」

野宿をどうやって凌いでいるか、何時か語る機会があるのか、どうか。道連れは暫くの間続いて。

ご案内:「セレネルの海」からサナさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海」からブレイドさんが去りました。