2018/07/11 のログ
ご案内:「セレネルの海」に紅月さんが現れました。
紅月 > ーーーぱしゃ、ぱしゃん…

黎明の海に紅一点。
静けき漣打ち寄せる其処に、朗々と浄めの謌を奏でつつに舞う…

精神統一を兼ねた、舞の鍛練。
波や砂に足をとられないようにするだけのシンプルな物だが、だからこそ…

「…~~♪…ーーー、ー♪♪……~♪~~♪……っ、わ、とと、ぉおっ!?」

迷いや悩みがあれば、すぐに足元が崩れる。

紅月 > 砂に足を取られるままに、砂浜に大の字になって空を見上げる。

…否、何、そんな深刻な事ではない。
ただ、少々…最近知り合った御嬢さんの言葉が引っ掛かっているだけだ。

『紅ちゃんみたいな優しくていい子は』
『戦争や、諍いがなくなった時こそ…必要な人だと思いますよ』

まず、本当に、終わるのだろうか。
そもそも、何から始まったのだろうか。
稀人である己には、知識というか常識というか…この国に於いての『普通』というのが足りていない。

そして、争いが無くなった時…そんなときが訪れたら。
……必要になる?私が?

「…私は、此の世にとってはただの、異物でしかないのに?」

卑下ではなく、本当の意味で本物の異物。
異界から来たイキモノ。
それが、必要になる、とは…やはり、よくわからない。

ご案内:「セレネルの海」に紅月さんが現れました。
ご案内:「セレネルの海」に紅月さんが現れました。
ご案内:「セレネルの海」に紅月さんが現れました。
紅月 > 「まぁ、私に出来ることと言えば…」

むくり、と起き上がる。
息を深く深く吐いて、吐ききったら、そのまま体に任せて吸って…そうして、体内の空気をリセットする。

「…私に出来ることと言えば、この両手に納まる範囲の、困ってる人を助ける事。
此処は一族の『領域』ではない、領域ではないから、あまり無茶は出来ない」

大体、今ですら領土侵犯しているようなものだ。
…いや、挨拶をしようにも、その相手が帰って来ないからどうにもならないんだが。

紅月 > 「見知らぬ環境に身を置いて、修練する…って意味では、中々に良い厳しさな感じもしなくもない、けど」

水平線を眺めながら、ぼんやりと目を細める。
母なるセレネルは、本日も眩く美しい。

「…紅は、どうすべきなんだろ?
人は好き、魔は斬りたくない…なのに手を取り合うのはダメって風潮」

話せば仲好く出来るのに…絶対。
なのに、話すのすら面倒がってるように見える。
…みんなメリットメリットって、さ。
真の安息は、今日お布団で気持ちよく寝て明日の朝日を浴びる事の幸せは…メリットじゃないのかね。

「……プライドとか欲とか、どっぷり浸かったヒトの心は…紅にはわからなんだ」

紅月 > 「……、…ちーうえとか、にぃなら…どうするだろうなぁ」

拝啓、父上様に兄上様。
紅はちょっぴりホームシックです。
白ちゃんとか、くろーにも会いたいです。

のへ~っと、足を開いたまま上体を前へ…ぺたり、と。
無意味に柔軟体操してみたりして。
…暫しそのまま潰れてたりして。

「……わからん事を考えても仕方がない、なぁ」

成るように成る、というか、成るようにしか成らぬ。
結局至る結論は其れである。

「…お腹空いてきちゃった。
クラーケンでも出ないかな、烏賊焼き喰いたい」

砂だらけの格好で、伸びをひとつ。
すたすた、ざばざば…紅月はホイッスルのように一度強く口笛を吹き、海に向かってのんびり歩いて行った。

ご案内:「セレネルの海」から紅月さんが去りました。