2018/07/29 のログ
ご案内:「セレネルの海」にフォーコさんが現れました。
■フォーコ > セレネルの海上空100メートル程を移動する巨大な船。
急ぎ完成させた我が師団の飛行船ピアチェーレだ。
見た目はスクーナー型を巨大化させた船体に流線型の気球のような部位を付けた物。
推進力は私を始め魔力を持つ人員から集めた余剰魔力。
それを増幅器などを使いこの巨大な船体を浮かせているとのことだが、私は技術者ではないのでそれ以上はわからない。
この船は出来上がる前から星の聖猫派に狙われたりと苦労する所も多かったが、第十三師団の協力もあり遂に本日
処女航海を迎えることになった。
優秀な部下が計器類で測ったところ出力も安定しており、このまま実戦投入も可能との事だ。
私は実戦テストもかねて今、セレネルの海の上を漂わせている。
お目当てはこの海を荒らす海賊たちだ。
騎士団はタナールへと掛かり切りと思っているらしく、最近はまた略奪行為が横行しているらしい。
故に騎士団の方が実力は上だと言うことをわからせる必要がある。
海の上を後悔して1時間程経っただろうか。
わかりやすい海賊旗をかかげた船が大急ぎで航行している。
どうやらこの巨大な船を遠くで見つけ、逃げることにしたようだ。
甲板から眼下の海を眺めていた私は拡声器を手にし、海賊船へと語りかける。
「こちらは第五師団である。
話しがあるので早急に船を止めるように。」
海賊船は私の要求に対し、何も答えない。
むしろ船速を速める始末である。
とはいえ、通常の帆船ではいくら風の状態が良くてもこのピアチェーレから逃げ切ることは難しいのだが。
今も我が船は彼らの真上にある。 向こうからすれば黒い影が常にへばりついている訳だ。
■フォーコ > 「用意。」
私の合図で団員達が攻撃の準備に入る。
今回はピアチェーレの数少ない攻撃の一部をテストする。
と言っても大した攻撃ではない。
船の上から各人が爆弾を投下するだけである。
たったそれだけのことであるが真下の海賊船にしては溜まらないだろう。
瞬く間に帆は折れ、船体は穴だらけとなる。
木製の帆船は炎上し、船員達も恐らく船と運命を共にするだろう。
「攻撃中止。」
私の再度の合図で爆撃が止む。
誰の眼からも海賊船の運命は明らかであった。
「今のは録っておいたか?
城に報告をする際に必要になる。」
部下の一人がマジックアイテムの水晶球でこの戦闘の様子を撮影してある。
今回の船の予算もそうだが、運用の許可を取るのに苦労をした。
成果位は報告しておかないといけない。
「帰還するぞ。」
船の行き先を王国の港へと向けさせる。
この船が出来たことで海賊達への締め付けや異国への介入が更に便利になるだろう。
今宵は祝いの席を設けるとしようか。
ご案内:「セレネルの海」からフォーコさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海/洞窟」にギィギさんが現れました。
■ギィギ > ――セレネルの海、その遊泳も可能な比較的安全な白い砂浜の海岸より歩いて数分も掛からない場所に存在する岩壁を刳り貫いて作られたような洞窟。
外からは月明かりが射し込み、人の手が加わっていない分、夜の闇が深いが、天井などが風化して生まれた亀裂からそんな冷たい輝きが射し込む不思議な雰囲気をもった場所なのだが、此処にも当たり前の様に侵入者を貪るモンスターが生息している。
岩を海水が幾度を流れて研磨をくり返した結果生まれたつるつるした地面、それに反してごつごつとところどころが鋭く岩肌が露出している壁と、此処までは海の傍であればありえる光景なのだが、今夜は海水が入り込んだ形跡が見られないのにつるつるの床が妙に水溜りのようなモノが多い。
確かに海水が這入りこんで引けば一つ二つは出来てもおかしくないが、今夜はそれこそ見渡す限り不自然に幾つも大小様々に存在していて、特にまるで道を分かつように大きな水溜り?が眼を引くだろう。
透き通る水、射し込む冷たい月明かりに艶めかしくキラキラと輝く通路隔てる大きな水溜り、深さは近づき覗かねば解らないかもしれないが、其処だけ妙に深く、落ちれば人の腰ほどまですっぽりと飲み込む程に深くなっていた。
――…落ちれば解る、近づけばわかる。
それは水でも海水でもない、スライムの亜種がそれらに擬態して口をあけて獲物が落ちるの罠を張り待ち侘びているのだ。
落ちたら最後、決して抜けられない、逃げられない、狡猾なる罠、無名遺跡ではよく見かけられそうな罠ではあるが、遊泳客やただ洞窟を見に来た人間は気がつけるだろうか?
冒険者であっても油断をすれば罠を見破る事は難しいかもしれない。
とにもかくにも月明かりに艶やかに輝くスライム溜まりは静かにその時を待つのであった。