2018/08/11 のログ
ご案内:「セレネルの海/海辺の洞窟」にギィギさんが現れました。
■ギィギ > 粉雪かと見紛うばかりに月明かりを浴びて白く輝く砂と珊瑚の末路が削れて生み出された砂浜がある。
誰もが一度は眼にしてみたい、そう思うほどに美しい砂浜なのだが、一つだけそんな砂浜にも危険な場所がある。
それは砂浜を歩いて数分程の距離にある巨大な黒い岩。
その岩はただただ其処に鎮座しているのではなく、それ自体が地下深くに通じる迷宮への入り口であり、潮が満ちると海水が入り込むような危険な場所なのだ。
――だが、危険を避け迷宮に深く潜らず、入り口から浅い階層を歩くだけであれば天然石が荒波に削れて生み出された滑らかな石壁を眺めながら、外とは多少違う涼しい空気を味わえる格好の恋人達の逢瀬のスポットなのである。
外からは見えない、音は漏れない、涼しい、潮騒の音もあるし、明かりは月明かりを磨かれた様に滑らかな壁が天井が反射してほんのりと明るく、海ほたるに近しい生物も入るのだろう、壁には青白い光輝く何かが点在していて、まるで星空の如くであった。
だがしかし、今宵は恋人たちが逢瀬に使うようなそんな浅い階層ですら危険な事になっていた。
原因は偶然迷い込んだスライムの亜種の存在である。
それは岩壁に薄く広がり、同時に天井にまで広く広がって洞窟事態を己の体内に変えんと言わんばかりに這いずり広がり、海水を栄養分として肥大化している。
だがそれだけでは足りない。
塩分だけでは成長できない。
だからスライムの亜種はギィギと呼称される種族のスライムは洞窟に迷い込んできた者を貪ろうと、特に何も無い場所に厚く身体を広げ、獲物が這入りこんで気安いように、好奇心を煽る様な潮の香りとは違うかんきつを思わせえる甘酸っぱい香りをほんの僅かだが洞窟内から外へと広げて、獲物を誘うのだった。
さあ、香りに気をとられて洞窟に入り込むのか、逢瀬の約束があるのかそれとも洞窟の噂を聞いての観光か、何れにせよ今宵の洞窟は危険だと思い知る事になるだろう。
■ギィギ > 脅威を避けるには自ら光源を持って洞窟に入ればいい。
其処彼処が滑らかな石壁の艶やかさとは違う、粘液特有のヌラリとした輝きに覆われているのだから。
気をつけて洞窟の中を歩けばいい。
粘液により滑りやすくなっているとは言え気をつけて歩けば問題なかろう、尻餅をついても直ぐにたちあがれば良いはずだ。
後は一度潮が満ちて洞窟の中が洗われるのを待つべきだろう。
海水の流入によりスライムの亜種とは言え粘液の体はいとも容易く細切れになり、水に紛れて生命活動を中止するだろう。
だがそうで無ければ洞窟に入り込むのはやめるべきである。
おぼろげな光を頼りに進めばスライムの存在を感じる事は難しく、足取りを何よりも大事に歩けばその粘液で足を取られて滑りこけてしまう、それ以上に海水が満ちて引くまで入るべきではない、が、そうなるとスライムの亜種は困るからこそ、今すぐに獲物を寄せるべく柑橘系の香りで好奇心を煽り、洞窟内に広がることで感覚器をフル動員して侵入者の訪れを探り待ちわびているのだ。