2018/10/06 のログ
ご案内:「セレネルの海」にアイディールさんが現れました。
アイディール > 夜の浜辺に波が囁く。穏やかな音だ。
浜辺を撫でて、引いて、撫でて、引いて――規則的な声が夏の終わりの海辺へ響く。
月影に照らされる白く透き通るような砂浜には人影はない。
点々と、貝殻が転がる中に、その石は在った。
まるで誰かが砂浜に落とした忘れ物であるかのように。

――透明で小さな石の中に、まるで燃えているような光が存在する。
薄っすらと、時間に応じて色を変えていく。青、赤、黄、緑、紫――。
きらきらと煌めく色の中に、時折黒く闇のような色合いが走る。

それはそんな石だった。
ただ、静かに静かにそこに存在し、いつか消えてしまうだろう。
そこに存在するのが極自然で――けれど、決定的にどこか不自然な光。
そんな風に、今宵それはそこで何かを待っていた。