2018/07/31 のログ
ご案内:「セレネルの海」にルビィさんが現れました。
■ルビィ > 目覚めたばかりの陽の光が、波に洗われた白砂をきらきらと輝かせる、朝。
波打ち際近く、転がる石の上に真紅のドレスとヒールを脱ぎ落とし、
白い薄絹で拵えた前開きのローブ一枚を纏った無防備な姿で、ひとりの女が水浴を楽しんでいた。
街に出かければ専用の施設がある、とも聞くが、やはり自然の波が寄せては返し、
柔肌をひたひたと慰撫してゆく、この感覚が何とも言えず心地良い。
それに―――――
「……誰かに見られちゃいそう、っていうところが、また、堪らないのよねぇ」
遠く、沖合に船影が幾つか。うっとりと双眸を細めてそちらを眺めつつ、
ちろり、弧を描く唇を舌先で辿り。
「……まぁ、これだけ距離があったら……見える筈、無いけど、ぉ」
あれが海賊船だったりしたら、楽しい事になりそう、だなどと。
考えただけで、下腹の辺りが疼いてしまいそうだった。
■ルビィ > 青く透明な水の中へ沈むのは、細く締まった腰から下の部分。
水面から露出している上半身にしたところで、簡単に巻きつけただけに等しい薄絹は、
とうにすっかり濡れそぼって、弾むように生地を押し上げている膨らみの形も、
ぽつりと小振りな先端の淡い色さえも、隠せているとは言い難い。
波に洗われて乱れた髪を両手で雑に掻き上げ、そのまま背筋を反らして伸びをすれば、
一層身体のラインが際立つ格好にもなるが―――――当人、気にした風も無く。
むしろ、何かハプニングでも起こってくれないかなぁ、なんて考えているのだから、
いっそ、痛い目のひとつもみた方が良い、のかも知れなかった。
ご案内:「セレネルの海」にエズラさんが現れました。
■エズラ > 「ふぅ、あ~……――」
波打ち際から少し離れた岩陰――丁度、海で戯れる女の死角に張られたテントの中で、大あくびと共に男が覚醒した。
戦場を稼ぎの場としているが、戦仕事に従事していない時は、山に川に――そして海に詣で、最低限の装備で野営を張るのが趣味と実益を兼ねた日課である。
陽光差し込むテントを脱し、潮風を浴びつつ海辺へと歩む。
その身に帯びているのは寝間着代わりのズボンのみ――戦傷に彩られた上半身を晒し、深呼吸すると――
「すぅぅー……んむ?」
はて――潮風に混じり、奇妙な芳香。
ただし嫌なものではなくむしろ――起きて早々、なにやら身の高ぶるような。
ほどなく、男は波に遊ぶ女の姿を発見する――一瞬、溺れているのかとも勘違いしたが、どうもそうではないらしい。
「おうい――あんまり沖へ出ると危ないぜ」
そう声をかけつつ、のろのろと歩み寄っていく。
未だ遠く、相手の艶めかしい肢体にまでは目が行っていないが――何やら妖しげな薫りは、少しずつ強まっているような――
■ルビィ > そも、人目などあればあったで、などと考えているのだから、
先客の有無をしっかり確認、なんて真似はしている筈も無い。
時間帯から言っても、未だ夢の中に居る人の方が多そうだ、と考えてもいた。
だから、背後から掛かった声は完全に不意打ちだったのだが―――――
肩越しに振り返った先、浜辺に佇む男の姿を認めれば、紅い唇はますます、
愉快そうに撓められることになり。
「あら、………こう見えてもあたし、泳ぐのもわりと得意なのよ?」
たっぷり水分を含んだ薄絹を纏いつかせた状態では、恐らく、
そう泳げるとも思えないが―――敢えて、はぐらかす物言いを。
上体をゆったりと捻り、豊かな胸と細腰を強調するよう、両腕を腰へ絡めながら、
「それに……貴方みたいな人が、現れちゃったんですもの。
浜辺に戻る方が、もう、危ないんじゃなくって……?」
ねぇ、と小首を傾げる仕草。
甘やかに濡れた紅玉が、意味ありげに男を見つめて瞬く。
―――――きっと花園の芳香は今や、潮の香りをも凌駕するほど強まっている筈だ。
■エズラ > この芳香――男は、かつて幾度も嗅いだことのあるような錯覚を覚えていた。
実際のところそれは錯覚などではなく、その芳香を嗅いでいる間の出来事が文字通り「夢見心地」であったから、ということであったのだが。
そう、この芳香は――男を誘い、脳髄を融解させるこれは――
「おおっ……――」
知らず、感嘆の声が漏れていた。
近間に寄ってはっきり視界に捉えられた女の肢体は、暫し見惚れるばかりに整い、かつ艶めいたもの。
薄布一枚によって申し訳程度に隠されている量感あふれる乳房と、それに反比例しているかのような華奢な腰。
海中に没している尻肉は、再び量感を増しているのであろうことは明白――
――そして、隠そうともしない誘い文句に、男もつられて口の端を持ち上げることになる。
「ムフ……そりゃたしかに言う通り。さぁ、海と浜と、どっちにする、お嬢さん――」
わざとらしく両腕を左右に開き、緩やかな歩みでこちらも波間へ分け入り、距離を詰めていく。
漂う芳香はもはや己が身を覆い尽くさんとするほどに濃厚であった。
早朝だからとすっかり考えの埒外であった――「彼女のようなの」は、夜にばかり出遭うものと思っていた――
■ルビィ > 男が己を、夜に、闇に、閨に潜むモノであると察した頃。
女もまた、男が、己を「そうした対象」として認めた、と、本能で感じ取っていた。
―――――この男には己の「香り」が通じる、そう思えば、ますますもって容赦無く。
いっそ暴力的なまでの芳香で、男の理性を蕩けさせてしまおうか、と。
「……嫌ぁ、ねぇ。
そんなに、じろじろ見たり、して……穴が、空いちゃうじゃない…?」
男の視線が己の肌を、身体のラインを辿るだけで、もう、心地良くて堪らないのに、
態と、窘めるような台詞を吐いた。
男が波間へ分け入り、寄せる波にその欲望の移り香を感じれば―――――ほう、と。
仰のき気味に洩らした吐息すら、既に甘く、熱く。
「貴方の、好きなところで、好きなだけ……って、言ったら。
貴方はあたしのこと、どこまで、楽しませてくれるのかしら…?」
生温いのは好まない、どうせなら煽るだけ煽り立てて、
剥き出しの男の獣欲を全て、容赦無く叩き込んで欲しかった。
目の前の男は、果たして何処まで狂ってくれるだろう。
試すように、焦らすように―――――己からは手を伸ばさず、上目遣いの眼差しで尋ねる。
―――――応えは言葉でも、勿論、それ以外でも構わない。
■エズラ > 「今日は一日、海釣りでも愉しもうと思ってたんだがよ――こうも早く獲物がかかっちまったら――あとはじっくり、味わうしかねぇよな――」
相手の言葉を受け、その紅玉の瞳をまっすぐ熱烈に見つめながら歩みを進めつつ、返答。
波の合間、互いの腰と腰が正面で触れあう。
相手の下腹のあたりには、早朝ということに加え、濃厚な淫香に育てられた肉の槍の感触が、布越しに伝わる――
「お嬢さん――勿論、あんたが満足するまで、愉しませてやるに決まってるじゃねぇか――」
緩く、開いていた腕を閉じ――その内側に相手の身体を抱き。
晒されている胸板に、むにゅんっ、と相手の乳房を感じて――唇同士を間近に寄せて。
「――そうと決まりゃ、さっさとさらっていかねぇとな――」
そう言うや、その華奢な身体を姫のように抱き、浜辺へと連れ去っていくのであった――
ご案内:「セレネルの海」からエズラさんが去りました。
■ルビィ > 釣られたのは男の方では無いか、などという減らず口を叩くゆとりは、
己の方ももう、失い始めていた。
水の中であっても分かる、男の、熱い―――――
抱き竦められ、抱えあげられた女の唇から零れるのは、
ひどく楽しげな笑い声である。
勿論それも、男が口を塞ぐ行為に出れば、途切れてしまうものではあるが―――――。
ご案内:「セレネルの海」からルビィさんが去りました。